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誤用されやすい「小春日和」、その意味と正しい使い方、2つの類義語情報誌で10年超の現役ライターがサクッと解説!

「小春日和」(読み方:「こはるびより」)という言葉は、「小春日和の一日」など気象を表す表現として、天気予報などでよく用いられています。皆さんも度々耳にしたことがあるのではないでしょうか。文字から察するに、おおよそのイメージを浮かべやすい語ではありますが、反対に誤用されることも多いようです。実際にどのようなことを表す言葉なのか、また他に近い意味の語にはどのようなものがあるのか、正しく理解していますか?
そこで「小春日和」の意味と使い方、また類義語にあたる言葉について、生活情報誌など情報誌系のライターを10年経験した筆者がご案内します。メールや手紙などの時効の挨拶としてはもちろん、日々の生活の中でさりげなく表現に取り入れてみましょう。

「小春日和」の意味と使い方・例文・類義語

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それでは、「小春日和」の意味と使い方、また類義語との違いを解説します。

「小春日和」の本来の意味

まず、「小春日和」には以下のような意味があります。

初冬のころの、暖かくて穏やかな天気。

出典:明鏡国語辞典(発行所 株式会社大修館書店)「小春《日和》」

つまり、「初冬(晩秋)のころの春のように暖かい気候」を表す語で、春という表現を用いながらも初冬の光景を表す言葉なのです。

ちなみに「小春」は陰暦(旧暦)10月(太陽暦の新暦では11月~12月ごろにあたる)の異称とされている語で、俳句などでは冬の季語として用いられています。「小春」と呼ばれますが、使用するのは晩秋を含めた冬ということ。

なお、筆者は中学校の英語の授業で、留学経験のあった先生から、“アメリカでは「小春日和」のことを「Indian summer(インディアンサマー)」と呼ぶ”と習いました。暖かさからsummer(サマー)はなんとなくイメージできても、何故Indian (インディアン)なのか謎のままです。しかも、かつてアメリカでインディアンと呼ばれていた人々のことを、もはやそのような呼び方はしなくなりましたね。

「小春日和」の使い方・例文

次に、「小春日和」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「小春日和のその日は、澄んだ空に紅葉がよく映えて、鮮やかな青と赤の絶妙なコントラストを成していた」

「小春日和の心地良い陽気と晴れ渡る青い空に、心なしか気分も晴れ晴れとしてくるようだった」

「小春日和の暖かな日差しとひんやりと澄んだ空気の中で、公園のベンチに座ってお弁当を広げ、のんびりとしたランチタイムを過ごす」

「小春日和で絶好の行楽日和ともなったその日、辺り一帯のテーマパークや遊園地は観光客や地元の利用客で賑わっていた」

例文からもわかるように、「小春日和」は一般的に高気圧に覆われた秋晴れの日、または、晴天の初冬を指します。日中の気温差も激しくなり、冬の兆しを感じて身がキュッと引き締まる日々が続くようになったころ、ふと訪れる穏やかで暖かな過ごしやすい一日。そのためか、「小春日和」と耳にすると青く澄み切った高い空を思い浮かべ、なんだかホッとした気分になるのは、筆者だけでしょうか。

「小春日和」には、「春」という言葉は使われていても、使うタイミングは、あくまでも晩秋から初冬にかけてで、春に使う表現ではありませんので注意が必要です。誤用が多いのもそのためかもしれません。

「小春日和」の類義語

次に、「小春日和」の類義語について見てみましょう。

この言葉と似た意味のある語には、以下のようなものが挙げられます。

1.類義語「うららか(麗か)」

まず、「うららか」には以下の意味があります。

空が明るく晴れて日がのどかに照っているさま。うらら。

出典:明鏡国語辞典(発行所 株式会社大修館書店)「麗か」1

つまり、「空が明るく晴れていて太陽が穏やかに光を放っている様子」をいい、以下のように用いることができます。

「木々の緑はうららかな陽の光を受けて美しく輝いていた」

「うららかな天気に誘われて、突如日帰りで旅行に行くことにした」

例文にもあるように、光があふれて気持ちの良い陽気であることがうかがえ、また、晴れていても夏のギラギラ照りつける太陽を「うららか」と表現する人は少ないとは思いますので、快適に過ごせる気候のイメージで用いると良いでしょう。

一見「小春日和」と同じような意味合いで使用することができそうに見えていても、「うららか」と言えるのはやはり春。「小春日和」と言える季節との違いを理解しておきましょう。

2.類義語「のどか(長閑)」

次に、「のどか」には以下の意味があります。

天気がよくて穏やかなさま。

出典:広辞苑 第6版(発行所 株式会社岩波書店)「長閑」3

「空が青く澄み渡り穏やかな様子」を表し、以下のように用いることができます。

「その日はのどかな春の一日で、特に用事はなかったが何となく外に出たくなり、目的もなく街を散策することにした」

「のどかな陽気に包まれて、古墳公園を訪れた人々の顔つきもどこか穏やかで平和そうに見えた」

「のどか」は「うららか」よりもさらに、のんびりした雰囲気を感じることができる言葉です。これらはいずれも「空が明るく晴れて日が穏やかに照っている様子」「天気が良くて穏やかな様子」をいい、春の日についてを示す場合によく用いられます。ですから、同様に天気の良い穏やかな気象状況を指す言葉でありながら、「うららか」や「のどか」は春について、また「小春日和」は晩秋や初冬について用いる表現だという違いをここでハッキリと認識しておきましょう。

このように、似た天候でありながら春と秋冬で表現を変えることは、四季の移ろいを敏感に感じながら気象の変化と向き合ってきた日本人ならではの、表現の一つと言えるのではないでしょうか。

「小春日和」の用法のまとめ

以上、「小春日和」の意味と使い方、類義語についてまとめました。

この言葉は、一般的には春先に誤用されることが多くあるようですが、実際には冬の季語とされ、晩秋から初冬にかけて用いられる語で、秋から冬へ寒さに向かう中での穏やかで暖かな天気の日についていう場合などに、「小春日和の一日」などの形で用いることができます。

さらに「小春日和」の類義語としては、「うららか」や「のどか」がありますが、おもに春に使用される表現なので、使用時には気をつけたいものです。

また、季節感を選ばない表現としては、「心地いい」や「快適」、あるいは日和という表現を用いて「行楽日和」などの言い換えもできます。とはいえ、普段から容易に使いやすい表現ですので、ここぞという時にこそ「小春日和」や「うららか」「のどか」などの表現を上手に使い分けたいもの。このほか「小春日和」に代わる快適な一日を表す言葉として、オリジナルな表現を文章に取り入れてみてもいいかもしれません。

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