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「稀」の意味と使い方・例文・類義語・対義語・言い換え表現は?現役記者がサクッと解説!

「稀」(読み方:「まれ」)という言葉は、「稀な~」「たぐい稀な~」などの形でよく使われています。

めったにない物事についていう時に使う言葉ですが、具体的にどのような使い方をするのか、また似た意味のある「珍しい」「希少」「稀有」「貴重」とはどのような違いがあるのか、中には疑問を抱くこともあるかもしれません。

そこで、ここでは「稀」の意味と使い方、また類義語である「珍しい」「希少」「稀有」「貴重」との違い、そして対義語や言い換え表現について、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が解説していきます。

「稀」の意味と使い方・例文

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それでは、始めに「稀」の意味と使い方を見ていきましょう。

「稀」の意味は?

まず、「稀」には「めったにないさま、とても少ないさま」という意味があり、「ある物事や出来事がめったにない様子や非常に少ない様子」を表す語となっています。

「稀」は、「稲や苗」を意味する部首の禾偏(のぎへん)と「まばら」などを意味する「希」から象形された漢字で「まばらに植えられた苗」の意味を表しており、そこから「まれ」を意味するようになったそうです。

「稀」の使い方は?

次に、「稀」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「彼は高校生の時に起業したビジネスを大企業にまで育て上げたという類い稀な才能の持ち主だ」

「人の感動を呼び起こすこの絵画を描いたのは類い稀な感性を持った人物であるはずだ」

「楽天家で物事をあまり深刻に考えない彼があれほど落ち込むことは稀だ」

「雪舟ほどの個性的な人物は、古代まで歴史をさかのぼっても稀だ」

「この講座は大量の資料を読ませるため人気がなく受講する人は稀だ」

「彼のような昔気質の職人は今では稀だろう」

「この漢字を名前に使う場合、訓読みで読まれることが多く音読みすることは稀だ」

「田舎から上京してきて数年が経つが、その間学生時代の友人に会うことはきわめて稀だった」

「松下村塾を開いた吉田松陰は、歴史史上稀に見る人材育成の天才として知られる」

「稀」は上記のように「~は稀だ」「類い稀な~」といった用法がありますが、「めったに見られない、数少なくめずらしい」ことを意味する「稀に見る」という形で使用することもあり、この場合「稀に見る才能」「稀に見る出来事」などと使います。

「稀」の類義語は?

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それでは、次に「稀」の類義語である「珍しい」「希少」「稀有」「貴重」について見ていきましょう。これらの語の意味は以下のようになります。

「珍しい」:見慣れないさま、あまり例がないさま、めったになく貴重なさま。

「希少」:少なくて珍しいこと。

「稀有」:めったにないこと、とても珍しいこと。

「貴重」:非常に価値があるさま、非常に大切なさま、得難いものであるさま。

「稀」と「珍しい」「希少」「稀有」「貴重」の違いは?

次は、「稀」と「珍しい」「珍しい」「希少」「稀有」「貴重」がどのように違うのか見ていきましょう。これらの語は、使い方を比較すると以下のようになります。

「珍しい」:「ショッピングセンターで珍しいデザインのワンピースを見つけたので、つい勢いで買ってしまった」
(≒「ショッピングセンターで目新しいデザインのワンピースを見つけたので、つい勢いで買ってしまった」)

「希少」:「古書店街で見つけたこの本は、中国から輸入された希少なものだという」
(≒「古書店街で見つけたこの本は、中国から輸入された少なくて珍しいものだという」)

「稀有」:「これは無料で情報解析ツールを提供してくれる稀有なサイトだ」
(≒「これは無料で情報解析ツールを提供してくれるとても珍しいサイトだ」)

「貴重」:「この博物館には織田信長が使用したとされる貴重な茶器が展示してある」
(≒「この博物館には織田信長が使用したとされる非常に価値がある茶器が展示してある」)

「稀」:「彼女は16歳で海外の大学に飛び級で留学したという稀に見る天才だ」
(≒「彼女は16歳で海外の大学に飛び級で留学したという数少ない天才だ」)

つまり、「珍しい」「希少」「稀有」は「見ることがめったいないこと」を表し、目新しい人の関心を引くような物事についていう時に使います。

一方、「貴重」は「非常に価値がある」ことを表しますが、得難さが価値に繋がる場合、「見ることがめったいないもの」について言う時にも使いますので、その使い分けには注意が必要です。

また、「稀」は「何かが起こることやそのものの存在がかなり少ないこと」を表し、単純にそれが存在したり起こったりする回数が少ないことに使うという違いがあります。

「稀」の対義語は?

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では、次に「稀」の対義語である「ざら」について見ていきましょう。

「ざら」は「どこにでもあって珍しくないさま、ありふれているさま」を表し、以下のように使うことができます。

「最近では出版社が潰れるなどざらにある話で、作家の著作権を売買するなんてこともちらほら耳にする」

「その程度のアニメ作品ならざらにある」

「稀」の言い換え表現は?

それでは、次に「稀」の言い換え表現について見ていきましょう。

例えば、上記の例文で挙げた「彼のような昔気質の職人は今では稀だ」という文ならば、微妙なニュアンスの違いはありますが、以下のように言い換えることができます。

「彼のような昔気質の職人は今では珍しい」

「彼のような昔気質の職人は今では希少だ」

「彼のような昔気質の職人は今では貴重だ」

「彼は今では稀有な昔気質の職人だ」

「彼のような昔気質の職人は今ではめったなことでは見れない」

「彼のような昔気質の職人は今では例外的だ」

「彼のような昔気質の職人は今では滅多に見ることはない」

「稀」は「珍しい」「希少」「稀有」「貴重」とは微妙に違い、「貴重」とは明確に違う

以上、「稀」の意味と使い方、類義語や対義語、言い換え表現についてまとめました。

この言葉は「めったにない、非常に少ない様子」をいい、ほどんと見かけることがない物事、めったに起こらない出来事についていう場合に「稀な~」「~は稀だ」などの形で使われています。

また、「珍しい」「希少」「稀有」も同じような意味ですが、この場合は初めて見るような新しいもの、人の関心を引くような物事についていう時に使うことができるでしょう。

一方、「貴重」は「非常に価値があるさま、非常に大切なさま」を表しているため、他の類義語とは意味が異なりますが、得難さが価値に繋がる場合は「めったいないもの」を述べる場合に使います。

これらの語は、いずれもめったにない物事についていう時に使うことができますが、それぞれ異なるニュアンスがあるので、適当な場面で使い分けるとよいでしょう。

そして、「稀」の対義語としては「ざら」があり、「どこにでもあって珍しくないさま、ありふれているさま」を表し、「ざらにある話」などといった形で使えます。

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KHajime