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「取り立てて」の意味と使い方・例文・類義語は?現役ライターがサクッと解説!

「取り立てて」という言葉は、「取り立てて言うことほどのことはない」などの形でよく使われています。

特別にあえて何かを言うほどでもない、つまり特に重要でも珍しくもない物事についていう時によく使う言葉ですが、具体的にどのような使い方をするのか、また他に近い意味のある語にはどのようなものがあるのか、中には疑問を抱くこともあるかもしれません。

「取り立てて」の正しい意味と具体的な例文について、大手企業での勤務後ライターとして数々の記事を編集・構成・執筆を手がけている筆者が説明していきます。「取り立てて」とよく似た意味を持つ類義語についても見ていきましょう。

日常生活で「取り立てて」とその類義語を上手く使い分けられるように、各言葉のポイントなどもチェックしてみて下さいね。

「取り立てて」の意味と使い方・例文・類義語

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通常、文章内や会話では「取り立てて」という言葉は副詞として使用されることが多いです。仕事やその他の日常生活な中で使われる「取り立てて」ですが、一般的な認識としては「特別に」「特に」といった意味で使われることが多い言葉でしょう。あらゆるシチュエーションにおいて「取り立てて」を正しく使用するためにも、その意味と使い方、類義語について説明します。

「取り立てて」の意味とは

特定のトピックで会話をする時に役立てることができる「取り立てて」という言葉ですが、似た意味を持つ類義語も数多く存在します。これら類義語なども確認した上で、「取り立てて」を正しく使用できるように意味を確認していきましょう。特別何かの事柄を取り上げて会話をする時に使える「取り立てて」という言葉には、以下のような意味があります。

多くのものの中から特に取り上げる。

出典:明鏡国語辞典(発行所 株式会社大修館書店)「取り立てる」

 

つまり、「たくさんの物の中からある事柄を特別に注目するものとして選びとる」ことを表す語となっています。

「取り立てて」の使い方と例文

前述の意味からも、「取り立てて」という言葉は日常生活では特定の物事に「そこまで気にするような必要ない」というような言い回しをする時に使うことができます。また、「取り立てて」は「取り立てる」のように動詞として使うことができるので、何かを特別取り上げ会話する時に使用しましょう。では、実際に「取り立てて」を会話などで使用するときにはどのような形になるのでしょうか。「取り立てて」の使い方と例文をご紹介します。

「食品添加物の危険性を危惧する声は多いが、取り立てて言うほどの問題はないと認識している」

「その製品を半年ほど使っているが、廉価品とはいえ取り立てて言うような問題点はなかった」

「日本では終身雇用の考え方から少し前まで転職は一般的ではなかったが、今では取り立てて話題にするような珍しいものではなくなった」

「テレビは次第に低価格・大型化し、今では50インチや60インチの大型サイズを設置する人も取り立てて珍しくない」

「取り立てて」の使い方のポイントとして、特別なこととしてあえて何かを問題にするようなものがない、注目するような点がないことをいう場合に「取り立てて言うほどの~はない」「取り立てて~ない」といった形で使うことができます。

「取り立てて」の類義語

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使い勝手の良い「取り立てて」という言葉ですが、「取り立てて」の違う表現や言い回しのバリエーションとして使用することができる類義語についても見ていきましょう。それぞれ使い方は違ってきますが、「取り立てて」と似た意味を持つ言葉です。使い勝手のいい「取り立てて」の類義語には、以下のような言葉があります。

「取り立てて」の類義語その1 「特筆」(とくひつ)

「特筆」(とくひつ)という言葉も、仕事や生活の中でよく使用される言葉ですね。「特筆すべき点」という言葉があるように、どちらかと言えばポジティブな意味で使われる印象がありますね。「特筆」は「取り立てて」と似たような意味を持っており、名詞として、また複合名詞としてその役割を果たします。元々の意味としては「取り立てる」とは意味が違ってきますが、実際の使い方としてはよく似た使い方になるでしょう。「特筆」の意味と例文をご紹介します。

