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「以上」の意味と使い方・例文・「上記」との違いは?日本文学専攻の現役ライターがサクッと解説!

「以上」という言葉は、ビジネス・プライベートを問わずさまざまな場面で用いられていますね。

どんな意味があるのか概ねすでに分かっているという人が多いかと思いますが、いざ説明しようとすると、なかなか難しいものです。

そこで、今回は「日本語」が好きすぎて研究してきた筆者が、「以上」の基本的な意味と使い方、似た意味のある「上記」という語とはどのような違いがあるのか、また「以上」と「上記」を比較して、それぞれの違いについて説明していきます。

「以上」の意味と使い方・例文・「上記」との違いは?

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それでは、「以上」の意味と使い方、また「上記」との違いを説明します。

「以上」の意味は?

日常でもよく使う「以上」という言葉ですが、そもそもどのような意味を持つ言葉なのでしょうか。

改めて訊かれると、説明するのはなかなか難しいものです。

文章にする際などにも、「この『以上』の使い方は合っているんだろうか?」と、不安を覚えた経験がある人も少なくないと思います。

そこで、この項ではしっかりと「以上」という言葉の意味を確認しましょう。

「以上」の意味には、以下のような複数の定義があります。

・程度や数量などがそれよりも多い、または優れていること
・これまでに述べてきたこと
・手紙などの末尾に記して「これで終わる」ことを表す
・からには、~の上は

「上記」という言葉は、「20歳以上」「身長150cm以上」などのように、一般的に1の意味で多く用いられますが、この意味では数量を含む表現に用いる場合には基準値となる数を含みます。

(たとえば「20歳以上」とある場合には20歳を含む)

また、4の意味で用いる場合は「前後の事柄が因果として決定的なものとして成立」しており、後にくる事柄が必然的に前の事柄への対処になるという形で用いられることが基本です。

(たとえば下に記す例文でいうと、「相手が家出してきたことが分かった」ということは「このまま相手を自分の家に置いておくことはできない」ことの決定的な(動かしがたい)因果関係として成立しており、前者が理由となって後者の対処が成立するという形になっています)

そのため、文末となる部分には話者の決意や義務などの表現を伴った使い方をするというわけですね。

「以上」の使い方・例文は?

「以上」には様々な意味があることがわかったところで、「では、どのように使うのが正しいのだろうか?」と、さらに疑問を深めた人もいることでしょう。

そこで次は、上記1~4(3を除く)の意味における主な使い方を例文を使って見ていきます。

それぞれのケースにおける使い方としては、以下のようなものです。

 
・「60歳以上の人は半額でご利用いただけます」(1の意味での使い方)

・「今回の作品は予想以上の仕上がりだ」(1の意味での使い方)

・「以上の説明でご理解いただけましたでしょうか」(2の意味での使い方)

・「その件の概略は以上で述べた通りです」(2の意味での使い方)

・「以上をもって本日の公演は終了となります」(2の意味での使い方)

・「君が家出してきたことが分かった以上は、このままここに置いておくわけにはいかない」(4の意味での使い方)

「以上」と「上記」との違いは?

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「以上」という言葉とよく似た言葉に、「上記」という言葉があります。

どちらもビジネスの場でよく用いられ、主にメールや書類で見る機会が多い言葉ですね。

しかし、「どのように使い分けるか」ということまで意識している人は少ないのではないしょうか。

そこで、ここからは「以上」と似た使い方をする「上記」との違いについて見ていきます。

「上記」の意味は?

まず「上記」には「ある記事の上方、または前に書いてある部分、またその文句」という意味があり、文章においてそれよりも上もしくは前に書いてある部分のことを表します。

ちなみに、「上記」の対義語は「下記」です。ある文章においてそれよりも下に書いてあるものは、総じて「下記」となるわけですね。

文脈によって「以上」と「上記」「下記」を使い分けられるようになると、書類やレポートの作成が楽になりますので、是非覚えておきましょう。

さて、この言葉と「以上」の2の意味における使い方を比較すると、以下のようになります。

「上記」:「上記のとおり相違ありません」(この文章の前もしくは上方に書いてあることに間違いない)

「以上」:「私の経歴は以上の通りとなります」(経歴はそれまでに述べた通りとなる)

つまり、「上記」は文章においてそれよりも前もしくは上方に書いてある部分を表しますが、「以上」は書き記したことに限らずそれよりも前に述べたことを(総括的に)表すという違いがあります。

「以上」は話し言葉としても使うことができますが、それに対して「上記」は文章のみで用いる言葉であるという部分に注意してください。

字を読んでも、「上に記す」と書きますので、「記されている(=書かれている)」ことが非常に重要というわけです。

よって、文章以外の場面では「以上」を用いるのが正しい使い方となります。

レポートや報告書は「上記」を使うことができ、それ以外の場面では基本的に「以上」を使う、と心がけておくのが良いでしょう。

ちなみに、前の項目で少し触れた「下記」も、「上記」と同様に文章の中でしか用いることができない言葉になります。

話し言葉の場合は、「以下」を使いましょう。この点は「以上」とよく似ていますので、是非セットで覚えておくことをおすすめします。

様々な使い方を覚えて、「以上」をマスターしましょう!

「以上」の意味と使い方、「上記」との違いについてまとめました。

この言葉には複数の意味があり、さまざまな使い方があります。

主に「基準値があるもの」前後の事柄が因果として決定的なものとして成立しており、後にくる事柄が必然的に前の事柄への対処になるもの」に対して用いますが、そのほかの場面でも使用することができる言葉ですので、今回紹介した意味を一通り覚えておくと良いでしょう。

また、印象がよく似た言葉に「上記」がありますが、こちらは文章のみで使用できる言葉になるので、注意が必要です。

使い方として特に難しいところがある語ではありませんが、「上記」とのニュアンスの違いなど、細かい部分を含めて意識して用いるようにすると、より適切な使い方が可能となります。

どのような場面で「以上」を使うのが適切なのか、具体例を見てしっかりと覚えておきましょう。

さらに、対義語である「以下」や「下記」も併せて覚えておくと、使うことができる場面が似通っているので便利です。

それぞれの意味や使い方をマスターして、是非ビジネスの場面で使ってみてください。

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