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「敬愛」の意味と使い方・例文・「敬意」「尊敬」「敬慕」「親愛」との違いは?現役記者がサクッと解説!

「敬愛」(読み方:「けいあい」)という言葉は、「敬愛する~」「敬愛の念を抱く」などの形でよく用いられています。

概ね意味は分かるという人が多いかと思いますが、たとえば「敬意」「尊敬」「敬慕」「親愛」などの似た意味のある語とはどのような違いがあるのか、疑問が生じることもあるかもしれません。

そこで、ここでは「敬愛」の意味と使い方、また「敬意」「尊敬」「敬慕」「親愛」と比較しながらそれぞれの違いについて、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が解説していきます。

「敬愛」の意味と使い方・例文・「敬意」との違い

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それでは、始めに「敬愛」の意味と使い方、また「敬意」との違いを説明します。

「敬愛」の意味は?

まず、「敬愛」には「敬い親しみの心を持つこと」という意味があり、「相手に対して尊敬と親しみの気持ちを持つこと」を表します。

「敬愛」の使い方は?

次に、「敬愛」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「その学校の校長先生は威厳のある雰囲気を醸し出しながらも生徒には笑顔で接し、皆から敬愛される存在だった」

「彼女は早くに父親をなくして母子家庭で育ったためか、しっかりとしていて同世代ながら敬愛する友人だった」

「敬愛する先生の著書はすべて愛読している」

「日本人は、あの有名な歌手に敬愛の念を持っている」

「皇室に対する敬愛の情は、陛下のこういった行動から養われて来た」

「その国家元首は、国民一般からも意外なほど敬愛を受けていた」

「彼は重役からの覚えもめでたい優秀な社員ながら面倒見もよく後輩たちから敬愛を集めていた」

「当時の高等学校には、私のほかにも漱石を敬愛するものは多数いた」

このように、「敬愛」には「敬愛する~」「敬愛の~」「敬愛を~する」「~を敬愛する」といった用法があります。

「敬愛」と「敬意」の違いは?

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次は、似た意味を表す「敬意」という語との違いについて見ていきましょう。

まず、「敬意」は「相手を尊敬する気持ち」といった意味があり、「敬愛」と使い方を比較すると以下のようになります。

「敬意」:「最近では先輩や上司に敬語を使わない若者が多いというが、年長者への敬意を払うことはもはや時代錯誤ということか」(最近では先輩や上司に敬語を使わない若者が多いというが、年長者を敬う心はもはや時代錯誤ということか)

「敬愛」:「高校時代から数十年変わることなくその作家を敬愛し続けている」(高校時代から数十年その作家に対して変わることなく尊敬し親しみの気持ちを持ち続けている)

このように、「敬意」は「相手を尊敬する気持ち」、「敬愛」は「相手を敬い親しみの気持ちを持つこと」を表し、これらの意味が「気持ち」そのものと「気持ちを持つこと」であるという明確な違いがあります。

つまり、「敬意を持つこと」とすると、「相手を敬う気持ちを持つこと」といったように、「敬愛」から「親しみの気持ちを持つこと」という意味を除いた表現になるでしょう。

「敬愛」の類義語は?

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それでは、次は「敬愛」の類義語・類語である「尊敬」「敬慕」「親愛」について見ていきましょう。

まず、これらの語の意味は以下のようになります。

「尊敬」:尊び敬うこと。

「敬慕」:尊敬して慕うこと。

「親愛」:親しみと愛情を持っていること。

「尊敬」の使い方は?「敬愛」との違いは?

それでは、次に「尊敬」の使い方と、「敬愛」との違いについて見ていきましょう。

この語はたとえば以下のような使い方があります。

「不遇の境遇の中でこれだけの快挙を成し遂げた彼の行為は尊敬に値する」

「私が彼に心から尊敬の念を抱いたのはこの時だったと記憶している」

「彼は懐の深い人物だったので、若い人々こそが彼に対して最高の尊敬を示していた」

具体的には「尊敬」は、「他人の人格や行為などを優れたものとして尊んで礼を尽くすこと」を表しており、尊敬する気持ちの中に「親しみの心」を持っているか否かで「敬愛」とはニュアンスが違います。

「敬慕」の使い方は?「敬愛」との違いは?

それでは、次に「敬慕」の使い方と、「敬愛」との違いについて見ていきましょう。

この語はたとえば以下のような使い方があります。

「彼女は容姿端麗で成績優秀、そして人望もある兄を敬慕していた」

「彼らは彼女の類稀なる才能に対して、敬慕の情を禁じ得なかった」

「彼はその剣の実力から門人たちの敬慕を受けていた」

このように、「敬慕」には「尊敬してそれに習おうとする気持ちを持つこと」といったニュアンスもあり、「親しみの気持ちを持つこと」という意味を含む「敬愛」とは微妙なニュアンスの違いがあります。

「親愛」の使い方は?「敬愛」との違いは?

それでは、次に「親愛」の使い方と、「敬愛」との違いについて見ていきましょう。

この語はたとえば以下のような使い方があります。

「彼は自分の三人の娘に対して激烈な親愛の感情を持っていた」

「お礼の言葉も、挨拶も、親愛の言葉も言わずに家を出て来てしまった」

「彼女があからさまに示した親愛の表現に、こちらも驚き戸惑った」

このように、「親愛」は「好意や親しみの感情を持っていること」を表し、「尊敬する」という意味を含まない点で「敬愛」とは異なります。

「敬愛」「尊敬」「敬慕」は「尊う気持ちを持つ」という共通点がある

以上、「敬愛」の意味と使い方、「敬意」「尊敬」「敬慕」「親愛」との違いについてまとめました。

この言葉は「相手に尊敬と親しみの気持ちを持つこと」を表します。

それに対して、「敬意」は「相手を尊敬する気持ち」を表すことから、「気持ち」そのものを表す「敬意」と「~の気持ちを持つこと」を表す「敬愛」では明確に違うと言えるでしょう。

一方、「尊敬」「敬慕」といった語も相手を尊敬するというニュアンスを含む部分は共通しますが、「尊敬」は「尊び敬うこと」、「敬慕」は「尊敬して慕うこと」といったように微妙に異なることを表します。

また、「親愛」「好意や親しみの感情を持っていること」を表すため、「尊敬する」という意味を含まない点で「敬愛」とは違うと考えれるでしょう。

そのため、「敬愛」「尊敬」「敬慕」「親愛」を厳密に使い分ける場合には、そうした点を意識して用いるようにすると良いでしょう。

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KHajime