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「懇ろ」の意味と使い方・例文・類義語は?現役ライターがサクッと解説

「懇ろ」(読み方:「ねんごろ」)という言葉は、「懇ろに~する」「懇ろな~」などの形でよく用いられています。

しかしながら、日常的に頻繁に用いる語ではなく、この言葉が具体的にどのようなことを表すのか、また同じような意味の言葉は他にどのようなものがあるのか、中には疑問が浮かぶことがあるかもしれません。

そこで、ここでは「懇ろ」の意味と使い方、また類義語にあたる語などについて、翻訳経験のある現役ライターの筆者が説明していきます。

「懇ろ」の意味と使い方・例文・類義語

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それでは、以下に「懇ろ」の意味と使い方、また類義語などについて説明します。

「懇ろ」の意味

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まず、「懇ろ(ねんごろ)」には以下のような意味があります。

心がこもっているさま。親切でていねいなさま。
互いに打ち解けて親しいさま。特に、異性との仲が親密であるさま。

出典:明鏡国語辞典「懇ろ」

「思いが込もっている様子、親身であるさま、(人との交際、特に異性との仲が)隔てなく親しい様子」を表す言葉です。

「懇ろ」は「ねもころ」という古語が語源で、「ねもころ」が「ねむころ」に、そして「ねんごろ」に変化したと考えられています。

この「ねもころ」の意味は、「ね(根)」「も(助詞)」「ころ(凝)」つまり「根が絡み合うように」密に、ということです。

とても親密な付き合いをしているさまを表す「懇ろな関係」、男女が親密な関係になる意味の「懇ろになる」は、よく耳にする表現ではないでしょうか。

「懇ろ」の使い方・注意点

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「懇ろ」は、心がこもっていること、愛情がこもっていること、親身であることを表したいときに使います。

ただし、「懇ろ」には「男女の仲が親密である」という意味もありますので、恋愛関係などではない男性と女性についてこの言葉を使うと、誤解を招いてしまうかもしれません。そのような場合には「懇ろ」は使わない方が無難です。

「長年をともに過ごした愛犬の遺骨を懇ろに葬った」
「そこの社長さんとは以前から懇ろにしていただいております」
「旅先の老舗旅館で懇ろなもてなしを受けて寛いで過ごした」
「神社で懇ろな祈祷を受け、家内安全を祈願する」
「訪問先の女性は、懇ろに出迎えてくれた」

「懇ろ」の類義語

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次に、「懇ろ」の類義語について見ていきましょう。

この言葉と似た意味のある語には、以下のようなものが挙げられます。

「丁重」

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まず、「丁重(ていちょう)」には以下の意味があります。

心がこもって対応が手厚いこと。懇ろ。

出典:明鏡国語辞典「丁重」①

この言葉は「対応が礼儀正しく丁寧で、注意も行き届いて心がこもっていること」ことを表し、以下のように用いることができます。

「このたびは丁重なる御見舞のお品物をいただきまして、誠にありがとうございました」
「破格の条件を提示されたにもかかわらず、すでに第一志望の企業から内定が出ていたため丁重に内定辞退を申し出た」
「先日はご丁重なるお招きにあずかりまして、誠にありがとうございました」
「ご丁重なお手紙を拝見させていただきました」

「手厚い」

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次に、「手厚い」には以下の意味があります。

扱い方やもてなしがていねいで、心がこもっているさま。

出典:明鏡国語辞典「手厚い」

この言葉は「待遇が丁寧で心がこもっている様子、親切な様子」を表し、以下のように使用します。

「入院中に手厚い看護を受ける」
「その企業は社員に対して手厚い福利厚生を用意している」
「彼らの家を訪れるといつも手厚くもてなしてくれる」
「このたびは手厚いご配慮を賜りまして、心からお礼申し上げます」

「慇懃な」

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「慇懃な(いんぎんな)」は、「丁寧で礼儀正しい」という意味を持つ言葉です。

「その店ではお客様を慇懃にもてなしてくれる」

「彼女は慇懃な挨拶の後、名刺を差し出した」

のような使い方をします。

「人懐っこい」

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親しみやすいという意味では、「人懐っこい」も類義語にあたるでしょう。「人懐っこい」は、「すぐに打ち解けたり、仲良くなったりしやすい」ことを表す言葉です。

「彼は人懐っこいので、みんなから好かれている」

「人懐っこい笑顔の女性は、男性から人気だ」

のように使います。

「友好的」

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「友好的」も同様に、「友と接するように親しく、心がこもっているさま」を表します。

「その町で出会った人たちは皆、とても友好的だった」

「その国は日本に対して友好的だ」

のように使う言葉です。

「懇ろ」の対義語

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では、「懇ろ」と反対の意味を持つ言葉には、どんなものがあるのでしょうか。

「がさつ」

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「懇ろ」が「心がこもっていて気が利くこと」だとすると、その対義語は「がさつ」になります。

「がさつ」は、「落ち着きがなく荒っぽく、細かいところまで気が回らないさま」「粗雑、大雑把な様子」を表す言葉です。

「彼女はがさつだから、カバンの中がいつもごちゃごちゃしている」

というように使います。

「疎遠」「疎ましい」

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「疎遠(そえん)」は「遠ざかって親密さに欠けること、関係が薄いこと」、「疎ましい(うとましい)」は「親密さがないこと、好感が持てず遠ざけたい、いやだ」という意味を表す言葉です。

「私が県外に引っ越してからというもの、彼とは疎遠になってしまった」

「顔を見るのも疎ましいほど、彼を嫌いになっていた」

のような使い方をします。

「蔑ろ」

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「蔑ろ(ないがしろ)」は、「あってもないかのように軽んじる、侮る」「相手の人格に敬意を払わず軽んじる」の意味を持つ言葉です。

「老いた親を蔑ろにするなんて、罰当たりだ」

という使い方をします。

意味に気を付けて「懇ろ」を使おう

以上、「懇ろ」の意味と使い方、類義語などについてまとめました。

これは「心が込もっていること」や「打ち解けて親しいこと」を表す言葉です。

後者の意味で用いる場合には特に男女の間柄のことをいい、一般的にもその意味でよく知られていますが、それに限らず、懇意にしているといった意味や心を込めて何かを行うといった場面においても用いられます。

また、心がこもっていることを表す言葉には他に「丁重」「手厚い」などがありますが、「丁重」は「礼儀正しい」、「手厚い」は「取扱やもてなしが丁寧」といったニュアンスの違いがあるため、意識して適度に使い分けると良いですね。

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konomianko