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「暫定」の意味と使い方・「決定」「未定」との違い・類義語は?現役記者がサクッと解説!

「暫定」(読み方:「ざんてい」)という言葉は、「暫定的に~する」といった形でビジネスの場面などにおいてよく用いられています。

とはいえ日常的に頻用する語ではなく、この言葉が具体的にどのような意味があるのか、また「決定」「未定」「臨時」「仮」「一時的」といった似た意味のある語とはどのような違いがあるのか、疑問が生じることもあるかもしれません。

そこで、この記事では「暫定」の意味と使い方、また「決定」「未定」との違いや類義語について、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が解説していきます。

「暫定」の意味と使い方・「決定」「未定」との違い

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それでは、始めに「暫定」の意味と使い方、また「決定」「未定」との違いを説明します。

「暫定」の意味は?

まず、「暫定」には「正式に決定するまでの間、とりあえず一時的に定めておくこと」といった意味があり、「公式な決定を控えて、それが確定するまでの間仮に物事を決めること」を表します。

「暫定」は、「しばらく、わずかの間」を意味する「暫」と「定める」「決める」を意味する「定」から構成され、その意味が「しばらくの間定める」のように「暫」が「定」を修飾する形で成り立っている熟語です。

「暫定」の使い方は?

次に、「暫定」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

この言葉は、正式に決定するまでの間一時的に何かを決めること、もしくは決められたことについて述べる場面において、たとえば以下のように用いることができます。

「今年の社員旅行は暫定的に延期されることになった」

「個々の休暇希望を調整する前の暫定的なシフトを決定する」

「来月退職する同僚の後任がなかなか決まらず、暫定的に業務を引き継ぐことになった」

「プロジェクトの予算変更にいくつかの疑義が出され、現在は暫定的な解決に留まっている」

「従来の庁舎機能をほぼそのまま残しているのは、合併時の混乱や行政サービス低下を防ぐための暫定的措置とも言える」

「暫定版の年間行事予定をホームページに掲載する」

「財政再建にこそ充当すべきとの議論もあったが、暫定税率の維持という点に限っては両省の考えに違いはなかった」

「暫定政府が樹立されて戦闘は収束したが、国際社会から承認を得られず、外交的に孤立した」

このように、「暫定」は、「暫定的」「暫定版」「暫定税率」「暫定政府」といった「暫定~」という形で用いられます。

「暫定」と「決定」「未定」の違いは?

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それでは、次は意味に関連がある「決定」「未定」という語との違いについて見ていきましょう。

まず、これらの語は以下の意味を持っています。

「決定」:物事をある一定の状態にしておくこと。はっきりと決めること。

「未定」:まだ決まっていないこと。

そして、これらの語と「暫定」の使い方を比較すると以下のようになります。

「決定」:「あなたの仕事はあなた自身で決定することが大切です」(あなたの仕事はあなた自身ではっきりと決めることが大切です)

「未定」:「情報系の仕事に転職する予定ですが、具体的な職場は未定です」(情報系の仕事に転職する予定ですが、具体的な職場はまだ決まっていません)

「暫定」:「その行事は暫定的に延期となった」(その行事は正式に日程が決まるまでの間延期されることになった)

つまり、「決定」は「物事をはっきりと決めること」、「未定」は「物事が未だ決まっていないこと」、「暫定」は「正式に決まるまでの間、仮の判断として物事を決めること」を表すといった違いがあります。

「暫定」の類義語は?

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それでは、次に「暫定」の類義語・類語である「臨時」「仮」「一時的」について見ていきましょう。

まず、これらの語の意味は以下のようになります。

「臨時」:その時々の状況や必要に応じて行うこと、その場限り。

「仮」:急場しのぎで正式のものでないこと。

「一時的」:その場限り、しばらくの間であるさま。

「臨時」の使い方は?「暫定」との違いは?

それでは、次に「臨時」の使い方と、「暫定」との違いについて見ていきましょう。

この語はたとえば以下のような使い方があります。

「申し訳ありませんが、当店は本日臨時休業といたします」

「今月は保険料が還付されたので、臨時の収入を得ることができた」

「本日は、諸事情により臨時休業いたします」

このように、「臨時」は「その時に応じて何かをすること、何かがあること」を表し、一時的とは言えども「決定すること」の意味を含む「暫定」とはニュアンスが異なります

「仮」の使い方は?「暫定」との違いは?

それでは、次に「仮」の使い方と、「暫定」との違いについて見ていきましょう。

この語はたとえば以下のような使い方があります。

「そこが犯人の仮の居所であるならば、どこかに本拠地があるはずだ」

「彼女はMITに仮入学が決まって、ときどきこちらへ来るようになった」

「家を建て替える間、仮の住まいとして近所のアパートに住むことになった」

上記の例文の「仮」を「暫定」に置き換えても不自然さがないように、「仮」は「暫定」の意味をほぼ包括していると言えるでしょう。しかし、「仮」には「本当のものではないこと」「仮定すること、不確かなことをそうだと定めること」といった「暫定」には含まれない意味も含んでいる点で「暫定」とはニュアンスが異なります。

「一時的」の使い方は?「暫定」との違いは?

それでは、次に「一時的」の使い方と、「暫定」との違いについて見ていきましょう。

この語はたとえば以下のような使い方があります。

「その商品は値下げによって一時的に売上が増加した」

「昔は女性が職業を持つことは、結婚までの一時的なものと考えられていた」

「異音がしたので、自動車を一時的に停止した」

このように、「一時的」は「しばらくの間だけで長くは続かない様子」を表し、一時的にでも「何かを決めること」や「正式に決まるまで」といった意味を含む「暫定」とはニュアンスが違います

「臨時」は「一時的」に「仮」の判断として定めること

以上、「暫定」の意味と使い方、「決定」「未定」との違いや、類義語である「臨時」「仮」「一時的」との違いについてまとめました。

この言葉は「正式に決定するまでの間の判断として、仮に何かを決定すること」を表します。

一方、「決定」は「はっきり決めること」、「未定」は「未だ決まっていないこと」がその意味です。

それに対して、「臨時」は「その時の必要に応じてその場限りで何かを行うこと」、「仮」は「正式のものではなく間に合わせの手段として何かを行うこと」、そして「一時的」は「しばらくの間、長くは続かない様子」を表します。

それぞれ似たようなニュアンスがありますが、用いる場面は明確に異なるため、微妙な意味の違いを意識して使い分けるようにすると良いでしょう。

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KHajime