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「素養」の意味と使い方・「素質」「資質」との違い・類義語は?現役記者がサクッと解説!

「素養」という言葉は、「音楽の素養がある」「英語の素養がある」などの形で用いられています。

どんな意味があるかは概ね分かっている人が多いかと思いますが、具体的にこの言葉がどのようなことを表しているのか、また近い意味のある「素質」「資質」「嗜み」「心得」という語とはどのような違いがあるのか疑問に感じることもあるかもしれません。

そこで、ここでは「素養」の基本的な意味と使い方、また「素質」「資質」との違い、そして類義語について、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が解説していきます。

「素養」の意味と使い方・「素質」「資質」との違い

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それでは、始めに「素養」の意味と使い方、また「素質」「資質」との違いを説明していきます。

「素養」の意味は?

まず、「素養」には「普段から養い身に付けた教養や知識、たしなみ」という意味があり、「常日頃の学習などによって身に付けた教養や技能、たしなみ」を表す語となっています。

「素養」の使い方は?

次に、「素養」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「彼女には茶道の素養があるだけあって立ち居振る舞いが美しい」

「その仕事に就くには簿記の素養があると役立つだろう」

「彼には英語の素養があるため国際色豊かな環境にもすぐに馴染むことができた」

「これらの本は古典文学の素養がなくても読みやすいだろう」

「子供の頃からピアノを習い、音楽的な素養を身に付けていた」

「若い頃からのバレエの素養を活かしてダンサーとなり、ダンサーの世界選手権に優勝した」

「エンジニア的素養のある彼は設計や開発でもプロジェクトに大いに貢献した」

「その本は極めて難解で、読者に対してもハイレベルの文学的素養が要求される」

このように、「素養」は「~の素養がある」「素養を~する」「素養のある」「~的素養」といった形で用いられます。

「素養」と「素質」「資質」の違いは?

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次に、似た意味を表す「素質」「資質」という語との違いについて見ていきましょう。

まずこれらの語の意味を簡単にいうと、「素質」は「生まれつき備わっている性質、将来的にその能力を発揮することが期待される性質」「資質」は「生まれつきの性質・才能」を表すものとなっています。

そして、これらの語と「素養」の使い方を比較したのが以下です。

「素質」:「彼には画家としての素質がある」(彼は将来画家としての能力を発揮する性質を生まれつき備えている)

「資質」:「彼女は画家としての資質に恵まれている」(彼女は先天的に画家としての才能に恵まれている)

「素養」:「彼は英語の素養がある」(彼には日頃から身に付けた英語の知識や技能がある)

つまり、「素質」は「生まれつき備わっている性質、特に将来的に高度な段階に進むことが期待される能力」を表し、「資質」は「生まれつき持っている(良い意味での)性質や才能」、「素養」は「普段からの学習などで身に付けた知識や技能」を表すというニュアンスの違いがあります。

「素養」の類義語は?

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それでは次は、「素養」の類義語・類語である「嗜み」「心得」について見ていきましょう。

まず、これらの語の意味は以下のようになっています。

「嗜み」:物事に関しての心得。

「心得」:技術・技芸などを、習い覚えて修得していること。嗜み。


「嗜み」はこの意味のほか「好みや趣味」「慎み」「普段の心掛け」といった意味も持っており、「心得」もまた「何かを行う場合にわきまえておくべき事柄」「常に心掛けていなければならないこと」といった意味も表します。

「嗜み」の使い方・「素養」との違い

それでは、次は「嗜み」の使い方と「素養」との違いを見ていきましょう。

「嗜み」は、たとえば以下のように用いることができます。

「大学時代は少林寺拳法を嗜み、関東大会優勝を成し遂げた」

「彼の著作はたくさん遺されており、紀行文や和歌への嗜みもあったという」

「足を広げて座るなんて、女としての嗜みを忘れているんじゃないかい」

「大口を開けて怒鳴ったりするのは、紳士の嗜みに反する行為だ」

「嗜み」は、「習い覚えて修得していること」という意味で「素養」とほぼ同じ意味を持っていますが、古来からある芸事や武道などの心得について言う時に多く使われるため、古風な印象を与えることもあるかと思います。

「心得」の使い方・「素養」との違い

それでは、次は「心得」の使い方と「素養」との違いを見ていきましょう。

「心得」は、たとえば以下のように用いることができます。

「歴史の心得があったにしても、文字の解読などとうていできるものではない」

「織田信長には茶の湯の心得があり、部下を忠誠を得るのに利用した」

「上司として第一に心得なくてはならないことは、部下の信頼を得ることです」

「彼は日頃の心得が良くないのか、何かと叱られることが多い」

「心得」もまた、「嗜み」どうよう「習い覚えて修得していること」という意味では「素養」とほぼ同じ意味を表しています。

「素養」は「養ったもの」で「素質」「資質」は「生来の性質」

以上、「素養」の意味と使い方、「素質」「資質」との違い、類義語である「嗜み」「心得」についてまとめました。

この言葉は「普段から養うことで身に付けた教養や知識」を表し、「常日頃の学習や修練などによって身に付けた教養や技能」を述べる場合などに用います。

また、「素養」と「素質」「資質」は一見似ているようですが、「素質」「資質」は「質」という字を含むため「生まれつき備えている性質」を表し、「素養」は「養う」という字を含むため「普段から身に付けた知識や技能」を表すものになっていると考えられるでしょう。

そして、「素質」「資質」はどちらも生まれつきの性質を表しますが、「将来的にその能力を発揮することが期待される性質」について述べる場合には「素質」を用います。

一方、「嗜み」「心得」は「素養」とほぼ同じ意味を持つと言えますが、「嗜み」は古来からある芸事や武道などの心得について言う時に多く使われるため、古風な印象を与えることもあるでしょう。

それぞれ違ったニュアンスがあり、異なる場面で用いることができるので意識して使い分けるようにすると良さそうです。

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KHajime