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「潮時」の意味と語源・使い方・例文・類義語・言い換え表現は?現役記者がサクッと解説!

「潮時」(読み方:「しおどき」)という言葉は、「今の仕事をこれ以上続けるのは無理だ。そろそろ潮時か」「そろそろ片思いの潮時かもしれない」などのような形で用いられることが多くあります。

ただし、この言葉は誤用されることが多い語の一つとして挙げられ、上記の使い方も適切とはいえません。

それでは、本来の意味はどのようなものでどのような使い方をするのか、ここではもともと備わっている意味と語源や使い方、また併せて類義語や言い換え表現について、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が解説していきます。

「潮時」の意味と語源・使い方・例文

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それでは、始めに「潮時」の意味と語源、使い方を紹介していきます。

「潮時」の意味は?

まず、「潮時」には以下のような意味があります。

1. 潮が満ち干きする時刻。

2. あることをするためのちょうど良い時期、好機、時機。

1の意味は別として、一般的には、本来2の意味であるところを「物事をやめる時期」という意味として用いられています。

ただし、上記のように本来は「何かをするために(客観的に見て)最も都合の良い時」のことを表す語となっており、一般的に用いられている「何かをやめるのにちょうどいい時」という意味での使い方は誤用です。

なお、「やめるのにちょうどいい時」を表現するには、「良いやめ時」といった直接的な表現や、「何かをやめる間際や、そのときの身の処し方」を意味する「引き際」を用いて「ちょうどいい引き際」といった表現を用いると良いでしょう。

「潮時」の語源は?

それでは、次に「潮時」の語源・由来について説明します。

「潮時」はもともと、1の意味である「潮が満ち干きする時刻」だけを意味し、潮が満ちていく「満ち潮時」や潮が引いていく「引き潮時」などといった形で漁師などが使っていた言葉だそうです。

そして、こういった意味から、漁師が漁に出る好機を「潮時」というようになり、それが転じて現在の「何かをするのにちょうどいい時」を表すようになったと考えられます。

「潮時」の使い方は?

この言葉は、主に「ある物事をする時機」について述べる場面で、「~をする潮時」「潮時を見て」「潮時を見計らって」などの形で、たとえば以下のように用いることができます。

「すでにもういい時間だったので、潮時を見て友人宅を辞去した」

「今はちょうどその事業を始める潮時にきている」

「潮時を見計らって退職を切り出す」

「今が開業するのにちょうど良い潮時だ」

「長年、プロ野球選手として足掻いてきたが、そろそろ現役から身を引く潮時かもしれない」

「恋人に話を切り出す潮時を判断する」

「波の状況を見るに、船を出すには今がちょうど良い潮時だ」

「この喫茶店の店主は、食後のコーヒーを出す潮時が分かっている」

「我が社にとっていま年号が平成から令和に変わったのはいい潮時だった」

「潮時」の類義語は?

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それでは、次は「潮時」の類義語・類語である「好機」「時機」「頃合い」について見ていきましょう。

まず、これらの語には以下の意味があります。

「好機」:物事を行うのに良い機会、ちょうど良い折

「時機」:あることを行うのに適当な機会、ちょうど良い時、都合の良い機会。潮時。

「頃合い」:適当な時機。良い潮時。好機。

「好機」の使い方は?

それでは、次に「好機」の使い方について見ていきましょう。

この語は、たとえば以下のように用いることができます。

「自己啓発費の支給はスキルアップの好機といえる」

「打順一番でいながら、打点が多いのは、彼が好機に強いということに他ならない」

「千載一遇の好機とばかり、犯人は証拠隠滅のために家に忍び込んだのだ」

「彼はその計画を実現する好機を待っていた」

「男性は好機を逃さないように行動する傾向がある」

「時機」の使い方は?

それでは、次に「時機」の使い方について見ていきましょう。

この語は、たとえば以下のように用いることができます。

「計画を実行する時機を窺う」

「時機を見て息子に養子である真実を話すつもりだ」

「この問題が解決される時機は手近く見たところで今年の春頃であろう」

「まだ新モデルを発表する時機ではない」

「日本の明治維新が成功したのは、250年も続いた徳川の封建政治が自壊作用を起こしつつあったという、時代の流れと革命の時機が熟していたというような幸運も大きく作用した」

「頃合い」の使い方は?

それでは、次に「頃合い」の使い方について見ていきましょう。

この語は、たとえば以下のように用いることができます。

「頃合いを見計らって飲み会の途中で退席する」

「頃合いを見計らってお客様にお茶を出してください」

「遅れるかと思ったが、良い頃合いに待ち合わせ場所にたどり着くことができた」

「在宅している頃合いを見計らって彼を訪ねた」

「食事が終わった頃合いを見計らって、ウエイトレスがドリンクとデザートを持ってくる」

このように、「頃合い」は、「頃合いを見計らって~」「~な頃合い」「~する頃合い」などの形で用いられます。

また、「頃合い」には「ちょうど良い程度の。手頃な」という意味もあり、例えば「頃合いの服を見つけた」「頃合いの椅子だ」というように使うことができるでしょう。

「潮時」の言い換え表現は?

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それでは、次に「潮時」がどのように言い換えることができるのか見ていきましょう。

例えば、「仲直りするなら今が潮時だ」という文ならば以下のように言い換えることができます。

「仲直りするなら今が好機だ」

「仲直りするなら今がいい時機だ」

「仲直りするなら今がちょうどいい頃合いだ」

「仲直りするなら今がちょうどいい機会だ」

「仲直りするなら今がちょうどいい時期だ」

「仲直りするなら今が絶好のタイミングだ」

「潮時」「好機」「時機」「頃合い」は、みなほとんど同じ意味を持っていますが、何かを行うその機会や時期がどの程度ちょうど良いのかという程度の問題として、適切である度合いが「頃合い」は「時機」より弱く、「時機」は「潮時」「好機」に比べてより弱いと感じられます。

そのため、「潮時」「好機」を「時機」「頃合い」で言い換える場合には、「いい時機」「ちょうどいい頃合い」のようにすると意味がより同等に感じられるでしょう。

「潮時」は「何かをやめる時機」ではなく「何かをするのにいい時機」を表す

以上、「潮時」の意味と使い方、類義語、言い換え表現についてまとめました。

この言葉は一般に「何かをやめる時機」といった意味で用いられがちですが、本来はそのような意味ではなく物事をするためのちょうど良い時機」という意味になります。

ですので、「引退の潮時」というように「何かをやめるのにちょうど良い時機」という意味での使い方をすることもできますが、「やめる時機」ということが本来の意味ではないことを認識した上で使用する必要があるでしょう。

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KHajime