用語

「風物詩」の意味と使い方・例文・4つの言い換え表現情報誌で10年超の現役ライターがサクッと解説!

私たちはメールやSNSなど普段の生活の中で、言葉に敏感にならざるを得ない機会が増えてきました。機械端末などに文字がデータとして残りやすいからです。正しく言葉の意味を理解し、使っていきたいものです。
この記事では、「風物詩」について、生活情報誌など情報誌系のライターを10年経験した筆者がいくつかの例文や類語を交えて紹介します。正しい意味合いを理解していれば、ひとつ上行くオトナな表現も可能ですよ。

「風物詩」の意味と使い方・例文・言い換え表現

image by iStockphoto

日頃何気なく耳にする「風物詩」(読み方:「ふうぶつし」)。この「風物詩」という言葉は、「夏の風物詩」「冬の風物詩」などの形でよく用いられていますね。

ある季節の特徴となっている物事についていう場合に使われる語ですが、具体的にはどのようなことを表すのか、また別の表現で言い換えるにはどのような言葉を使うことができるのか、「風物詩」の意味と使い方、言い換え表現について説明します。

「風物」また「風物詩」とは?

そもそも「風物」とは、具体的に何を指すのか確認してみましょう。

1.目にはいるながめ。風景、またそれを形作っている個々の景物。

2.ある土地や季節の特徴を表している事物。

出典:大辞林 初版(発行所 株式会社三省堂)「風物」

私たちが普段の生活で何気なく目にする光景の中にも、風物と言えるものが多くあります。例えば、道路脇に並ぶ街路樹一つとってみても、若葉、木陰、色付き、落葉と季節それぞれに違った表情を見せてくれるのは、まさに風物と言えるでしょう。

さらに、「風物詩」には以下のような意味があります。

1.風景または季節をうたった詩。

2.季節の感じをよく表している物事。

出典:広辞苑 第6版(発行所 株式会社岩波書店)「風物詩」

上記のように二つの意味がありますが、今では一般的に2の「その季節の趣をよく表している物事」について表す語として用いられる事が多いようです。

次に、「風物詩」の使い方を例文を使って見てみましょう。

「風物詩」の使い方、具体例

たとえば以下のように用いることができます。

「その店ではこの時期になると、期間限定で春の風物詩である桜を模したスイーツを販売している」

「河川敷で行われる花火大会は、夏の風物詩として人々に親しまれている」 

「秋の風物詩マツタケが店頭に並んだ」

「夜の街を華やかに彩り、道行く人の心を温めるイルミネーションは、冬の風物詩の一つだ」

春のお花見、夏の花火大会、秋のお祭り、冬のイルミネーションなど、四季それぞれの味覚やイベント、また、地域特有の祭りや行事などイメージしたり、思い描けるものがあると思います。

風物詩はあくまでも多くの人の共感を呼び、共有できるものであることが大前提。ですので、個人が独りで思い描くものではなく、誰もが知る、どちらかと言えば伝統ある祭りや歴史あるものなど、広く共通認識を得られている物や事象のことを指します。

しかし、例え地域限定のマイナーな行事やイベントであっても、その地域の人々の共感を得られ、気持ちを共有できていれば、それはそれで「風物詩」と言えますね。

「風物詩」の言い換え表現

次に、「風物詩」の言い換え表現について見ていきましょう。

「風物詩」という言葉を使わずに他の言葉で同じような意味の表現をしたい場合には、以下にあげる言葉を使って言い換えることができます。

1.「~を代表する」・「~を象徴する」

「~を代表する」もしくは「~を象徴する」といった語を使い、下記のような形でその季節をよく表しているものを表すことができます 。

「数十万個の電球が美しい光を放ち、夜の街を幻想的に彩るイルミネーションイベントは、冬を代表するイベントだ」

「日本人に馴染み深く広く親しまれている桜は、日本を象徴する花だ」

余談ですが、日本の伝統衣装・着物は季節感を大切にする装いで知られています。特に素材や色合い、文様など、季節のズレたモチーフを着ようものなら、少々恥ずかしい思いをしがち。ただ、桜をモチーフにした着物や帯だけは、春のみならず一年中、いつでも着ることができるのだそうですよ。というのも、上記の例文にもあるように、桜は日本を象徴する花であるため、季節に関係なく、日本を象徴するモチーフとして着ることができるのだとか。春以外に桜の着物をお召しの方を見かけても、「季節はずれ」だなんて思わずにいてくださいね。

 

さて、本題に戻しましょう。次のような言い換えも可能です。

2.「代名詞」

以下のような形で「代名詞」という言葉を使用して、ある物事をその季節を代表的に表すものとして表現することができます。

「街を淡紅色に染める桜は、春の代名詞ともいえる花だ」

「太陽の下で明るく咲き誇るひまわりは、世代を問わず愛される夏の代名詞的な存在だ」

「代名詞」は学生時代、英語など文法の授業で頻繁に耳にしたという人も多いはず。イメージしやすく、使いやすい表現と言えそうです。

さらに簡単な表現はコチラ。

3.「~といえば」

ある季節に関係する物事について表す場合には、「~といえば」という語を使って以下のような言い方をすることができます。

「春に咲く花は数多くあるが、春といえばやはり桜だろう」

「夏といえばビアガーデン!開放的なテラスで飲むビールはまさに格別だ」

季節の表現のみにとどまらず、「日本の映画界を代表する監督といえば~」「外国人観光客がよく訪れる日本の観光地といえば~」など、多岐にわたって使えるとても便利な言い回しです。

4.「連想する」・「思い浮かぶ」

「連想する」「思い浮かぶ」といった語を使うと、以下のように、その季節の名前を聞くとある物事を思い出すといったニュアンスの言い方をすることができます。

「冬と聞いてクリスマスや雪まつりやイルミネーションなどのイベントを連想する人は少なくないだろう」

「春という言葉を聞くと、まず桜の花が思い浮かぶ」

季節以外にも、たとえばある場所をよく表す物事について言いたい場合などに「香川県と聞くとうどんを連想する」といったように使うことができるため、場面ごとに適切な形で使い分けていくと良いでしょう。

この言葉は「季節をよく表している物事」をいい、ある季節には欠かせない物事やその季節を物語るような物事についていう場合に、「~は夏の風物詩だ」などのように用いられています。

「風物詩」以外の言い方でその季節を表す物事について表現したい場合には「~を代表する」「~を象徴する」といった言葉を使う、もしくは「~を思い浮かべる」「~を連想する」といった語を使ってその季節と直接結びついてイメージするような物事について表現するなど、さまざまな言い方が可能です。

「風物詩」の表現についてまとめ

以上、「風物詩」の意味と使い方、言い換え表現についてまとめました。

四季の移ろいが明確な日本では、古来から季節の表現を大切にしてきました。この「風物詩」という言葉も季節の移ろいを敏感に感じ取れる、日本語特有の表現の一つではないでしょうか。

地域に根ざした祭りや風物もそのような季節の移ろいと共に育まれ、その土地の特徴へと発展してきたものが多くあります。

地球の温暖化、気候変動の影響からか、四季の移ろいが微妙に変わりつつある昨今、失われゆく風物詩もありそうです。また、気候変動のみにとどまらず、昨今のコミュニケーションの取り方の変化で人々の共通認識も変わってゆくのかもしれません。

あなたが大切にしたい“風物詩”は何でしょう。

Share:
pipipron