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「甲斐性」の意味と使い方・例文・類義語は?現役ライターがサクッと解説

「甲斐性」(読み方:「かいしょう」)という言葉は、「甲斐性がある」「甲斐性のない~」などの形でよく用いられています。

特に男性の性質について表す時によく用いられている言葉ですが、「甲斐性」が具体的にどのようなことを表すのか、また他に似た意味のある語にはどのようなものがあるのか、疑問に思うことがあるかもしれません。

そこで、ここでは「甲斐性」の意味と使い方、また類義語にあたる語などについて、翻訳経験のある現役ライターの筆者が説明していきます。

「甲斐性」の意味と使い方・例文・類義語

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それでは、以下に「甲斐性」の意味と使い方、また類義語などについて説明していきましょう。

「甲斐性」の意味は?

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まず、「甲斐性」には以下のような意味があります。

積極的な気力と生活能力に富んだ、頼りがいのある性質。

出典:明鏡国語辞典「甲斐性」

つまり、「自分から進んで何かをしようとする精神力や根性があり、生活能力に富んだ頼りがいのある気性」を表す語となっています。

「甲斐性」は特に、その人のお金や異性関係などへの接し方を示す性質のことを意味する言葉です。

「甲斐性なし」「甲斐性がない」という表現は、何かを成し遂げるための根性がない、意気地がないことを意味します。

経済的な生活能力がない、または浮気性だというように、主にお金や仕事、異性関係に対して「だらしがない」ことを表す言い方です。

「甲斐性」の語源・由来

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「甲斐性」の語源には、「亀の甲羅(こうら)の模様のように美しい、つまり価値がある性質」という説や、「『甲斐』は『買い』から来ていて、お金を出して買うほどの値打ちがあるもの」など、諸説ある言葉です。

また、「甲斐」は「やりがい」や「ふがいない」などの「かい」と同じ意味で、もともとは「効(かひ)」という表記で「行動に対する効果」という意味を持っていました。その「かい」に、武田信玄の時代に勢力を伸ばしていた「甲斐氏」にちなんで「甲斐」の字があてられたという説が有力であるとも言われています。

「甲斐性」の使い方・例文

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次に、「甲斐性」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「彼女は男運がないと嘆いていたけれど、今では甲斐性者の男性と結婚して幸せにしているらしい」
「甲斐性のある彼とこまやかな愛情がある彼女はいかにも似合いの夫婦だ」
「彼にはまだ結婚して家族を養うような甲斐性はないだろう」
「うちの息子はいい年して遊び呆けてばかりで甲斐性がなくて困っている。これでは当分嫁の来手もないだろう」

「甲斐性」の類義語

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「甲斐性」の類語には、次のようなものがあります。

 

「器量」

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「器量(きりょう)」には以下の意味があります。

その地位・役目にふさわしい才能・人柄。

出典:広辞苑「器量」①

「器量」は「ある立場や役目に釣り合った能力」を表し、男性に対してよく使われる言葉です。

「器」は「物を入れるもの」ですが、「人の能力などの大きさ」も表します。「量」は、その「能力などの程度」を表しますから、「器量」で「あることをするのにふさわしい能力」の意味になるわけです。

ちなみに女性に対しては「顔立ちが美しい」の意味で「器量よし」のように使われます。

「器量」を使った例文は、次の通りです。

「たとえ子どもの前であっても彼はことあるごとにイライラして声を荒げる。まったく父親としての器量に欠けているとしか思えない」
「彼は友人たちの前では優しい人で通っているが、いざという時にはほとんど頼りにならず、夫としての器量はいまいちだ」

「頼りがい」

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「頼りがい」には以下の意味があります。

頼りにするだけの価値。頼るに足るだけの実質。

出典:広辞苑「頼り甲斐」

「頼りがい」は「頼りにするのに十分な性質」を表す言葉です。「頼りがいのある人」というと、「信頼できる人」「信用できる人」を表します。

「頼りがい」の使い方は、次の通りです。

「うちの夫は、忙しい時に家事の手伝いを頼んだり小言を言ったりしようものならすぐにふらふらとどこかに出かけていなくなってしまう。頼りがいがないにも程がある」
「彼は普段から家事や育児にも協力的なだけでなく、体調が悪い時には家事を代わりにやってくれたり、お姑さんと揉めた時には間に立ってくれたりと、思った以上に頼りがいのある人だ」

「実力」

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「実力(じつりょく)」は次のような意味を持っています。

実際に備えている能力。本当の力量。

出典:小学館「実力」

「実力」は、「その人が実際に持っている力」「本当の能力」を表す言葉で、次のような使い方をします。

「彼ほどの実力者は経済力があって当然だ」

「彼女はその実力が認められて会社に採用された」

「技量」

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「技量(ぎりょう)」には、次のような意味があります。

物事を行ううまさ。腕前。手なみ。 

出典:三省堂「技量」

「技量」は「ある技術についての能力、腕前」のことを表しますが、特に「漠然とした能力」を意味する言葉で、次のような使い方をします。

「彼は専門知識があり技量も十分だが、実務に関しては経験が足りない」

「相手とは技量に差がありすぎて、手も足も出ない」

「才能」

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「才能(さいのう)」には次のような意味があります。

物事を巧みになしうる生まれつきの能力。才知の働き。

出典:小学館「才能」

「才能」は、「物事をうまく成し遂げる素質や能力」を表す言葉で、次のように使われます。

「あなたはピアノの才能に恵まれているから、それを生かさないともったいない」
「その画家は生前は評価されず、死後ようやく才能が認められた」

「能力」

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「能力(のうりょく)」が表す意味は、次の通りです。

物事を成し遂げることのできる力。

出典:小学館「能力」

「能力」は「物事を成し遂げる性質」を表す言葉ですが、生まれつき備わっているものではなく、周りの環境などによって形成されていく後天的なものです。

「能力」は、次のような使い方をします。

「彼にはその仕事をこなすだけの能力がある」
「私は自分の能力を生かせる仕事がしたい」

「甲斐性」の対義語

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「甲斐性」の反対の意味を持つ言葉は、「甲斐性なし」の他にどのようなものがあるのでしょうか。

「無能」「弱虫」「意気地なし」などが対義語にあたります。

どれも悪口になりますから、積極的には使いたくない言葉ですね。

「甲斐性のある人」は頼りがいのある人のこと

以上、「甲斐性」の意味と使い方、類義語などについてまとめました。

この言葉は、「気力や生活力に富んでいて頼りがいのある性質」を表し、やる気があり生活力もある頼れる人には「甲斐性のある人」、生活力に欠ける人には「甲斐性のない人」というような形で用いられています。

そして類義語には「器量」「頼りがい」などがあり、「その役割にふさわしい性質」「頼りにするのに十分な性質」のような意味を持つ表現です。

これらの言葉は、たとえば既婚男性などについて言う場合には「甲斐性のある人」(気力や実際的な生活力のある男性)、「夫としての器量がある人」(夫として相応しい人)、「頼りがいのある人」(頼るのに十分な性質を持っている人)といった形で用いることができます。

それぞれニュアンスが異なりますが、「いざという時にも頼れる人」、「頼れるだけでなく生活力もある人」のような使い分けができますので、意味の違いを知って、その場面にふさわしい表現ができるようにしておきましょう。

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konomianko