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「教示」の意味と使い方・例文・「教授」との違いは?現役ライターがサクッと解説

「教示」(読み方:「きょうじ」)という言葉は、「教示を仰ぐ」「ご教示を賜る」「ご教示ください」などの形ででよく使われています。

何かのやり方を教えてもらう時によく使う言葉ですが、具体的にはどのような使い方をするのか、また近い意味のある「教授」という語とはどのような違いがあるのか、中には疑問を抱くことがあるかもしれません。

そこで、ここでは「教示」の意味と使い方、また「教授」との違いなどについて、翻訳経験のある現役ライターの筆者が説明していきましょう。

「教示」の意味と使い方・例文・「教授」との違い

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それでは、以下に「教示」の意味と使い方、また「教授」との違いなどについて説明していきます。

「教示」の意味は?

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まず、「教示」には以下の意味があります。

(キョウシとも)教え示すこと。

出典:広辞苑 第6版(発行所 株式会社岩波書店)「教示」

つまり、「教示」とは「何かのやり方や手順、手段などを具体的に教えること」を表す言葉です。

ビジネスシーンではよく使われる表現で、「ご教示願います」などの形で、自分の知らないことについてその知識を持つ人に教えを乞うことになります。「教えてください」を丁寧な表現にしたのが「ご教示ください」ということです。

「教示」の使い方

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次に、「教示」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「顧客管理システムの使い方についてご教示を仰ぎたく存じます。お忙しいところ恐縮ですが、お手隙の折に30分ほどお時間をいただけましたら幸いです」


「プロの写真家から一眼レフカメラの撮影技術について直接教示を受ける」


「新しく導入したシステムの操作方法を担当者に覚えてもらうためマニュアルなどを使って教示する」


「上記の点についてご教示を賜りたく何とぞよろしくお願い申し上げます」

「教示」は、「ある物事をする手順について具体的に指導をする、指導を受ける」ことについていう場合に、「教示を仰ぐ」「教示を賜る」「教示する」などの形で使用することができます。

「ご教示願います」というのはメールなどで使う書き言葉で、話し言葉ではありません。口頭では「教えていただけますか」「教えていただけますでしょうか」などと言う方が自然です。

なお、「ご教示願います」をより丁寧に言いたい場合には、「ご教示くださいますようお願いいたします」などと言います。

「教授」との違い

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次に、類義語の「教授」との違いについて見ていきましょう。

まず、「教授」には以下の意味があります。

学術・技芸などを教えること。養護・訓練とならぶ教育上の基本的な活動・作用。

出典:広辞苑 第6版(発行所 株式会社岩波書店)「教授」

「教授」は、学生などが先生に対して「今後とも末永くご教授いただければ幸いです」などのような使い方をする言葉です。

そして、この語と「教示」の使い方を比較すると以下のようになります。

「教授」:「彼は数十年間その大学で古典文学を教授している」(≒「彼は数十年間その大学で古典文学史の授業を担当している」)


「教示」:「以前講師として勤めていた叔母から訪問着の着付け方について教示を受けた」(≒「以前講師として勤めていた叔母から訪問着の着付け方について指導を受けた」)

「教授」は「学問や技芸を教育的な活動として教えること」、つまり「学校のように組織として継続的に学問などを教えること」であり、「教示」は「教え示すこと」、つまり「ある物事のやり方などを具体的に指導すること」を表すという違いがあります。

「ご教授願います」というのは、長期的に継続して特定の学問などについて教えてもらう場合に使う表現です。

単に、相手が知っている情報について目上の人に教えを乞うときには「ご教示ください」を使うのが適切でしょう。「教示」は「教授」と違って、聞けば今すぐわかるようなことを表します。

その他の類似表現

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その他、「教示」と似ている表現にはどのようなものがあるのでしょうか。

「指導」

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「ご指導ください」「ご指導のほどよろしくお願いいたします」という表現は、ある特定の目的のために、わからないことを教えてもらうときに使います。

「指南」

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「指南」は「指導」と似ていますが、「ご指南ください」というのは、武術や芸術について教えてほしいときに使う表現です。ビジネスシーンではあまり使われることがありません。

「享受」

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「享受(きょうじゅ)」は「教授」と同じ読み方をするため、両者を混同して使っている人もいるようです。しかし、「ご享受ください」という表現はありません。

「享受」には「与えられたものを受け入れて自分のものとすること」「受け入れて楽しむこと」という意味があります。「自由を享受する」のような使い方をしますから、「教示」や「教授」とはまったく意味の異なる表現です。

「指摘」

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「指摘」は「教示」のようにプラスの意味の他に「欠点や過失を具体的に取り上げて示すこと」というマイナスの意味も持っています。

「ご指摘ください」「ご指摘のほどお願いいたします」は、何かの知識を教えてほしいというよりは、誤りがないか確認してほしい場合に使うことが多い表現です。

「鞭撻」

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「ご指導ご鞭撻(べんたつ)ください」という表現もあります。

「鞭撻」は「強く励ますこと」ことを表す言葉で、もともとは読んで字のごとく「鞭で打つ」ことを意味しました。つまり、「どんなに厳しくても構いませんので」ということです。

あまり普段から頻繁に使う表現ではありませんが、ビジネスや結婚式のスピーチなどの場でよく使われます。

「指示」

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「指示」は「指し示すこと」「指図すること」を表す言葉です。

「ご指示ください」「ご指示の程よろしくお願いいたします」などの形で、依頼主や上司の判断が必要な場合に使います。

「示唆」

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「示唆(しさ)」には「それとなく示すこと」「遠回しな表現」という意味があり、何かを教えてもらうときに使う言葉ではありません。

「ご示唆ください」などと表現するのではなく、「社長の発言は、業務撤退を示唆するものだった」のような使い方をします。

「教示」は知識や方法について教えてもらうときに使おう

以上、「教示」の意味と使い方、「教授」やその他の類義語との違いについて説明しました。

「教示」という言葉は「教え示すこと」を表し、自分の知らないことのやり方や手段などを具体的に人に教えてもらう場合に「教示を仰ぐ」「教示を賜る」「教示する」といった形で使うことができます。

また「教授」にも近い意味がありますが、この場合には「教育的な活動として学問や技芸を教えること」をいい、学校などで何かを教える、教わることについていう場合に「教授する」「教授を受ける」といった形で使う言葉です。

その他の類義語も併せて、それぞれの正確な意味を知ることで、最適な場面で使えるようにしておきましょう。

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konomianko