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「破天荒」とは?意味と由来・使い方は?現役ライターがサクッと解説!

「破天荒」(読み方:「はてんこう」)という言葉は、一般的に「破天荒な人」などの形で「大胆」「突飛」「型破り」といった人表現する場合によく用いられる言葉です。しかしながら、これらの使い方は本来この言葉が表している意味とは少しニュアンスが異なるため、注意が必要です。

このように、誤用される事も多いこの言葉は、本来どのようなことを表しどのような使い方をするのか、中には疑問を抱く場合があるかもしれません。
そこで今回は、「破天荒」の意味や由来・使い方などを、例文を交えながら、「誰にでも分かる言葉で伝える」を心掛ける現役ライターが分かりやすく解説していきます。

「破天荒」の意味や由来・英訳・使い方

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それでは、以下に「破天荒」の意味や由来・英訳・使い方を、例文を交えて説明します。

#1 「破天荒」の意味は?

まず、「破天荒」の意味を見ていきましょう。「破天荒」の意味は、以下のような意味があります。

今までだれも行えなかったことを成しとげること。前例のないこと。また、そのさま。前代未聞。未曾有。

出典:精選版 日本国語大辞典「破天荒」

もともと「破天荒」の「天荒」には「まだ開かれていない地」「未開の地の混沌たるさま」という意味があります。「破天荒」は「天荒を破る」という意味になるため、「今まで誰もしなかったことを初めて行うこと、前例のないこと」を表す言葉となるのです。

この「誰もまだ成し遂げていないことを行う」ということは、イメージを広げてみると「大胆」・「突飛」・「型破り」とも言い表すことができるため、一般的に用いられている使い方と共通する部分があるといえます。しかし、厳密には本来のこの言葉の意味と異なることに注意が必要です。

ちなみに、「未曾有」とは「未だ曾て有らず」(いまだかつてあらず)と訓読みし、「いまだ曾て起こったことがないこと」を表し、「前代未聞」は、「これまでに聞いたことのないこと、きわめて珍しいこと、驚くべきこと」を意味する語となります。

「破天荒」は、「未曾有」や「前代未聞」と同じような意味となり、「今まで誰も成し遂げなかったことを初めて行う、前例のないこと」を表した言葉です。よく、「大胆」「突飛」「型破り」な人のことを指す言葉として用いられることがありますが、本来の意味とは異なるため、気をつけましょう。

#2 「破天荒」の由来・語源は?

次に、この言葉がどのようなことに由来しているのか、「破天荒」の語源について見ていきましょう。

この言葉は中国「北夢瑣言」の記事にある故事がもとになっています。その故事には、「唐代において、荊州(けいしゅう)という場所からは官吏の採用試験に合格した人が一人も出ず、その地は『天荒(未開の荒れ地)』と呼ばれていた。しかし、後に「劉蛻」(りゅうぜい)という人物が初めて試験に合格し、人々がこのことを『天荒を破った』(破天荒)と称した」と記されています。

このことから、「今までに前例のない、誰も成し遂げなかったことを行う」ことを「破天荒」と表現するのです。

#3 「破天荒」を英訳すると?

次に「破天荒」の英訳について見ていきましょう。「破天荒」を英訳すると、以下のようになります。

●unprecedented 
「前例のない、誰もやったことのない」という意味の英語です。

ちなみに、一般的に用いられている「大胆」「突飛」などを英訳すると、eccentric~、off the wall~などと表現されます。

#4 「破天荒」の使い方・例文

それでは次に、「破天荒」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「自転車で全国を旅する破天荒の試みを実践する」
「入社して10年経つが、さすがにこれは破天荒の出来事だ」
「開店セールでノートパソコンが1万円になる破天荒の大安売りをやっている」
「業界に新境地を開く破天荒の壮挙を成し遂げる」

「破天荒」対義語は?

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次に、「破天荒」の対義語について見ていきましょう。

#5 対義語「踏襲」

「破天荒」の対義語は「踏襲」です。「踏襲」は「前例踏襲主義」という言葉などで用いられ、ビジネスや学問の分野においてよく使われます。「踏襲」の意味は、以下です。

前人の経験したものを、そのまま受け継ぐこと。もとのままに伝えること。前人の説ややりかたをそのまま受け継ぎ自分の説にすること。

出典:精選版 日本国語大辞典「踏襲」

確かに、ビジネスや学問の現場においては、踏襲するやり方の方が期待する結果を得られやすいかもしれません。しかし、歴史に残る新しい結果や発見をしてきた人たちは「破天荒」な試みをしてきた人たちなのではないでしょうか?その環境や状況で、「踏襲」するか「破天荒」な試みをするか選択し、自分の理想に近づけるといいですね。

 

「この事業は、先輩方のやり方を踏襲して受け継がれてきた」
「いつまでもそのやり方を踏襲していては、新しい記録は出ない」
「この世界は前例踏襲主義だが、それが若手の可能性を潰している」

「踏襲」は、「前人の経験ややり方などを受け継ぐこと」を表した言葉です。この言葉は、「前例踏襲主義」などと表現され、ビジネスシーンや学問などの分野において多く用いられます。「前例踏襲主義」とは、それまでの方針に従うだけで、必要に応じた変革や柔軟な対応ができない企業体質などを表す言葉です。しかし、仕事においても、最近ではフリーランスや様々な働き方・考え方があって当たり前、という風潮なので「前例踏襲主義」は少しずつ時代錯誤になってきているかもしれません。

「破天荒」を使いこなそう

以上、「破天荒」の意味や由来・使い方などについてまとめました。この言葉は「今まで誰も成し遂げなかったことを初めて行う」ことを表した言葉です。一般的には、「大胆」「突飛」「型破り」な人を表す言葉として使われますが、本来の意味するものとは異なるため、使い方に注意しましょう。

また、対義語には「踏襲」があり「前人の経験ややり方などを受け継ぐ」ことを意味しています。失敗を恐れずに「破天荒」なチャレンジをすることで、新しい結果や発見ができるかもしれません。

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tanpopo409