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「生粋」の意味と使い方・例文・「純粋」との違いは?現役ライターがサクッと解説

「生粋」(読み方:「きっすい」)という言葉は、「生粋の~」という形でよく用いられます。

多くの人が大体の意味は分かると思いますが、具体的にどのようなことを表しているのか、また似た意味を持つ「純粋」という語とはどのような違いがあるのか、疑問に思うことがあるかもしれません。

そこで、ここでは「生粋」の意味と使い方、また「純粋」との違いなどについて、翻訳経験のある現役ライターの筆者が説明していきます。

「生粋」の意味と使い方・例文・「純粋」との違い

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それでは、「生粋」の意味と使い方、また「純粋」との違いなどについて説明していきましょう。

「生粋」の意味は?

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「生粋(きっすい)」が持つ意味は、次の通りです。

混じり気がまったくないこと。

出典:明鏡国語辞典「生粋」

つまり、「他の種類や性質のものが混じっていないこと」(ただし人の出身などについていう場合に用いる)を表す語となっています。

「生粋」の語源

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「生粋」の「生」は「何も加えられないまま」、「粋」は「まったく雑じり気がなく純粋なこと」を表現することから、「生粋」という言葉が生まれました。

もともとは「きすい」と読まれていましたが、現在では「きっすい」と読まれるようになっています。

「生粋」の使い方・例文

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次に、「生粋」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「彼は祖父の代から3代続く生粋の江戸っ子だ」
「彼女は良家に生まれた生粋のお嬢様で、ただそこに立っているだけでもどこか清らかで品のある雰囲気が感じられる」
「生粋の職人が繊細な手作業で一つ一つの工程を丁寧に仕上げていく職人芸を息を詰めて見守る」
「関東出身者は、たとえ大阪で暮らすようになっても生粋の関西人と比べイントネーションに違いが出てしまうものだ」

「生粋」の類義語

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では、「生粋」の類語にはどのようなものがあるのか見ていきましょう。

「純粋」

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「純粋(じゅんすい)」には、次のような意味があります。

ほかのものがまじっていないこと。

出典:明鏡国語辞典「純粋」①

そして、この語と「生粋」の使い方を比較すると以下のようになります。

「純粋」:「彼が飼っている犬は純粋な秋田犬だ」(彼が飼っている犬は他の犬種の血が混じっていない秋田犬だ)

「生粋」:「彼の奥さんは生粋のイギリス人だ」(彼の奥さんはイギリスで生まれ育ったイギリス人だ)

つまり、「純粋」は「(ある物体に)種類の違うものが混じっていないこと」、「生粋」は「(人の出身や素性などについて)他のものが混じっていないこと」を表すというニュアンスの違いがあります。

「生一本」

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「生一本(きいっぽん)」は、「純粋で混じり気のないこと、もの」の意味を表す言葉です。

江戸時代では、「灘酒」などが良い酒として知られており、その偽物が出回るのを防ぐために、本物は「灘の生一本」などと刻印されるようになりました。

つまり、「生一本」の本来の意味は「自社の酒蔵で造られた日本酒」のことで、そこから転じて「生まれ育った環境が一つの場所であること」という意味になっています。

「生粋」が「生まれ育った場所」を表すのに対して、「生一本」は生まれ育った場所に加えて「性格」についても表す言葉です。

「君は生一本な性格だから、騙されないように気を付けないといけないよ」

というように使います。

「ピュア」

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「ピュア」は英語表記で ” pure ” とし、「混じり気のない」「純粋な」という意味の言葉です。

「ピュアな白」のような使い方もしますが、「ピュアな人柄」というように、人の性格について言い表すこともできます。

「無垢」

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「無垢(むく)」とは、「心身がけがれておらず純粋なこと」を表します。

もとは仏教用語で、「煩悩のけがれを離れて清らかであること」を意味する言葉でした。

「純粋」が「邪念や私利私欲などの悪い考えが混じっていないこと」を表すのに対して、「無垢」は「一切のけがれがなく清らかであること」を表すため、この言葉は赤ちゃんや子どもについてよく使われる言葉です。

「生え抜き」

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「生え抜き(はえぬき)」は「生まれてからずっとその場所にいること」を意味する言葉です。

「抜き」には「貫く」の意味があり、「生え抜き」で「一貫してそこにいる」ことになります。

「生粋の江戸っ子」が「江戸に染まっていて他のものは混ざっていないこと」であるのに対して、「生え抜きの江戸っ子」は、単に「ずっと江戸にいること」というように、ニュアンスの違いは微妙です。

「ちゃきちゃき」

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「ちゃきちゃき」とは、「血筋に混じり気がなく純粋なこと」を表す言葉です。

「ちゃきちゃき」は「嫡々(ちゃくちゃく)」が変化してできた言葉で、嫡子から嫡子へ家を継ぐことを表していました。「嫡」は「正妻」で、「嫡子」は「正妻が産んだ子ども」を意味します。

「ちゃきちゃきの江戸っ子」のように、「生粋」と同じ使い方ができる言葉です。

「生粋」の対義語

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「生粋」の反対の意味を持つ言葉には、次のようなものがあります。

「不純」

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「不純(ふじゅん)」は、「純粋でないこと」「まじりけのあること」を表す言葉で、「不純な動機」のような使い方をします。

「疑似・擬似」

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「疑似・擬似(ぎじ)」は、「本物によく似ていること」という意味の言葉です。「疑似コレラ」「疑似体験」のように使用します。

「生粋」の言葉を上手に使おう

以上、「生粋」の意味と使い方、「純粋」などとの違いについてまとめました。

「生粋」は「他のものが混じっていないこと」を表し、主に人の出身や出自についていう場合に「生粋のイギリス人」「生粋の江戸っ子」などの形で用います。

「純粋」も同じような意味ですが、ある物体に他の種類のものが混じっていないことを表すものとなり、人の生まれや育ちについていう場合に用いる「生粋」とは異なる言葉です。

場面によって、うまく使い分けられるようにしておきましょう。

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konomianko