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「指針」の意味と使い方・例文・「方針」「指標」「目標」との違いは?現役記者がサクッと解説!

「指針」(読み方:「ししん」)という言葉は、「指針を得る」「指針を与える」といった形でよく用いられています。

しかしながら、この言葉が具体的にはどのようなことを表すのか、また近い意味のある「方針」「指標」「目標」という語とはどのような違いがあるのか、中には疑問を抱くことがあるかもしれません。

そこで、ここでは「指針」の意味と使い方、また「方針」「指標」「目標」との違いについて、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が解説していきます。

「指針」の意味と使い方・例文

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それでは、始めに「指針」の意味と使い方を説明していきます。

「指針」の意味は?

まず、「指針」には以下のような複数の意味があります。

1. 磁石盤・計器類などの、目盛りを指し示す針。

2. 進むべき方向をしめすもの。基本的な方針。手引き。

出典:明鏡国語辞典(発行所 株式会社大修館書店)「指針」

つまり、「コンパスや計器類などの目盛りを示す針」「物事の進むべきところを示すものや手引、基本的な方針」を表す語となっています。

また、「指針」は、「指し示す」ことを意味する「指」と「方向、進路」を意味する「針」から構成され、その意味が「進路を指し示すもの」となり、「針」が「指」の目的語になっている熟語です。

「指針」の使い方は?

次に、「指針」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「その本は行動や考え方の指針を示す良書として若い世代におすすめだ」

「歴史を学びよく知るようになったことで、過去の偉人たちの生き方から人生の指針を得ることができた」

「サービス提供に伴う個人情報の取扱についての指針を策定する」

「専門書という位置付けではないが、この本は幼い子どもをもつ母親たちから子育ての指針として読まれることも多い」

「僕は中学校の先生から人生の指針となる言葉をもらった」

「彼が建てた住居は、後年の建築設計者に重要な指針を与えることとなった」

「総合計画は、地方自治体が策定する自治体の全ての計画の基本であり、行政運営の総合的な指針となる計画である」

「企業理念を実現するための具体的な行動指針を策定する」

「航空機の建造には、レイノルズ数やマッハ数に応じた空気力学理論に基づく工学的設計指針が必要となる」

「科学的方法に関する指針については、さまざまな時代の、様々な者が発言を行っているが未だ決着はついていない」

このように、「指針」は、「指針を~する」「指針とする」「指針となる」「~な指針」といった形や、「行動指針」「設計指針」のように前に補語を置く「~指針」といった形で用いられます。

「指針」の類似語は?

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それでは、次は似た意味のある「方針」「指標」「目標」について見ていきましょう。

まず、これらの語には以下の意味があります。

「方針」:物事を行う上での原則。目指す方向。

「指標」:物事を判断したり評価したりするために頼りとなるもの。

「目標」:物事を成し遂げるための目印となるもの。ある地点に行き着くように目印とするもの。

「方針」の使い方は?「指針」の違いは?

それでは、次に「方針」の使い方、また「指針」との違いについて見ていきましょう。

この語は、たとえば以下のように用いることができます。

「一見放任主義のようだが、子どもの考えや自主性を尊重する方針を摂ってるため、最低限のこと以外は口出ししないようにしている」

「国会での言い争い程度では、政府の基本方針に大きな変化は期待できない」

「父と母は、いつも僕の教育方針をめぐって喧嘩している」

「私がライターとして連載している雑誌は、去年の時点ですでに休刊の方針が決定したらしい」

つまり、「方針」は「ある物事を行う時の基本的な考え方や方向性」、「指針」は「物事の進むべき方向やそれについての基本的な考え方を示すもの」を表すというニュアンスの違いがあります

「指標」の使い方は?「指針」の違いは?

それでは、次に「指標」の使い方、また「指針」との違いについて見ていきましょう。

この語は、たとえば以下のように用いることができます。

「事件の関係者は身内ばかりで、調査しようにも誰を信じていいのか誰を信ずるべきなのかの指標がまるでなかった」

「火山の噴火の時期を推定する上で重要な指標は山の形である」

「開花の早まりや遅れは、季節学的な自然環境の変化を端的に表す指標にもなっている」

「私は職業柄、経済指標や政治の動向に細心の注意を払っている」

このように、「指標」も「指針」も「何かを示すもの」という点では同じ意味ですが、前者は「物事を判断する目印」、後者は「物事が進行する方向」を示すものという違いがあります。

「目標」の使い方は?「指針」の違いは?

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それでは、次に「目標」の使い方、また「指針」との違いについて見ていきましょう。

この語は、たとえば以下のように用いることができます。

「幸福な生活は、国民一人一人が目指すべき手近な目標だ」

「ミサイルはすでに発射され、目標へ向かって飛んでいっているところだった」

「東京大学に入学することを目標に高校3年間頑張ってきたが、現役合格は望めそうになかった」

「僕は成人になるまで、自分の人生目標をどのように設定していいのかわからなかった」

このように、「目標」が「物事の行くべき先そのもの」「物事が行き着く先そのもの」を表す一方、「指針」は「目標にたどり着くための手引きや方針」を表すというニュアンスの違いがあります

「指針」「方針」は「進む先やその時の原則」、「指標」は「判断基準」、「目標」は「行き着く先の目印」となるものを表す

以上、「指針」の意味と使い方、「方針」「指標」「目標」との違いについてまとめました。

この言葉は「進むべき方向を示すもの」をいい、手引のようにある物事の方向性を人に示すものについていう場合に「~の指針を示す」「~の指針をまとめる」などの形で用いることができます。

また、「方針」「指標」「目標」にも似た意味がありますが、「方針」は「物事を行う時に目指す方向や、そのときの原則」、「指標」は「判断基準を示すもの」。そして、「目標」は「何かを成し遂げるための目印となるもの」を表します。

これらの語はそれぞれ、物事を行うにあたってどんなところに向かうのか、物事をどのような考えで行うか、物事をどのような判断基準で行うか、といったことを述べる場合に使うことができるため、場面に応じて適した形で使い分けることができるでしょう。

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KHajime