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「佳境」の意味と使い方・例文・類義語は?現役記者がサクッと解説!

「佳境」(読み方:「かきょう」)という言葉は、「佳境に入る」などの形でよく用いられています。

ただし、この言葉は本来とは異なる意味で誤用されていることが多くあります。

それではどのような使い方をするのが適切なのか、また似た意味を表す語には他にどのようなものがあるのか、ここでは「佳境」の意味と使い方、また類義語にあたる言葉について、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が解説していきます。

「佳境」の意味と使い方・例文

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それでは、始めに「佳境」の意味と使い方について説明していきます。

「佳境」の意味は?

まず、「佳境」は「景色の素晴らしい場所」「面白いところ」という意味があり、「景色の良い場所」「小説・話などの面白い場面」を表す語です。

しかしながら、実際のところ、この言葉は「作業が佳境に入る」「案件が佳境に入る」など、「ある状況の最盛期」という意味で用いられることが多くあります。

話が通じる場合にはその使い方をしても問題ないと思われますが、本来は「小説など話の面白いところ、興味深いところ」を表すものであり、上記のような使い方は誤用になるため注意が必要です。

「佳境」の使い方は?

次に、「佳境」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「その辺りの場所は佳境に富んでいる」

「物語はいよいよ佳境に入り、そのまま夢中になって一気に読み進めた」

「物語がいよいよ佳境に入ろうというその時に電話が鳴り興ざめする」

「戦争体験者が語るノルマンディー上陸の体験談は今まさに佳境に差し掛かっていた」

「彼の話はいよいよ佳境を迎え、大げさな身振り手振りを交えながら話していた」

「今週からドラマは佳境を迎え、来週の最終回ではその盛り上がりは最高潮に達するだろう」

「プロ野球の放送がまさに佳境というところでCMに入ってしまった」

「それはちょうど、この夜の花火大会が一番佳境といわれるはずの時間だった」

「どんな物語でも佳境まで聞いて結末を聞かないのは気持ちの悪いものだ」

このように、「佳境」は「佳境に入る」「佳境に差し掛かる」「佳境を迎える」といった形で用いられることが多い語です。

「佳境」の類義語は?

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それでは、次は「佳境」の類義語・類語である「山場」「最高潮」「ハイライト」「クライマックス」について見ていきましょう。これらの語の意味は以下のようになっています。

「山場」:物事の最も重要な場面

「最高潮」:感情や状態などが最も高まる場面や時期

「ハイライト」:演劇・映画・スポーツ・ニュースなどで最も興味を引く部分や場面

「クライマックス」:興奮や緊張が最も高まった状態

「山場」の使い方は?「佳境」との違いは?

それでは、「山場」の使い方と「佳境」との違いについて見ていきましょう。

この語はたとえば以下のように用いることができます。

「いよいよ最終面接まで進み、就職活動は山場を迎えた」

「難航しがちな退職交渉は転職活動における山場の一つだ」

「色々な意見があると思うが、主人公による演説のシーンがこの映画の山場だと思う」

このように、「山場」は物語や演劇等意外にも使われ、また、「佳境」が「面白い、興味深い場面」を表すのに対し、「最も盛り上がった場面」を表す点でニュアンスが違います。

つまり、ある一つの物語の中では、「佳境」はいくつあっても構いませんが、「山場」は一つしか無いので注意しましょう。

「最高潮」の使い方は?「佳境」との違いは?

それでは、「最高潮」の使い方と「佳境」との違いについて見ていきましょう。

この語はたとえば以下のように用いることができます。

「日本選手へのセンタリングが通った場面で聴衆の興奮は最高潮に達した」

「この地域を守ろうとするインディアンの抵抗はその時期に最高潮に達していた」

「当時の日本は日清戦争に勝ち、民族主義、愛国心が最高潮に達しようとしていた」

このように、「最高潮」は「感情や状態など高まる場面」を表すため、様々な場面で使うことができます。

一方、「佳境」は「物語などの面白い場面」を表しますが、その場面は「感情が高まる場面」でもあるので、感情の高まりを強調したいときなどには「佳境」を「最高潮」で言い換えることができるでしょう。

また、「最高潮」も「佳境」にはない「最も」という意味を含むことに注意しましょう。

「ハイライト」の使い方は?「佳境」との違いは?

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それでは、「ハイライト」の使い方と「佳境」との違いについて見ていきましょう。

この語はたとえば以下のように用いることができます。

「紅白歌合戦の出場歌手登場シーンのハイライトが瞬間最高視聴率を記録した」

「この戦争映画のハイライトは、まさに両軍が衝突するシーンだろう」

「この演奏はその年のモスクワ音楽界一番のハイライトに選ばれている」

「ハイライト」は、映画や演劇などで特に用いられることから「佳境」に非常に近い意味を持っていますが、「ハイライト」もまた「佳境」にはない「最も」という意味を含むことに注意しましょう。

「クライマックス」の使い方は?「佳境」との違いは?

それでは、「クライマックス」の使い方と「佳境」との違いについて見ていきましょう。

この語はたとえば以下のように用いることができます。

「楽曲の後半にはパイプオルガンの演奏が加わり壮大なクライマックスに達した」

「その映画のクライマックスとなるシーンは胸に迫るものがあった」

「映画版のクライマックスでの描写は日本国外でもよく知られている」

「クライマックス」は、意味としては「最高潮」に極めて近いですが、主に映画や演劇劇、文学作品などに対して用いられることが多いため、「佳境」と似た場面でよく使われる語です。

しかし、一方で、「クライマックス」もまた「佳境」にはない「最も」という意味を含むことに注意しましょう。

「佳境」の本当の意味は「小説や話などの興味深い所や面白い場面」

以上、「佳境」の意味と使い方、類義語についてまとめました。

この言葉の意味は「景色の良いところ」「話などの面白いところ、興味深いところ」です。

後者の意味で用いられることがほとんどですが、実際にはニュアンスの異なる「物事の最盛期」という意味で使用されていることが多くあります。

ただしこの使い方は誤用にあたるため、用いる場面によっては注意が必要です。

そのため、その場面に応じて「山場」「最高潮」「ハイライト」「クライマックス」などの似た意味のある語を使って、適した形で言い換えるようにすると良いでしょう。

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KHajime