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「ぞっこん」の意味と使い方・例文・類義語は?現役ライターがサクッと解説

「ぞっこん」という言葉は、「彼女にぞっこんになる」「彼女は彼にぞっこんだ」などの形でよく用いられています。

特定の異性に熱烈に恋をしている状態を表現する言葉ですが、具体的にはどのようなことを表すのか、同じような表現ができる言葉にはどのようなものがあるのか、疑問を抱くことがあるかもしれません。

そこで、ここでは「ぞっこん」の意味と使い方、また類義語などについて、翻訳経験のある現役ライターの筆者が説明していきます。

「ぞっこん」の意味と使い方・例文・類義語

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それでは、「ぞっこん」の意味と使い方、また類義語などについて説明していきましょう。

「ぞっこん」の意味は?

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まず、「ぞっこん」には以下のような意味があります。

心の底。しんそこ。
全く。すっかり。しんから。

出典:広辞苑 第6版(発行所 株式会社岩波書店)「ぞっこん」

「ぞっこん」とは、主に「ぞっこん惚れ込む」といった言い方で「心底から惚れている様子」を表す言葉です。また、「~にぞっこんだ」のように形容動詞としての形でも用いられています。

江戸時代から使われていた言葉ではありますが、当時は清音で「そっこん」と言われていました。語源は「底根(そここん)」ではないかと考えられていますが、定かではありません。

「ぞっこん」の使い方・例文

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次に、「ぞっこん」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「彼はその見た目の良さで女性たちから人気があるが、彼女にぞっこん惚れ込んでいるため、どんな美人から言い寄られても見向きもしなかった」

「彼は彼女にぞっこんだから、たとえ忙しくても時間をつくって会いに来るだろう」

「普段女性に対してクールな彼も彼女にはぞっこんで、しょっちゅう周囲にのろけているほどだ」

「二人は結婚して10年になるが、彼は未だに妻にぞっこんで、二人のやり取りしている場面は見ていて微笑ましいものがある」

「ぞっこん」の類義語

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次に、「ぞっこん」の類似表現について見ていきましょう。

この言葉と似た意味を持つ言葉には、次のようなものがあります。

「のぼせ上がる」

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まず、「のぼせ上がる」には以下の意味があります。

ひどくのぼせる。

出典:明鏡国語辞典(発行所 株式会社大修館書店)「逆上せ上がる」

「のぼせ上がる」は「極端に何かに夢中になる」ことをいい、以下のように用います。

「彼は彼女の美貌にのぼせ上がっていて、仕事もそっちのけにしかねない勢いだ」

「彼女は年甲斐もなく若い男にのぼせ上がり、冷静さを欠いて周囲が見えなくなっているようだった」

「首っ丈」

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次に、「首っ丈(くびったけ)」には以下の意味があります。

ある異性にほれこんで夢中になること。

出典:明鏡国語辞典(発行所 株式会社大修館書店)「首っ丈」

「首っ丈」は「異性にすっかり心を引かれて夢中になること」をいい、以下のように用いることができます。

「彼は彼女に首っ丈で、彼女が働いている店に足繁く通っているらしい」

「彼に首っ丈の彼女は、彼の話を目を輝かせながら聞いていた」

「ほの字」

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「ほの字」には、次のような意味があります。

《「ほれる」の語頭字「ほ」から》惚(ほ)れること。

出典:小学館「ほの字」

「ほの字」は、「惚れる(ほれる)」の語頭字「ほ」を取って「惚れている」ことを遠回しに表現する言い方です。

江戸時代からある言葉ですが、最近ではほとんど使われなくなりました。

「彼はあの子にほの字らしいよ」

という使い方をします。

「メロメロ」

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「メロメロ」は、次のような意味を持つ言葉です。

しまりがなくなるさま。自制力・抵抗力などを失うさま。

出典:小学館「めろめろ」②

「メロメロ」は、「愛情に酔って態度などにしまりがなく、理性を失った状態」を表す言葉です。

語源は古く、鎌倉時代から使われていましたが、現代よりも多様な意味を持つ言葉でした。

「メロメロ」は特に異性に対する愛情について表現されますが、その他にも孫やペットなどについても使われます。

「普段は頑固で偏屈な父も、孫の前ではメロメロになる」

のように用いられる表現です。

「虜になる」

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「虜(とりこ)になる」には、次のような意味があります。

あることに熱中する。心を奪われる。

出典:精選版 日本国語大辞典「虜になる」②

「虜になる」の「虜」とは、もともとは「生け捕りにした人」のことを意味していましたが、今では「心を奪われること」の意味で使われることがほとんどです。「虜になる」で「心を奪われる」すなわち「惚れている」ことを表します。

「彼は出会ってすぐに彼女の虜になってしまった」

というように使う表現です。

「骨抜きにされる」

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「骨抜き(ほねぬき)にされる」の「骨抜き」が持つ意味は、次の通りです。

 

気骨や節操などをなくさせること。

出典:小学館「骨抜き」③

「骨抜き」のもとの意味は「調理などで魚などの骨を取り除くこと」ですが、そこから転じて「骨抜きにされる」で「気骨や節操をなくさせる」という意味も持つようになりました。恋をして相手に夢中になってしまう状態のことを表します。

「骨抜きにされる」を使った例文は、次の通りです。

「彼女が微笑みかけた瞬間、彼は骨抜きにされてしまった」

「溺れる」

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「溺れる(おぼれる)」とは、次の意味を持つ言葉です。

理性を失うほど夢中になる。心を奪われる。ふける。

出典:小学館「溺れる」②

「溺れる」は「泳げないために水中で死にそうになる」という意味の他に、「夢中になって心を奪われる」という意味を持っています。

異性に夢中になって、離れられないような状況ですね。

「好きになってはいけないと思っていながらも、彼に溺れてしまっている」

のように使います。

「ぞっこん」の英語表現

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「ぞっこん」を英語で表現するとしたら、どのようになるのでしょうか。

” crazy ” (狂った) , ” mad ” (怒った、狂った) , ” head over heels ” (真っ逆さまに)などを使うと良いでしょう。

“I’m crazy about you.”

“I’m crazy for you.”

” I’m mad about her.”

“He is head over heels in love with her.”

のような使い方をします。

「ぞっこん」でどれだけ好きなのかがわかる

以上、「ぞっこん」の意味と使い方、類義語についてまとめました。

この言葉には「心の底から」といった意味があり、「ぞっこん惚れ込む」「~にぞっこんだ」といった形で、主に異性に心底から惚れている様子を表す場合に用いられています。

また似たような意味の言葉としては、「のぼせ上がる」「首っ丈」といったものがあり、これらは異性に夢中になるという意味で用いることができますが、前者は「甚だしい程度に(激しく)異性に夢中になる」「ある異性に完全に心を引かれる」といったニュアンスを含むのが異なる点です。

ただ異性が「好きだ」というよりも「夢中になる」「心の奥底から本当に惚れている」という状態についていう場合に、これらの言葉を適度に使い分けて表現することで、どれだけ相手のことが好きなのかがわかります。

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konomianko