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「追伸」の意味と使い方・書き方・注意点・言い換え表現は?現役の校正者がサクッと解説!

「追伸」(読み方:「ついしん」)は、手紙を書く時によく用いられる言葉の一つです。

しかしながら、実際にこの言葉を用いる際には「ビジネスの場面や目上の人に対しても使用してよいのか」もしくは「手紙において具体的にどのような使い方(書き方)をするのか」「他の言葉で言い換える場合にはどのような語を使うことができるのか」といった疑問が浮かぶことがあるかもしれません。

そこで、ここでは「追伸」の意味と使い方、また具体的な書き方や使用する際の注意点、言い換え表現について説明していきます。
これまで数多くの小説や記事の校正を担当してきた筆者が解説します。

「追伸」の意味と使い方・書き方・注意点・言い換え表現

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よく漫画やドラマなどで用いられることも多い「追伸」。手紙やメールの最後についていることがありますよね。ですがいざ自分で使うとなった時、正しい使い方を理解していないでなんとなく使うと思わぬお叱りを受けることも。

そうならないよう「追伸」の意味と使い方、注意点、言い換え表現について説明します。

「追伸」は本文執筆後にさらに書き加える文を意味する

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まず「追伸」という語には、以下の意味があります。

手紙で、本文を書き終えたあとでさらに書き加える文。また、その始めに記す語。追って書き。二伸。

出典:明鏡国語辞典「追伸」

つまり、この言葉は、手紙の本文となる部分(主文・末文・後付)を書き終えた後になってまだ書き足したいことがあることに気付き本文の後にそれを書き加えるという場合において、「その本文の後にさらに書き加えた文章」、もしくは「その書き加える文章の冒頭部分に書く語」のことを表す言葉となっています。決して文中や文頭で使われることはありません。

「追伸」の使い方・書き方の例

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次に、「追伸」の使い方や手紙における書き方について見ていきます。

上述したように、この言葉は手紙の本文を書き終えた後にまだ書くことがあるという場合に、本文よりも後の部分において、まず「追伸」と記した後に、補足したい内容を書き足すという形で用いられることが多いです。

また具体的な書く場所としては、以下のようになります。

拝啓

師走の候、皆様におかれましては、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
先日はお茶会へのお誘い大変嬉しく受け取らせて頂きました。
心踊る思いでいっぱいでしたが、あいにくその日は都合が悪く今回はお見送りさせて頂きたく。
もし次回機会があれば是非ご参加させて頂きたく、その時を楽しみにしております。

そういえば以前頂いた花が綺麗に咲き、今庭に植え替えているところです。
今度写真を撮って送りますので、楽しみに待っていてください。
日増しに寒さが身にしみる今日この頃ですが、風邪など召されませぬよう、どうぞお体に気をつけてお過ごしください。

敬具

平成29年11月28日
宮野適子
山田花子様

追伸 年明けに家族でお会い出来るのを楽しみにしています。

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つまり、結びの言葉や結語(敬具、草々など)を書き、さらに日付・自身の署名・相手の氏名を書いたさらに後の位置にまず「追伸」と記した後に、必要な文を書き足すという形が主です。

「追伸」を使用する際の注意点

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では次に、「追伸」を用いる場合に注意したいことについて見ていきます。

上記のように、この言葉を用いる場合というのは「手紙を書き終えてから、最後に書き忘れたことを付け足す」という行為です。そのため、手紙を書き直すのが面倒くさかったのではないかと思われるため、目上の人に対して用いることは失礼だとされています。
また同様の考え方から、ビジネスの場面において使用する場合についても相手に失礼な印象を与える可能性が高いため、面倒でもすべて一から書き直すようにするほうが良いです。

つまり、上記の点から、「追伸」は親しい人に対して手紙を書く場合に用いる語として認識しておくと良いでしょう。友達や知人、家族の中でも気にする人、気にしない人をちゃんと考えて使えればベストです。

また、基本的には「追伸」の後は長文にならないようにするのがマナーとなります。あくまで本題に対するおまけ程度の文量にするよう意識しましょう。

言い換えられる表現

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それでは、ここからは「追伸」と同じように使用することができる他の表現について見ていきます。基本的には「追伸」以外が用いられることは少ないですが、手紙の追記の文として用いる表現としては、他に以下の言葉も同じように用いることが可能です。

追啓(ついけい)

追白(ついはく)

二伸(にしん)

どの言葉もそこまで大きな意味の違いはありません。ですが普段見ない書き方になるため一見わからない人もいるかもしれません。なお、後から書き加えるという行為や書き加えた文章自体は「尚々書(なおなおがき)」「追って書き」ともいいます。

ちなみにアルファベットで追伸のことを「PS」と書きますが、これは「post」(後に)+「script」(書かれたもの)を表す「postscript」を略したものとなっています。また、さらに追加して書くことがある場合には「post postscript」の略である「PPS」を使って表すことも可能です。間と終わりにピリオドを入れて「P.S.」と表記することもありますが、この際は「P.S」や「PS.」とならないように気をつけましょう。

英語圏でも「PS」や「PPS」を目上の人やビジネスメールに用いるのは失礼という認識は変わりません。ただしビジネスに直接関係のない内容などを送る際に使われることはあります。「PS:ブラジルのサッカーチーム優勝おめでとうございます」などの使い方ですね。

「追伸」と書かない場合の追記の仕方

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本文を書き終えた後に文章を更に追加する際、必ず「追伸」とつけなければいけないわけではありません。追記の文章に追って書く旨を記載してあげれば特に問題はないのです。とはいえ、なんでも良いわけではありません。適当だと思われてしまえばそれも失礼に当たります。

ではどのような言い回しが良いのでしょうか。

「追記にはなりますが〜」

相手が友人や、立場が同じくらいの方であればこの言い回しで十分です。親戚内で敬うべき方に対してはもう少し丁寧な表現をした方が良いでしょう。

「末筆ながら〜」

相手が目上の方などにはこちらの表現の方が適しています。後輩などの自分より立場が低い相手に対しては上記の言い方の方が良いでしょう。

「最後にはなりますが〜」

目上の人にも下の人にも使いやすい表現のため、迷ったらこちらを使いましょう。

いずれも、もう一文、あるいは二文程度追記するときに用いられます。締めくくりの文章としても用いられることが多いので、覚えておいて損はないでしょう。

「追伸」に対する返信は「追伸」でなくて良い

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追伸に書かれている内容だと、本文に含めずこちらも追伸にした方が良いのかと思うかもしれませんが、決してそのようなことはありません。相手が追伸に記載したものを、文頭や文中に含めても問題はないのです。

あくまで本文に書き忘れたもの、書いた後に追加したいと思った文章を足すようなイメージで追伸は使用すると良いでしょう。あえて使うメリットは特にないので使わないに越したことはありません。

「追伸」は相手を選んで用いる必要がある

以上、「追伸」の意味と使い方、書き方や注意点について例文をいくつか挙げて説明しました。

この言葉は、手紙を書く際に最後に書き足りないことを付け足すために用いるということで、便利な使い方ができる言葉ではありますが、逆に手紙の相手によっては礼儀やマナーに欠けるという印象を与えてしまう恐れもあります。

そのため、乱用しないことも大切ですし、相手やケースを考慮した上で用いるように留意しておく必要があるのは覚えておきましょう。

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