そのことについて特に書き記すこと。

出典:明鏡国語辞典(発行所 株式会社大修館書店)「特筆」

つまり、「ある事柄を特に注目すべきこととして書き留めること」をいい、以下のように使うことができます。

特筆すべきは、その製品には添加物や白砂糖が一切使われていないということだ」

「名誉ある賞を受賞し表彰を受けた今日は特筆大書すべき日となった」

「彼は、歴史上特筆されるほどの大役を担った科学者である」

「外資系企業が行うマネージメントは特筆に値するだろう」

 

ちなみに「特筆大書」とは、ある事柄を特に目立つように書き記すことをいいます。

「取り立てて」の類義語その2 「取り分け」(とりわけ)

名詞使いをすることで「取り立てて」と似たような意味を持つ「取り分け」ですが、動詞としてよく使われれる「取り分け」は、「食べ物を皿に取り分ける」のように意味が違ってくるので使用の際は注意しましょう。「とりわけ」のように、ひらがな表記でもよく見かける「取り分け」を上手く使い分けられるように、その意味と使い方、日常生活で使用するのに役立つ例文についてご紹介します。

特に。ことに。とりわけて。

出典:明鏡国語辞典(発行所 株式会社大修館書店)「取り分け」

つまり、「同じような種類の多くの物の中で、ある物がはっきりと目立つ様子」をいい、以下のように用いることができます。

 

「過去最低気温を記録したというその日は取り分け寒い一日となった」

「留学中、ステイ先のホストファミリーには取り分けお世話になった」

「英語と同じく、中国語も取り分け世界で話される言語のひとつである」

「ある国では、取り分け低所得者に対する保護が手厚い」

「取り立てて」の類義語その3 「敢えて」(あえて)

「取り立てて」の類義語に当たる「敢えて」(あえて)についてもチェックしておきましょう。日常会話では、「敢えて」は「取り立てて」よりも使用頻度が多い言葉ではないでしょうか。「進んで」「積極的に」といった使い方がされる「敢えて」という言葉は、「取り立てて」と似たような意味を持ちますが、言葉の組み合わせや言い回しはまた違ったものになります。「取り立てて」と似た意味を持つできる「敢えて」を正しく使うためにも、その意味と例文についても見ていきましょう。

主に不必要の意を表す表現を伴って、とりたてて〜する必要や価値がない。別に。特別に。ことさらに。

出典:明鏡国語辞典(発行所 株式会社大修館書店)「敢えて」

 

つまり、「ある事柄を取り上げて、特に必要がある、もしくはないということを言い表す言葉」をいい、以下のように使うことができます。

「これまで使い古されてきた上司のものまねを、後輩が敢えて行う」

「今回の選挙には敢えて自分から立候補することにしよう」

「責任があるからと言って、長時間の無理な仕事を敢えて請け負う必要はないでしょう」

「一人暮らしの部屋のサイズには合わないかも知れないが、ゲームのために敢えて大きなテレビを購入する」

「取り立てて」とその類義語を上手く活用しよう

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以上、「取り立てて」の意味と使い方、類義語についてまとめました。

この言葉は「多くの物の中からある事を特別に取り上げる」ことをいい、ある物事について特に問題にするようなことが見当たらないことをいう場合に「取り立てて言うほどのことはない」などの形で使われています。

また、近い意味の語には「特筆」「取り分け」といったものがあり、「特筆」は「ある事を特に目立つように書き記すこと」をいい、あることを特に目立つ事柄として書き留めることについていう場合に使えますね。

そして、「取り分け」は「同じような多くの物の中である事柄が目立つ様子」をいい、「今年の冬はとりわけ寒い」(例年と比べて今年の冬の寒さは際立っている)といった使い方をすることが可能です。

これらの語は、いずれもある物事において特に目立っていること、注目するべきことについていう場合に使うことができますが、それぞれ違った使い方をするので、適度な場面で使い分けてみてはいかがでしょうか。

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