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「傍ら」の意味と使い方・例文・「そば」「わき」「はし」「がてら」との違いは?現役記者がサクッと解説!

「傍ら」(読み方:「かたわら」)という言葉は、「~する傍ら」「~の傍らで」などの形でよく用いられています。

この言葉には「距離的な近さ」や「何かをしながら」といった複数の意味がありますが、具体的にどのよう場面で用いることができるのか、また似た意味のある「そば」「わき」「はし」「がてら」という語とはどのような違いがあるのか、疑問に思うことがあるかもしれません。

そこで、ここでは「傍ら」の意味と使い方、また類義語である「そば」「わき」「はし」「がてら」について、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が解説していきます。

「傍ら」の意味と使い方・例文

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それでは、始めに「傍ら」の意味と使い方を説明していきます。

また、「傍ら」は同じ読み方で「旁」や「側」と書くこともあります。

「傍ら」の意味は?

まず、「傍ら」には以下のような意味があります。

1. すぐ近く

2. 端に寄ったところ

3. ~しながら、~する一方で

出典:明鏡国語辞典(発行所 株式会社大修館書店)「傍ら」

つまり、「何かの物事のすぐ近く前後ではなく左右、つまり横にあるものに対していう)」「(道などの)外側へ寄ったところ」「何かと並行して」といったことを表す語となっています。

「傍ら」の使い方は?

次に、「傍ら」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「通勤途中で具合が悪くなり、道の傍らでしばし休む」

「その料亭は母屋の傍らに日本庭園を眺められる離れ座敷がある」

「仕事の傍ら資格取得のための勉強をする」

「仕事の傍ら転職活動をする」

「傍らの部下に話しかける」

「彼はプロ野球を引退後、アマチュアチームを指導する傍ら、テレビ解説者も務めている」

「彼は近代的な建設物や個人住宅の壁塗りを行う傍ら、日本の伝統な土蔵から茶室等の壁塗りも行っている」

「彼女は芸術大学で映画の作り方や芝居を学ぶ傍ら、モデルの仕事も始めた」

「帰宅途中の道で旧友を見かけたが、彼はこちらには気付かないまま傍らを通り過ぎた」

「入院している母のところへ行き、半日あまりを傍らで過ごした」

このように、「傍ら」は「~の傍ら」「傍らの~」「~する傍ら」「傍らを~する」「傍らで~する」といった形で用います。

「傍ら」の類義語は?

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それでは、次は「傍ら」の類義語・類語である「側(そば)」「脇(わき)」「端(はし)」「がてら」について見ていきましょう。

まず、これらの語の意味は以下のようになります。

「側」:すぐ近く

「脇」:すぐそば

「端」:真ん中から一番離れた部分

「がてら」:何かをするついでに

「側」は、同じ読み方で「傍」とも書きます。

また、「脇」は、上記の意味のほか、「両腕の付け根の下部のこと」や「目的としたものからずれた方向」などの意味で使われることもあるでしょう。

そして、「端」は、上記の意味で「はし」のほか「はじ」とも読むことができます。

「側」の使い方は?「傍ら」との違いは?

それでは、次に「側」の使い方と、「傍ら」との違いについて見ていきましょう。

この語はたとえば以下のような使い方があります。

「歩いている途中で突然倒れた彼女の側(そば)へ駆け寄った」

「家の側(そば)にあるスーパーマーケットへ買い物に出かける」

「一秒たりとも、彼女の側(そば)を離れたくはないと思った」

「子供は飼い猫が側(そば)に居ないと泣き叫んでいた」

このように、「側」は「左右に関係なく何かのすぐ近く」を表す一方、「傍ら」は、「左右に近いこと」を表し、またその近くにある対象が従属的な関係にある場合に用いられます。

「脇」の使い方は?「傍ら」との違いは?

それでは、次に「脇」の使い方と、「傍ら」との違いについて見ていきましょう。

この語はたとえば以下のような使い方があります。

「実家の玄関脇には年代物の灯籠が立っています」

「僕は、妹のベッドの脇の椅子に腰を下ろした」

「友人は私に気づくことなく脇をすり抜けていった」

「坑道に向かうバスの道の脇には当時の建物が多く残されていた」

上記の例文における「脇」を、そのまま「傍ら」で置き換えてもほぼ意味が通るように、この意味での「脇」は「すぐ近く」を意味する「傍ら」と類義語です。

「端」の使い方は?「傍ら」との違いは?

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それでは、次に「端」の使い方と、「傍ら」との違いについて見ていきましょう。

この語はたとえば以下のような使い方があります。

「農道の端(はし)は、雑草に覆われていた」

「港の端(はし)は、長年打ちつける波で今にも崩れ落ちそうであった」

「高台から見下ろすと、建物の端(はし)から端(はし)までがみんな見えた」

「テーブルの一方の端からもう一方の端へとビー玉が転がっていった」

このように、「端」は「傍ら」の意味する「端に寄ったところ」と類義語です。

しかし、「傍ら」は「真ん中から端に寄った部分」を表すので、上記の2番目の例文のように、「端」が基準となるものの際(きわ)を表す場面では「傍ら」とは意味が違ってきます。

「がてら」の使い方は?「傍ら」との違いは?

それでは、次に「がてら」の使い方と、「傍ら」との違いについて見ていきましょう。

この語はたとえば以下のような使い方があります。

「散歩がてら新しくできたカフェでコーヒーを飲む」

「私は母への渡米の報告がてら母校に立ち寄った」

「リハビリのため、今では体調のいい時に運動がてら手を借りて短い距離を歩くことがあった」

「近所に住む一人の婆さんが、煮物のおすそ分けがてらやって来て、おかみさんと話しこんでいた」

このように、「がてら」は「ある事をするついでに他の何かをする」ことを表しますが、「傍ら」は「何かの事柄と並行して他のことを行う」というニュアンスの違いがあります。

「傍ら」の3つの意味それぞれの類義語が「そば」「わき」、「はし」、「がてら」

以上、「傍ら」の意味と使い方、「そば」「わき」「はし」「がてら」との違いについてまとめました。

この言葉は、「すぐ近く(横側)」「端へ寄ったところ」「(何かを)しながら」を表します。

また、「脇(わき)」は「すぐ近く(横側)」という意味では「傍ら」とほぼ同じ意味です。

一方、「側(そば)」という語は「傍ら」と同じように左右に位置する場合を含みますが、前後も含めて何かに距離的に近いことを表します。

そして、「端(はし)」は「(何かの)際(きわ)の部分」を表すため、場面によっては「傍ら」とは明確に意味が異なるでしょう。

「がてら」は「ある物事をする機会を利用して別のことを行う」ことを表し、「傍ら」とはニュアンスに違いがあるため、その点を意識した使い分けが必要です。

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