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「器量」その意味と多様な使い方、「度量・気立て」との違いは?現役ライターがサクッと解説

「器量」(読み方:「きりょう」)という言葉は、「器量好し」「~の器量がある」などの表現でよく耳にするのではないでしょうか。
「器量」には複数の意味があり、その意味を把握すると、上記以外にもさまざま使い方が可能になります。
ここでは異なる意味の「器量」を含む例文をいくつかご紹介しますので、この機会に習得し活用してみてはいかがでしょうか。
また「度量(が大きい)」や「気立て(がいい)」との意味の違いについてもご紹介します。似た場面で登場するので、どのように使い分けて良いか、疑問に思うこともあるかもしれません。
実際、過去に「器量」「度量」「気立て」の違いが曖昧な為、幾度か一喜一憂したことのある私ライターあかりが、「類語比較マニア」として今回ご説明いたします。

「器量」の意味と使い方・例文

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それでは、以下に「器量」の意味と使い方を見ていきましょう。

「器量」の意味は?

まず、「器量」には以下のような意味があります。

1.物事をやりとげるだけの才能、能力、力量。

2.ある物事に巧みなこと。また、その人。上手。名人。

3.主として女性や若い男性の顔かたち。容姿。また、それらの優れているさま。ものの姿形についていうこともある。

4.面目。

出典:精選版 日本国語大辞典

上記4つの意味の中でも、1、3、4の意味で使われることが多く、

「組織などにおけるある立場や役目にふさわしい能力」

「(主に女性の)顔立ち」

「その人(主に男性)が世間から受ける評価」

を表す語として用いられます。

「器量」の使い方・例文

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次に、「器量」の使い方を例文を用いて見ていきましょう。

 

1.「彼は人の上に立つ器量が欠けていると家業を継ぐことをためらっている」

   「彼の器量を見込んで、次のプロジェクトを任せたいと思う」

2.「彼将軍は弓に秀でていて、その器量で抜擢された」

3.「仲間内でも彼の奥さんは器量好しとして有名だ」

   「器量は十人並みだが、彼女は愛想が良く男性社員たちから好かれている」

4.「彼はそのプロジェクトで手腕を発揮して器量を上げた」

もっとも多く使われ、耳にする表現は「器量好し」=女性の容姿が美しいこと、かと思いますが、上記1もしくは4の意味で使うと、会話・文章の品位がよりアップし印象の良いものになると思います。

自分で例文をいくつか作ってみて、ぜひ習得してください。

「度量」、「気立て」との違い

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では次に、「器量」とは一字違いの「度量」との意味の違いについて、また「器量がよい/気立てがよい」など褒め言葉として共によく耳にする「気立て」との違いについて見ていきます。

「度量」との違い

まず、「度量」には「心の広さ」「包容力のある器」といった意味があります。

「度量」と「器量」それぞれを使った例文を見ながら、その違いを確認してみましょう。

「度量」

「彼は面倒見が良いだけでなく、部下の失敗をうまくフォローするなど度量が大きく部下から慕われている」(彼は面倒見が良いだけでなく、部下の失敗をうまくフォローするなど寛容さがあり部下から慕われている)

「器量」

「彼は経営者としての器量を備えている」(彼は経営者としてふさわしい能力を備えている)

つまり、「度量」は「他人を受け入れることができる心の広さ(寛容さ)」、「器量」は「その立場に値する能力」を表すという違いがあります。

「度量」は人間性、「器量」が才覚

特定の人物を表現するのに使うことができる異なるセグメント(要素)と言えるでしょう。

「器量よし」「度量が大きい」の対義語は?

「器量よし」の対義語は、「器量が悪い」とも言えますが、少し不躾な言い方だと思いませんか?

そういう時に使いやすいのが「度量が狭い」

「度量が大きい」の対義語としても伝えるこの言葉。実は、「器量が乏しい」という意味もあり、資質が至らないことを表す際に使うことができます。

ちなみに「度量が小さい」は、寛容さがない、という意味もありますが、むしろ「小心者」という意味で使われることが多い印象です。

「気立て」との違い

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次に「気立て」ですが、他人に対する態度などに現れるその人の心の持ち方・相手に与える印象を表す言葉で、その現れ方により「心根」「気っ風」とも言い換えられます。性質や気質を表すという意味では「器量」よりも「度量」と同じ類の言葉と言えるかもしれません。

「気立て」と「器量」それぞれを使った例文を見ながら、その違いを確認してみましょう。

「気立て」

「いつも周囲への心配りができ、気立てのよい彼女は、みんなから愛されている」(いつも周囲への心配りができ、心根の優しいor 暖かい気持ちを与える彼女は、みんなから愛されている)

「器量」

「彼女は器量よしで高嶺の花だ」(彼女はとても美人で憧れの存在だ)

「器量も気立てもいい素晴らしい人物」と言ってみたり、はたまた「器量は悪くとも気立てが良い人が一番だ」と言ってみたり、二つの素養を対比して使われることがあります。

気立てと共に(もしくは対比して)使われる時の「器量」は、主に「見た目」を指していることが多く、才覚の意味で「器量」を指す場合は、度量と共に使うことが多いでしょう。

 

 

「器量よし」は見た目だけではなく、才覚あるとの褒め言葉

以上、「器量」の意味と使い方、「度量」「気立て」との違いについてまとめました。

「器量」には複数の意味がありますが、その中でも、主に

「女性の容貌」「与えられた役割などにふさわしい能力」「その人に対する世間からの評価」として使われることが多く、

たとえば、美しい女性に対し

「器量好し」「器量負け」(顔立ちが良すぎて逆に結婚の機会がないこと)

世間からの評価を上げたもしくは下がった男性に対し

「器量を上げる」「器量を下げる」

などの形で用いられています。

見た目だけでなく、その人の力量を表す美しい言葉なので、相手の能力に感銘を受けたり、自分の資質について他者に相談する際などにぜひ使っていただきたいです。

また、今回ご紹介した、寛容さを表す「度量が大きい」、心根の良さを表す「気立てがいい」もそれぞれ異なる意味で人の特徴を表現する際に用いることができるので、ケースに応じて使いこなしていきましょう。

また、どの言葉も容姿・人徳・性格・実力など他者評価として伝わる言葉なので、誤解を生まないよう正しく使い、そしてより良い関係を構築していきたいものです。

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