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「覆水盆に返らず」とは?由来・意味と使い方・例文・類似表現は?現役ライターがサクッと解説!

「覆水盆に返らず」(読み方:「ふくすいぼんにかえらず」)ということわざは、「したことは取り返しがつかない」ことの例えとしてよく用いられています。

誰もが一度は、何度後悔してもしきれない、という経験があるかもしれません。しかしながらこの言葉は具体的にどのような意味を指し、どのような由来なのか、使い方をするのか、中には疑問に思う人もいるでしょう。
そこで、今回は「覆水盆に返らず」の意味や由来・英訳・使い方、また似た意味のある他のことわざについて「誰にでも分かる言葉で伝える」を心掛ける現役ライターが分かりやすく解説していきます。

「覆水盆に返らず」の意味と由来・英訳・使い方・例文

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それでは、以下に「覆水盆に返らず」の意味と使い方、また類似した他のことわざについて説明します。

#1 「覆水盆に返らず」の意味は?

まず、「覆水盆に返らず」の意味をみていきましょう。このことわざの意味は、以下のようになります。

「1」夫婦は一度別れたら、もとには戻らないということ
「2」一度してしまったことは取り返しがつかないということ

出典:三省堂 大辞林「覆水盆に返らず」

#2 「覆水盆に返らず」の語源は?

もともとこのことわざは古代中国の故事に基づいたもので、その故事によると「周の太公望が斉に封ぜられた(ほうぜられた;取り立てられた)際に、自分から離縁を求めて去った妻が復縁を求めてきたことに対して、お盆から水をこぼし「お前がその水を元に戻したら求めに応じる」といったとされています。

そして、そこから「1」の意味が生じ、転じて「2」の意味で用いられるようになったものとなるのです。

ちなみに、「腹水盆に返らず」と表記されることもあるが、「盆からこぼれた水を返す」という由来を知っておくと、「帰らず」ではなく「返らず」が正しいことが分かりますね。

#3 「覆水盆に返らず」の四字熟語

「覆水盆に返らず」はということわざは、四字熟語でも表現できます。四字熟語で表すと、「覆水不返(ふくすいふへん)」です。この四字熟語は、「覆水」と「不返」の2つの言葉からできています。「覆水」は「こぼれた水」のことを、「不返」は「元の状態に戻らない」ことを意味しているため、「覆水盆に返らず」と全く同じ意味となるのです。

#4 「覆水盆に返らず」を英訳すると?

次に、「覆水盆に返らず」の英訳を見てみましょう。このことわざの英訳は、以下です。

●It is no use crying over spilt milk.
「こぼしたミルクを嘆いても仕方がない」
●What’s done is done.
「終わったものは終わったもの」

「覆水盆に返らず」は、夫婦の別離を表現したことわざでもあるため、「一度してしまったことは取り返しがつかない」と、ネガティブな表現になります。しかし、英語で表現すると、「終わったことをくよくよ考えていても仕方がないさ!」と、ポジティブな表現に聞こえますよね。

#5 「覆水盆に返らず」の使い方・例文

次に、「覆水盆に返らず」の使い方を例文を使って見ていきましょう。このことわざは、たとえば以下のように用いることができます。

「別れた妻は彼に復縁を迫っており、仲裁を頼まれたが、覆水盆に返らずでどうにもならないだろう」
「離婚を何度も後悔しているが、今となっては覆水盆に返らずだ」
「彼は大事なデータを消してしまい、かなり落ち込んでいるが、今さら覆水盆に返らずだ」
「留年した友達は、ひどく落ち込んだ状態だが、覆水盆に返らずだ」

「覆水盆に返らず」ということわざは、「一度別れた夫婦は元に戻らないこと」「一度したことは元には戻せないこと」を表しており、「覆水盆に返らずでどうにもならないだろう」などのように用いることができます。時々、「返らず」を「帰らず」と表記されることがありますが、「お盆からこぼれた水をもとの状態に戻す」ことを意味したことわざのため、「返らず」が正しい表記です。

「覆水盆に返らず」の類義語

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次に、「覆水盆に返らず」と似た意味を表すことわざについて見ていきましょう。

#6 類義語「後悔先に立たず」

このことわざの類義語は、「後悔先に立たず」です。このことわざの意味は、以下のようになります。

すでにしてしまったことをあとで悔いても、もう取り返しがつかない。事をする前に熟慮することが大切であるの意。

出典:精選版 日本国語大辞典「後悔先に立たず」

このことわざは「すでにしてしまったことを後で悔いても取り返しが付かないこと」、つまり「何か事を行う前には後悔しないよう、よく考えることが大切だ」ということを表すものとなっています。この言葉を用いた例えが、以下の文です。

ちなみに「覆水盆に返らず」は、取り返しのつかない状況を表しますが、その時の人の気持ちなどは関係しません。一方で、「後悔先に立たず」は、取り返しがつかない状況を後悔している人の気持ちや、そうならないようによく考えることを表した表現となっています。

「別れた彼の魅力に今頃気づき、後悔先に立たずだ」
「明日になって、後悔先に立たずとならないように、全ての可能性を考えてシミュレーションしておこう」
「私が断ったプロジェクトを引き継いだ彼女が、そのあと大出世した。今さら悔やんでも、後悔先に立たずだ」
「仕事を理由に健康診断を長いこと受けてこなかったが、癌が見つかり、後悔先に立たずだ」

「覆水盆に返らず」は、後悔しても取り返しのつかない状況を表していますが、「後悔先に立たず」は取り返しのつかない状況を後悔している人の気持ちや、そうならないようによく考えるという意味の違いがあります。同じように過去の失敗を悔いていることを表す言葉ですが、微妙にニュアンスが異なるため、使い分けに注意しましょう。
過ぎてしまったことはどうにもならないですが、後悔ばかりの人生とならないように、よく考えて行動した方がいいですね。

「覆水盆に返らず」を使いこなそう

以上、「覆水盆に返らず」の意味や由来、使い方についてまとめました。

このことわざは、「一度別れた夫婦の仲は元に戻らない」ことや「済んでしまったことは取り返しがつかない」ことの例えとして用いることができます。特に夫婦関係など取り戻したくても時機を得るのが難しいといったケースを表す場合に用いると、状況をうまく表すことができるでしょう。

また、類義語は「後悔先に立たず」です。このことわざは、「取り返しのつかない状況を後悔している人の気持ちや、そうならないようによく考える」ということを表しています。

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tanpopo409