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「進捗」の意味と使い方・例文・「達成」「進展」「発展」との違いは?現役記者がサクッと解説!

「進捗」(読み方:「しんちょく」)という言葉は、「進捗状況」「進捗する」などの形でよく用いられています。

ビジネスの場面で用いられることが多い語ではありますが、具体的にはどのようなことを表しているのか、また似たような使い方をする「達成」「進展」「発展」という語とどのような違いがあるのか、中には疑問が浮かぶこともあるかもしれません。

そこで、ここでは「進捗」の基本的な意味と使い方、また「達成」「進展」「発展」との違いについて、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が解説していきます。

「進捗」の意味と使い方・例文・「達成」との違い

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それでは、始めに「進捗」の意味と使い方、また「達成」との違いを説明します。

「進捗」の意味は?

まず、「進捗」には「物事の進行が順調に進むこと、物事が捗ること」という意味があり、「仕事や作業、計画などの成り行きが進んでいくこと」を表す語となっています。

「進捗」の使い方は?

次に、「進捗」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「仕事の進捗を早めるために一から業務手順を見直す」

「ツールを使って業務の進捗状況を管理すると、視覚的に全体的な状況を確認できて分かりやすい」

「この業務の進捗状況は定期的に上司に報告する必要がある」

「しばらく雨が続き、工事の進捗は計画よりも遅れていた」

「夏休みの宿題には全然手を付けておらず、進捗はかなり悪い」

「警察が情報管制を敷いているのか、捜査の進捗がメディアに全く出ていなかった」

「治療の効果は進捗を見せておらず、今のところ彼女が目を覚ますことはなかった」

「プロジェクトの進捗状況は3ヶ月ごとに報告しなくてはならない」

「起工式から半年以上が経つというのに、工事はほとんど進捗していない」

「この地区では道路整備が進捗する一方で公共交通網の整備が進んでおらず、今後の大きな課題となっている」

このように、「進捗」は「進捗する」という形では「(物事が)順調に進む、捗る」というように意味通りに用いられていますが、名詞として使用する場合には「(物事の)順調な進行、捗り」というよりむしろ、予定と比べた時の物事の進行の度合いや進行の速度を表す場面で用いられています。

ちなみに、「進捗状況」は「物事が進んでいる状況」、つまり物事がどこまで進んでいるのかという「物事の進行の度合い」を表す言葉です。

「進捗」と「達成」の違いは?

では次に、「達成」との違いについて見ていきましょう。

「達成」には「何かを成し遂げること。目的を果たすこと」という意味があり、「進捗」の使い方を例文で比較すると以下のようになります。

「達成」:「彼は仕事の合間を縫って勉強を続け、年内にその資格を取得するという目標を達成した」(彼は仕事の合間を縫って勉強を続け、年内にその資格を取得するという目標を果たした)

「進捗」:「その建設工事は滞ることなく着々と進捗し、無事に引き渡しまで終えることができた」(ビルの建設工事は滞ることなく着々と進み、無事に引き渡しまで終えることができた)

つまり、「達成」は「物事を完成させる、最後までやり遂げること」、「進捗」は「(作業や計画などが)うまく進んでいること」を表すという明確な意味の違いがあります。

「進捗」の類義語は?

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それでは、次は「進捗」の類義語・類語である「進展」「発展」について見ていきましょう。

まず、これらの語には以下の意味があります。

「進展」:物事が進行して新しい局面が現れること新たな段階に進むこと。また、物事が進歩・発展すること。

「発展」:物事の勢いなどが盛んになること、物事がより進んだ段階に移行すること

また、「発展」は「(異性関係において)活躍すること、積極的に活動すること」にも用いられます。

「進展」の使い方は?「進捗」との違いは?

それでは、次に「進展」の使い方と「進捗」との違いについて見ていきましょう。

この語は、例えば以下のように用いることができます。

「担当者との面談が叶わず、商談は中々進展しなかった」

「この三年間の研究では大きな進展は見られなかった」

「新しいことに挑戦していく人々のおかげで科学が進歩し社会も進展する」

「これを機に両国の関係改善が一気に進展することを期待する声もあった」

「進展」には「進捗」とは異なるニュアンスがあり、物事の状況が単に進むだけではなく何か新たな局面や段階に移行するような場面で用いられ、また悪い方向に進む場面でも使われます。

「発展」の使い方は?「進捗」との違いは?

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それでは、次に「発展」の使い方と「進捗」との違いについて見ていきましょう。

この語は、例えば以下のように用いることができます。

「工業化とそれに基づく経済発展が、日本国民の生活状況を改善した」

「農村からの移住者が都市部の単純労働者として中国の経済発展に寄与することになった」

「欧米の自転車タクシーは発展途上国では見られない高性能なもので、油圧式ディスクブレーキ、軽量なガラス繊維のボディ、電動アシストなどが使われている」

「綿産業の発展を主軸にした産業構造の変革を産業革命という」

「発展」も「進展」と同様、より進んだ段階に移行するような場面で用いられますが、その方向は勢いがより伸び広がっていく方向に限られます

「進捗する」は「物事が順調に進む」、「進捗状況」は「物事の進行の度合い」を表す

以上、「進捗」の意味と使い方、「達成」「進展」「発展」との違いについてまとめました。

この言葉は「物事が捗ること」を表し、「(作業などが)順調に進んでいること」を表す「進捗する」という形や「物事の進み具合」を表す「進捗状況」といった形で用いることができるでしょう。

また、「物事を成し遂げること」を意味する「達成」は、目的や目標をやり遂げたことについて述べる場合に用いられ、「進捗」とは明確に意味が異なります

「進展」「発展」といった語も近いニュアンスがありますが、「進展」は「新しい局面や段階に進むこと」、「発展」は「物事がより進んだ段階に移行すること」を表し、「進展」が悪い方向に進む場合にも用いられる一方、「発展」はより進んだ段階や勢いがより伸び広がっていく方向に進む場面で使うことができるでしょう。

「進捗」「進展」「発展」は、「経過が進むこと」「物事が新しい段階に移行すること」「より進んだ段階に移ること」といったようにそれぞれ異なることを表しているため、違った場面で使い分けることができます。

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