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「技能」の意味と使い方・例文・「能力」「知識」「技術」「技巧」との違い。現役記者がサクッと解説!

「技能」という言葉は、主に「技能を磨く」「技能を習得する」などの形で用いられています。

意味の分かりづらい言葉ではありませんが、この言葉が具体的にどのようなことを表し類似する他の言葉とどのように使い分けることができるのか、疑問に思うこともあるかもしれません。

そこで、ここでは「技能」の基本的な意味や使い方と併せて、「能力」「知識」「技術」「技巧」といった語と比較しながらより詳しい意味について、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が解説していきます。

「技能」の意味と使い方・例文・「能力」「知識」との違い

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それでは、始めに「技能」の意味と使い方、また「能力」「知識」との違いを説明していきます。

「技能」の意味は?

まず、「技能」には「物事を行う腕前」といった意味があり、言い換えると「何かの物事をうまく行う技や技量」を表す語となっています。

また、「技能」は、「わざ、腕前」を表す「技」と「働き、わざ」などを意味する「能」から構成され、似た意味を重ねることで成り立っている熟語です。

「技能」の使い方は?

次に、「技能」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「彼は手先が器用で時計修理に優れた技能を持っている」

「フランスの学校に留学してパン製造技能の向上を図る」

「和菓子職人を目指して必要な知識や技能を習得する」

「企業などに技能を証明するために技能検定を受験する」

「『聞く・読む・書く・話す』といった英語の4技能を高める」

「この学校には、技能と才能に勝った一部の子供たちだけが入学できる」

「自動販売機調整技能士とは、自動販売機調整に関する学科及び実技試験に合格した者をいい、自動販売機の調整に必要な技能を認定する国家資格である」

「重化学工業が飛躍的に発展したことにより、高い技能を持った労働者が大量に必要となった」

「技能」と「能力」「知識」の違いは?

それでは、ここからは似た意味のある「能力」「知識」と比較しながらそれぞれの違いについて見ていきましょう。

まず、「能力」には「物事を成し遂げる力」、「知識」は「物事について知っている事柄や内容」といった意味があり、これらの語と「技能」の使い方を比較すると以下のようになります。

「能力」:「そのパソコンはスペックが低く画像編集ソフトなどを扱えるような能力はない」(そのスペックの低いパソコンでは画像編集ソフトを使った処理を行えるだけの性能はない)

「知識」:「彼は気象について多少の知識がある」(彼は気象のことを少しは知っている)

「技能」:「イメージしていることを上手く表現できるよう技能を磨く」(イメージしていることを適切に表現するために腕を磨く)

つまり、「能力」は「物事をやり遂げる力」、「知識」は「その物事について知っている、理解していること」、「技能」は「物事をする腕前、技量」を表すといった明確な違いがあります。

「技能」の類義語は?

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それでは、次は「技能」の類義語・類語である「技術」「技巧」について見ていきましょう。

まず、これらの語には以下の意味があります。

「技術」:物事を扱う手段や技

「技巧」:技術に優れていること。優れた技術。技術上の工夫

また、「技術」は上記の意味のほか、「人間の生活に役立てるようにする手段。また、科学を成果を生かして人間生活に役立たせる方法」という意味もあります。

「技術」の使い方は?「技能」との違いは?

それでは、次に「技術」の使い方、また「技能」との違いについて見ていきましょう。

この語は、たとえば以下のように用いることができます。

「専門学校に入学してパンの製造に必要な知識や技術を習得する」

「明治政府は当時、ヨーロッパの先端的技術を一方的に導入しようというだけではなかった」

「第2次大戦は、原子爆弾の他にもいくつかの技術革新を人類にもたらした」

「近年、市は技術開発の長期的な構造改革を進めている」

「複製する技術は情報科学の発展によって転換期を迎えている」

「私の会社では、最新の検索技術を開発し、ライセンスを提供している」

このように、「技術」が「実際に何かを取り扱ったり、処理したりする手段や方法、手順」を表す一方、「技能」は「技術の能力や腕前」を表すというニュアンスの違いがあります

「技巧」の使い方は?「技能」との違いは?

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それでは、次に「技巧」の使い方、また「技能」との違いについて見ていきましょう。

この語は、たとえば以下のように用いることができます。

「リストは、超絶的な技巧を持つ当時最高のピアニストで、ピアノの魔術師とも呼ばれたという」

「この曲は、ピアノの高度な演奏技巧が要求され、ピアノを用いるあらゆるチャイコフスキー作品のなかで、おそらく最も演奏が至難とされている」

「彼は詩の技巧にこだわるような詩人ではなかった」

「近代の美術の歴史を学んでいると、人為的な技巧や理論が行きつまる毎に、自然に還るという考えが優秀な画家達に生じた事がわかる」

「日本刀を制作する工房の伝統的な技巧に惚れ惚れとした」

このように、「技巧」は、「芸術の制作や表現における優れた技術」を述べる場合に用いられることが多く、また、建築や重工業のような規模の大きなものについてはあまり使われません。

そのため、「技術の腕前」を意味する「技能」とはニュアンスが異なります

「技術」は「物事を扱う手段や方法」、「技能」は「技術の腕前」、「技巧」は「優れた技術」

以上、「技能」の意味と使い方、「能力」「知識」「技術」「技巧」との違いについてまとめました。

「技能」は、「物事を行う腕前」、つまり(技術的に)何かの物事を上手く成し遂げるための力や技量を表し、「技能を高める、磨く」などと使うことができるでしょう。

それに対して、「能力」は「何かをやり遂げる力」、「知識」は「その事について知っていること」を意味し、「技能」とは意味の明確な違いがあります。

また、「技能」の類義語である「技術」「技巧」について、「技術」は「実際に物事を扱う手段や方法」。そして、「技巧」は「優れた技術技術上の工夫」を表すため、「技能」とはニュアンスの違いがあります。

それぞれ異なる使い方ができるので、場面に応じてうまく使い分けていくと良いでしょう。

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KHajime