用語

「佇まい」の意味と使い方・例文・「雰囲気」「居住まい」との違いは?現役ライターがサクッと解説

「佇まい」(読み方:「たたずまい」)という言葉は、「~な佇まい」「~とした佇まい」などの形でよく用いられます。

立っている人や建物の様子について表現する場合に使われる言葉ですが、近い意味を持つ「雰囲気」や「居住まい」などの言葉とはどのような違いがあるのか、疑問を抱くことがあるかもしれません。

そこで、ここでは「佇まい」の意味と使い方、また「雰囲気」「居住まい」との違いなどについて、翻訳経験のある現役ライターの筆者が説明していきます。

「佇まい」の意味と使い方・例文・「雰囲気」「居住まい」との違い

image by iStockphoto

それでは、「佇まい」の意味と使い方、また「雰囲気」「居住まい」との違いなどについて説明していきましょう。

「佇まい」の意味は?

image by iStockphoto

まず、「佇まい」には以下のような意味があります。

立っている様子。そこにあるものの様子。ありさま。
人の生き方、暮し方。また、生業。たたずみ。

出典:広辞苑 第6版(発行所 株式会社岩波書店)「佇まい」

つまり「佇まい」とは、「人が建物が立っている様子や姿、その場所にある物の様子」「人の生き方や暮らし向き、職業」を表す言葉ですが、主に前者の意味で使われます。

 

「佇まい」の語源

image by iStockphoto

「佇まい」はもともと、「人がその場所にずっと立っている様子」を意味する「たたずむ」という言葉でした。

そこに反復継続を表す助動詞の「ふ」が付いて「たたずまふ」に変化し、「そこに存在するものの様子や姿、雰囲気」という意味になりました。そして「たたずまふ」の音が変化したのが、現在使われている「たたずまい」という言葉なのです。

「佇まい」の使い方・例文

image by iStockphoto

次に、「佇まい」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「格式ある旧家の出というだけあって、彼は物静かで気品のある佇まいをしていた」

「庭園の所々に植えられている松の木は、職人によってしっかりと手入れが施され堂々とした佇まいを見せていた」

「その店に行くのは数年ぶりだったが、以前と変わらないその佇まいに懐かしさで一杯になった」

「その日の彼女はシンプルで上品なデザインのワンピースに身を包み、普段とは違う清楚な佇まいだった」

「佇まい」と「雰囲気」「居住まい」との違い

image by iStockphoto

それでは、「佇まい」と似た意味を持つ「雰囲気」「居住まい」との違いについて見ていきましょう。

「雰囲気」「居住まい」には、次のような意味があります。

その場面またはそこにいる人たちの間にある一般的な気分・空気。周囲にある、或る感じ。ムード。アトモスフェア。

出典:広辞苑 第6版(発行所 株式会社岩波書店)「雰囲気」②

すわっている姿勢。

出典:広辞苑 第6版(発行所 株式会社岩波書店)「居住まい」

このふたつの言葉と「佇まい」の使い方を比較すると、次のようになります。

「雰囲気」:「塞いだ気分を変えようと、インテリアを一新して部屋の雰囲気をがらりと変えることにした」(塞いだ気分を変えようと、インテリアを一新して部屋の印象をがらりとかえることにした)

「居住まい」:「『実は折り入って相談があるんだけど』と、いつになく真剣な顔つきで言う彼に、思わず居住まいを正した」(「『実は折り入って相談があるんだけど』いつになく真剣な顔つきでそう言う彼に、思わずきちんとした姿勢で座り直した」)

「佇まい」:「彼はパソコンが入るような大きめのビジネスバッグにネイビーのスーツを身に着け、いかにも営業マンといった佇まいをしていた」(彼はパソコンが入りそうな大きめのビジネスバッグにネイビーのスーツを身に着け、その立ち姿はいかにも営業マンといった様子だった)

