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「固定観念」の意味や英訳・使い方・類義語・対義語まとめ

「固定観念」(読み方:「こていかんねん」)という言葉は、「固定観念にとらわれる」「固定観念を抱く」などの形でよく用いられています。

比較的多くの場面で用いられる言葉ではありますが、具体的にどのようなことを表しているのか、また「先入観」「思い込み」といった似た意味のある言葉とどのような違いがあるのか、中には疑問に思うこともあるかもしれません。

そこで、ここでは「固定観念」の意味や英訳、使い方、また類義語や対義語について「誰にでも分かる言葉で伝える」を心掛ける現役ライターが分かりやすく解説していきます。

「固定観念」の意味や英訳・使い方まとめ

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それでは、以下に「固定観念」の意味や英訳、使い方を説明します。

#1 「固定観念」の意味は?

まず、「固定観念」には、以下のような意味があります。

ある人の心中に潜在して、つねに念頭を離れず、外界の動きや状況の変化によっても変革することが困難である考え。固着観念。

出典:精選版 日本国語大辞典「固定観念」

つまり、「固定観念」は「たとえ状況が変わったり、他人から違う意見を聞いたりしても、それにより簡単に変化したり離れることなく心に潜んでいる考え」を表した言葉です。

ちなみに、「固定観念」と非常によく似た言葉で「固定概念」があります。これは「固定観念」と同じように用いられる場合がありますが、厳密には異なる意味の言葉です。本来、「概念」とは、簡単にいうと「共通している物事の特徴、物事の全体像」を表しています。そのため、「固定観念」は主観的な「自分の考え」を表すのに対し、「固定概念」は一般的な「共通認識」を表していると考えるといいでしょう。

しかし、「固定概念」という言葉は本来存在せず、「固定観念」の誤用で用いられる場合がほとんどです。

#2 「固定観念」の英訳は?

次に、「固定観念」を英語でどのように表現するのか見ていきましょう。この言葉の英訳は、以下のようになります。

●stereotype
●fixed idea

「stereotype」は日本語でも「あの人はステレオタイプの人間だ」などと表現するので、分かりやすいですね。また、「fixed」は「捉われた、固定された」という意味ですので、「fixed idea」で「固定された考え」という意味となります。

#3 「固定観念」の使い方・例文

次に、「固定観念」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「結婚してすぐに仕事を辞めるというイメージから、女性は一般職に就くものだという固定観念がある」
「未だに家事は女性がするものだという固定観念を抱いている男性は多い」
「食事は一日三食だという固定観念を捨てる」
「働くことは企業に雇われることだといった固定観念にとらわれている人は多い」
「親は子どもに深い愛情を抱くものだという固定観念にとらわれないほうが良い

#4 「固定観念」にとらわれると?

「固定観念」にとらわれると、どのようなことが起こりうるのでしょうか?

まず、自分の考えが固定されたものならば、他人の意見を素直に受け入れることができず、相手を否定してしまうかもしれません。そのため、相手との関係が悪くなってしまう場合があるでしょう。
また、たとえば「自分には到底無理だ」という固定観念があるとするならば、チャレンジする前から物事を諦めてしまい、自分の可能性を自ら閉じてしまうことになります。

人に流されない自分の意見を持つことは大切ですが、人や物事に柔軟に対応することも時には必要です。何事も最初から決めつけずに、自由な気持ちで生きてみると、自分の人生の幅が広がるかもしれませんね。

「固定観念」は、「周囲の状況や人の変化に影響されず、心の中にある考え」を表した言葉です。この言葉は、「固定観念にとらわれる」などのような用い方をすることができます。

また、「固定観念」の意味で「固定概念」が用いられる場合がありますが、基本的にはこれは誤用です。言葉の意味を正確に理化して、用いるようにしましょう。

「固定観念」の類義語

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次に、「固定観念」の類義語について見ていきましょう。この類義語には、「先入観」「思い込み」があります。

#5 「先入観」

まず、「先入観」という言葉について見ていきましょう。この言葉の意味は、以下のようになります。

最初に知ったことによって形成された固定的な観念・見解。ふつう、それによって自由な思考が妨げられるような場合にいう。

出典:精選版 日本国語大辞典「先入観」

そして、この言葉はたとえば以下のように用いることができます。

「親の立場で物事を教えると、子供は先入観にとらわれ自由な発想が出来なくなってしまう」
「あの人は先入観が強い人なので、説得するのは難しいかもしれない」
「大柄で人に威圧感を与えるのか、見た目で怖そうな人だという先入観を持たれることが多く困っている」
「私は口下手な彼を、無愛想で失礼な人だと間違った先入観を持っていた」

#6 「思い込み」

次に、「思い込み」思い込みという言葉について見ていきましょう。この言葉の意味は、以下のようになります。

【1】そうだとばかり信じきっていること。
【2】それ以外にはないと固く心に決めていること。

出典:大辞林 第三版「おもいこみ」

そして、この言葉を用いるとたとえば以下のようになります。

「一日三食食べることが体に良いと思い込んでいる人は多い」
「彼女の態度から嫌われたと思い込んだ彼は、ひどく落ち込んだ」
「思い込みで人を判断するべきではない」
「お腹の赤ちゃんは男の子だと思い込み、男の子用の洋服しか準備していなかった」

「固定観念」の類義語には、「先入観」や「思い込み」などがあります。「周囲の環境や人の変化・言葉に影響を受けずに固定した考えをもっていること」を意味する「固定観念」に対し、「先入観」は「あらかじめ出来上がっている主観的で固定的な考え」を、「思い込み」は「信じて疑いもしないこと」を表した言葉です。

これらの言葉は、微妙なニュアンスの違いがあるので、用いる際には使い分けに注意しましょう。

 

「固定観念」の対義語

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最後に、「固定観念」の対義語について見ていきましょう。

#7 「融通無碍」

この対義語には、「融通無碍」などです。この言葉の意味は、以下のようになります。

(滞りなく通じてさまだげのない意から)考え方や行動が何物にもとらわれず自由でのびのびしていること。また、そのさま。

出典:精選版 日本国語大辞典「融通無碍」

そして、この言葉を用いるとたとえば以下のようになります。

「彼のように融通無碍に生きることができたら、今よりもっと人生が充実しそうだ」
「融通無碍な彼女を慕って、仕事の相談に来る人が後を絶たない」
「芸術家に必要なのは、融通無碍な心だ」
「この歳になると、子供たちの融通無碍な心が眩しく思える」

「固定観念」を使いこなそう

以上、「固定観念」という言葉についてまとめました。これは、「周囲の意見や状況の変化などで簡単に変わることのない潜在した考え」を表し、たとえば長い間習慣化していることや一般に常識的に行われていることなどについて述べる場合に用いられる言葉です。

この言葉の類義語には「先入観」「思い込み」などがあります。「先入観」は「物事の最初の過程ですでに出来上がっている考え」を表し、その考えが対象となる事柄に対して自由に考えを巡らせることを制限するような場面で用いられる言葉です。そして、「思い込み」は「何かをそうだと信じて疑わないこと」を表します。

また、「固定観念」の対義語は「融通無碍」です。

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tanpopo409