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「逐次」の意味と使い方・例文・「逐一」との違いは?現役ライターがサクッと解説

「逐次」(読み方:「ちくじ」)という言葉は、「逐次~する」「逐次~される」といった形でよく用いられます。

主に書き言葉として使用されますが、具体的にどのようなことを表すのか、近い意味を持つ「逐一」(ちくいち)とはどのような違いがあるのか、疑問に思うことがあるかもしれません。

そこで今回は、「逐次」の意味と使い方、また「逐一」との違いなどについて、翻訳経験のある現役ライターの筆者が説明していきます。

「逐次」の意味と使い方・例文・「逐一」との違い

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それでは、「逐次」の意味と使い方、また「逐一」との違いなどについてご紹介しましょう。

「逐次」の意味は?

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まず、「逐次」には以下のような意味があります。

物事が順を追って次々になされるさま。順次。

出典:明鏡国語辞典「逐次」

つまり「逐次」には、「一つ一つ順を追って物事が行われること」という意味があります。

「逐次」の使い方・例文

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次に、「逐次」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「その本は全10巻のシリーズとして逐次刊行された」

「指示に従って逐次資料を修正していく」

「その百貨店の各催事場で行われるイベントの予定は、決まり次第逐次発表されることになっている」

「転職したばかりの頃はベンチャー企業の常識にとらわれない仕事のやり方に戸惑ったが、逐次それらにも慣れていった」

「逐一」との違い

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では次に、似た意味を持つ「逐一」という語との違いについて見ていきましょう。

まず、「逐一」には以下の意味があります。

一つ一つ順を追ってするさま。また、くわしく細部までもらさずにするさま。

出典:明鏡国語辞典「逐一」

そして、「逐一」と「逐次」の使い方を比較すると以下のようになります。

「逐一」:「それらの調査結果を取りまとめた報告書は逐一ホームページに掲載します」(それらの調査の結果を取りまとめた報告書は一つ一つ余すところなくホームページに掲載します)

「逐次」:「調査結果については逐次ホームページにて公表します」(調査結果については順を追って次々にホームページで公表します)

つまり、「逐一」は「一つ一つ順を追ってもらすことなく何かを行う様子」、「逐次」は「一つ一つ順を追って次々に物事が行われる様子」を表すというニュアンスの違いがあります。

その他の似た言葉との違い

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「逐次」と似ている言葉には、「逐一」の他にもいくつかあります。それらとの違いを見てきましょう。

「随時」

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「随時(ずいじ)」には、次のような意味があります。

好きな時いつでも。

その時々。

出典:三省堂「随時」

 

「随時」の「随」という漢字には「思いのまま」の意味があり、「随時」で「日時に関係なく、好きな時にいつでも」「必要に応じてその時々に」ということを表します。

「逐次」のように「順を追って」という意味はありません。

「面接は随時行っております」

「このサイトは随時更新してまいります」

「最新情報は随時ホームページにてご案内いたします」

などの形で使われる言葉です。

「適時」

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「適時(てきじ)」は、次のような意味を持つ言葉です。

それをするのにふさわしい時。

出典:三省堂「適時」

「適時」の「適」には「ふさわしい」という意味があり、「適時」で「ふさわしいとき」「ちょうど良いとき」を表します。

その人の判断でタイミングの良いときを決めるのであって、日にちや時間を指定するものではありません。

「適時、昼食をとってください」

「当社では、正確な経営情報を適時適切に開示するよう努めています」

といった形で使う言葉です。

「都度」

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「都度(つど)」には、次のような意味があります。

物事が行われるたびごと。毎回。

出典:小学館「都度」

「都度」の「都」には「すべて」「みな」、「度」には「たび」「回数」の意味があり、「都度」で「そのたびごと」ということを表します。

「お気づきの点がございましたら、その都度ご指摘くださいますようお願いいたします」

「かしこまりました。その都度確認いたします」

などのような使い方をする言葉です。

「常時」

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「常時(じょうじ)」は、次のような意味を持つ言葉です。

 

特別な事のない時。普段。

(副詞的にも用いる)常にそうであること。いつも。

出典:三省堂「常時」

「常時」の「常」には「いつも」の意味があり、「常時」で「いつも」「普段から」ということを表します。

「当ホテルへのシャトルバスは常時待機しております」

「当書店では、常時良書を取り揃えています」

のような使い方をする表現です。

「適宜」

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「適宜(てきぎ)」の意味は、次の通りです。

その場に合っていること。ちょうど適していること。また、そのさま。適当。

個々の状況に合わせて行動するさま。副詞的にも用いる。

出典:三省堂「適宜」

「適宜」の「宜」には「都合が良い」の意味があり、「適宜」で「状況に合わせて都合の良いように行動する」ことを表します。

「休憩は適宜お取りください」

「その件につきましては、適宜お知らせいたします」

などの使い方が可能な表現です。

「逐次」の類義語

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「逐次」と似たような意味を持つ言葉には、「順次」などがあります。

「順次」に「順序に従って物事をするさま」を表す言葉です。

「準備が整い次第、順次お届けします」

「ご質問に関しましては、順次対応させていただきます」

などのように使います。

「逐次」の英語表現

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「逐次」の英語訳は「in turn」「successively」などですが、「~に逐次報告する」という意味では、「keep ~ posted」を使います。

「逐次」と似ている言葉との違いを知っておこう

以上、「逐次」の意味と使い方、「逐一」との違いなどについてまとめました。

この言葉は「順を追って次々に物事が行われる様子」を表し、たとえば出版物がシリーズで順番に次々と刊行される場合や、何かの情報を次々に公表するという場合などに、「逐次~する」「逐次~される」といった形で用いられます。

また「逐一」も同じような意味となりますが、この場合は順を追っていちいち何かを行う、つまり一つ一つもらさずに詳しく行うという意味合いが含まれている言葉です。

その他にも似たような意味を持つ言葉がいくつかありますが、それぞれ微妙に異なった使い方をしますので、状況に応じて適切な言葉を選ぶようにしましょう。

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konomianko