つまり、

「雰囲気」は「ある場所やそこにいる人たちが醸し出す空気や印象、気分」、

「居住まい」は「座っている姿勢や様子」、

「佇まい」は「あるものがそこに立っている様子、ありさま、状態」

を表すというニュアンスの違いがあります。

「居住まいを直す」「居住まいを正す」とは言いますが、「佇まいを直す」「佇まいを正す」というのは誤用ですので、気を付けましょう。

「佇まい」の類義語

image by iStockphoto

その他にも、「佇まい」にはさまざまな類語があります。その中からいくつかピックアップして紹介していきましょう。

「風格」

image by iStockphoto

「風格(ふうかく)」には、次のような意味があります。

 その人の言動や態度に現れ出た品格。 

 独特のあじわい。おもむき。 

出典:三省堂「風格」

「風格」には、「その人の姿や態度に現れる品格」「味わい」の意味があります。

「今年の部長にはリーダーの風格があるから、なんとなく安心だ」「これ、誰が書いたの?風格のある文章だね」などの形で使われる言葉です。

「風情」

image by iStockphoto

「風情(ふぜい)」が持つ意味は、次の通りです。

風雅な趣。味わいのある感じ。情緒。情趣。

様子。ありさま。

出典:三省堂「風情」①②

 

「風情」は「独特の味わい、情緒」「気配、様子」などの意味があります。

「この冬に訪れた古い温泉旅館には風情があった」「風情のあるお庭ですね」のような使い方をする言葉です。

「オーラ」

image by iStockphoto

人体から発散される霊的なエネルギー。転じて、ある人や物が発する、一種独得な霊的な雰囲気。

出典:小学館「オーラ」

「オーラ(aura)」とは、「人が発する独特な雰囲気」のことを意味する言葉です。

「やっぱり本人だった?道理で芸能人のオーラが出ていると思ったよ」「自分がイライラしているからって、マイナスオーラを出さないでほしいな」といった形で用いられます。

「情緒」

image by iStockphoto

「情緒(じょうちょ)」には、次のような意味があります。

事に触れて起こるさまざまの微妙な感情。また、その感情を起こさせる特殊な雰囲気。

出典:小学館「情緒」

「情緒」は、「微妙な感情を引き起こす、そのもの独特の味わい」を表す言葉です。

「その地域は異国情緒あふれる街並みで有名です」「情緒豊かな作品を味わう」のような使い方をします。

「趣」

image by iStockphoto

「趣(おもむき)」が持つ意味は、次の通りです。

 風情(ふぜい)のある様子。あじわい。 
 気配。気分。感じ。

 出典:三省堂「趣」①②

「趣」には、「そのものが感じさせる風情」「(いい)雰囲気」などの意味があります。

「古き良き時代を思わせる趣のある建物」「ひなびた温泉宿の窓から見えるのは、趣のある景色だった」という具合に使う表現です。

「ムード」

image by iStockphoto

「ムード」には、次のような意味があります。

気分。情調。雰囲気。

出典:小学館「ムード」

「ムード(mood)」には、「気分」や「雰囲気」の意味があり、「独特なムードがある」というのは、「独特な雰囲気がある」と言い換えることができます。

「彼はムードメーカーなので、宴会に欠かせない存在だ」「ちょうどそのとき母親が部屋に入ってきて、せっかくのいいムードが台無しになってしまった」という形で使うことができる表現です。

「佇まい」の英語表現

image by iStockphoto

「佇まい」を英語で言い表したい場合には、「appearance(外観)」「atmosphere(雰囲気)」などを使うと良いでしょう。

「佇まい」を適切な場面で使おう

以上、「佇まい」の意味と使い方、「雰囲気」「居住まい」との違いなどについてまとめました。

この言葉は、主に「人や建物などが立っている様子」「そこにあるものの様子」を表し、「~な佇まい」「~とした佇まい」といった形で用いられています。

また「雰囲気」「居住まい」といった近い意味を持つ言葉もありますが、これらはそれぞれ、「ある場所や人たちが醸し出す空気や気分」「座っている姿勢」を表す言葉です。

たとえば、そこにいる人たちが醸し出す空気が穏やかな場合には「穏やかな雰囲気」と言い表します。

また、座っている姿勢を直したり逆に崩したりする場合には「居住まいを正す」「居住まいを崩す」といった形で用いる表現です。

「佇まい」「雰囲気」「居住まい」は、「(人や物が)立っている様子」「(場所や人にある)気分、空気」「(座っている)姿勢」という具合にそれぞれ違う意味を持っていますので、場面によって適切な表現を使うようにしましょう。

Share:
konomianko