用語

「一貫」の意味と使い方・例文・「一環」との違いは?日本文学専攻の現役ライターがサクッと解説!

「一貫」(読み方:「いっかん」)という言葉は、「一貫した~」「一貫して~する」などの形でよく用いられています。

たとえば「一貫した経営方針」などのように、ビジネスの場面で用いられることの多い語ですが、この言葉が具体的にどのようなことを表しているのか、また同じ読み方をする「一環」という語とはどのような違いがあるのか、中には疑問が浮かぶこともあるかもしれません。

そこで、ここでは日本語を勉強するのが大好きな筆者が、「一貫」の意味と使い方、また「一環」との違いについて説明していきます。

「一貫」の意味と使い方・例文・「一環」との違い

image by iStockphoto

それでは、以下に「一貫」の意味と使い方、また「一環」との違いを説明します。

「一貫」の意味は?

まず、「一貫」にはどのような意味があるのかを考えていきましょう。

「一貫して〜する」「中高一貫教育」など、日常的にもよく用いられる言葉ではありますが、普段は意識して使うこともないため、明確に説明をするように求められても、即答することは少々難しいかもしれません。

そこで、改めて「一貫」の意味を調べてみました。

「一貫」を辞書で引いてみると、以下のように記されています。

・一筋に貫くこと。一つの考え方ややり方で貫き通すこと。
・単位「貫」で数えた一つ分。
出典:広辞苑「一貫」

つまり、「一貫」は主に、上記のうち1の意味で用いられ、「一つの考え方ややり方を変えずに、最後までそれをやり通すこと」と定義されていることがわかります。
なお、「一貫」は「始めから終わりまで」という意味を表す「首尾」や「終始」といった語と併せて、「首尾一貫」「終始一貫」という四字熟語としての形でも用いられることが多いので、覚えておくと便利です。

ちなみに「終始一貫」は「始めから終わりまで一つの主張ややり方を通して変わらないこと」を指し、「首尾一貫」「始めから終わりまで矛盾することなく一つのことを一途に貫いていること」を表します。

「終始一貫」より意味が強まった言い方が「首尾一貫」となるので、場面に応じて使い分けられると理想的です。

単純に「一貫して変わらないことを示したい」というときは「終始一貫」、より強調したい場合は「首尾一貫」を使う、と意識してみてくださいね。

「一貫」の使い方や例文は?

「一貫」の意味を理解したところで、次は「一貫」の使い方を例文を用いて見ていきましょう。

言葉の意味をただ知っただけでは、「では、どう使えばいいのか?」と、より疑問に思ってしまう部分もあるかもしれません。

しかし、例文を知ることで、言葉はより適切に使えるようになりますので、しっかり確認していきたいところです。

「一貫」という言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

・「その長編小説は、最後まで読み進むにつれて始めから一貫したテーマに沿って物語が描かれていたことが分かってくる」

・「あの先生は、感情的になって恣意的な振る舞いをすることがなく、常に一貫した態度でいるため、生徒たちからも好かれているようだ」

 ・「当店の商品に使用する原材料には一貫してオーガニックのものを採用しています」

 ・「業界が全体的に値上げ傾向にある中で、その店だけは一貫して開店時から変わらない価格を維持していた」

「一環」との違いは?

では次に、「一貫」と混同されることがある「一環」との違いについて見ていきましょう。

この「一環」という言葉も、「業務の一環で〜」「勉強の一環で〜」と非常によく使います。

誰もが一度は口にしたり、耳にしたりしたことがある言葉なのではないでしょうか。

「一貫」と「一環」は、同じ「いっかん」という読み方をします。

文章にしたときに、「どちらを使えばいいんだっけ?」と混乱したことがある人もいるかもしれません。

もう混乱しなくてもいいように、しっかりと「一貫」と「一環」の違いを確認していきましょう。

混乱しないためには「意味」を理解することが大切ですので、まずは「一環」の意味を解説します。

辞書で「一環」を引いてみると、以下のように記されていました。

・鎖などの一つの輪

・全体としてのつながりを持つものの一部分。

出典:広辞苑「一環」

「一環」は様々な意味を持つ言葉ですが、日常的に用いるのは2の意味だと思います。

「一環」の意味がわかったところで、より「一貫」との違いをわかりやすくするため、ここでは「一環」の2の意味と、「一貫」の1の意味に置ける使い方を比較してみましょう。

例文を並べてみると、以下のようになります。

「一環」:「全社的に行っている社内業務合理化の一環としてペーパーレス会議を実践する」(社内業務を合理化するために全社的に行っている取り組みの一つとしてペーパーレス会議を実践する)

「一貫」:「彼は子供との約束は破らないと決め、子供が成人するまで一貫してそれを崩さなかった」(彼は子供との約束は破らないと決め、子供が成人するまでずっとその考えを変えることがなかった)

つまり、「一環」「つながりのある一つの物事の一部分」「一貫」「ある考えや方針を最後までやり通すこと」を表すというニュアンスの違いがあります。

「一貫」は「始点」と「終点」がある直線のイメージであるのに対して、「一環」は始まりや終わりのない「円」をイメージすると、言葉の意味が掴みやすくなるのではないでしょうか。

さらに詳細にイメージすると、「一貫」は直線そのもの、「一環」は円の中の一部分、といった形になります。

このように、言葉の使い分けで悩んだ場合は、「言葉の意味からイメージを思い描く」と、より適切に言葉を用いることができるようになるため、迷ったり悩んだりしたら是非試してみてくださいね。

「一貫」と「一環」の違いを理解して、適切に使い分けられるようになりましょう!

以上、「一貫」の意味と使い方、「一環」との違いについてまとめました。

「一貫」には複数の意味がありますが、主に「ある考えや態度を貫き通すこと」を表し、「一貫して~する」「一貫した~」といった形で用いられています。

対して、「一環」については、「あるつながりを持つ物事の中の一部分」を表し、「勉強の一環として洋書を読む」「仕事の一環として日経新聞に目を通す」といった形で使うのが一般的です。

「一貫」は始まりと終わりがある直線、「一環」は延々と物事が続いている円の中の一部と考えると、よりわかりやすいのではないでしょうか。

文字からもある程度想像することができますが、これらは全く別の意味を表す語となるため、場面により意識して使い分けることができるようになると理想的です。

Share:
shr0805