用語

「造作もない」の意味と使い方・例文・類義語は?日本文学専攻の現役ライターがサクッと解説!

「造作もない」という言葉は、ある事柄を簡単に行うことについていう場合によく使われています。
あまり日常会話で使うことはないかもしれませんが、映画やドラマ、小説のセリフなどで見かける言葉ですので、全く馴染みがないという人はいないのではないでしょうか。
とはいえ、具体的にどのような使い方をするのか、また他に近い意味の語にはどのようなものがあるのか、中には疑問が浮かぶこともあるかもしれません。
そこで、ここでは日本語を勉強することが好きな筆者が、「造作もない」の意味と使い方、そして類義語にあたる言葉について説明していきます。

「造作もない」の意味と使い方・例文・類義語

image by iStockphoto

それでは、以下に「造作もない」の意味と使い方、また類義語との違いを説明します。

「造作もない」の意味は?

そもそも、「造作もない」とは一体、どのような意味を持つ言葉なのでしょうか。

「造作もない」と続けて用いることが多いですが、本来は「造作+〜ない」という二語で構成されている言葉です。

「〜ない」は「打ち消し表現」となりますので、「造作もない」はつまり、「造作」という言葉を否定しているというわけですね。

そうなると、まずは「造作」という言葉の意味を理解することが大切です。

そこで、この項目では「造作」の意味を改めて確認することで、「造作もない」という言葉がどのような意味を持つのか分析していきたいと思います。

辞書で「造作」という言葉を引いたところ、以下のように記されていました。

手間や費用のかかること。めんどう。

出典:明鏡国語辞典(発行所 株式会社大修館書店)「造作」

つまり、「造作」とは手間が掛かること、面倒なことをいい、「造作もない」という言い方をする場「手間がかからない、面倒ではないこと」や「簡単なこと」を表す表現となります。

使用する場面を実際に思い浮かべてみましょう。

例えば、映画でヒーローが敵に囲まれているとします。絶体絶命の状況ですが、ヒーローは不敵に笑い、「この程度の数の敵を倒すなど、造作もないことだ!」と言って、敵をなぎ倒していく…。

そんなシーンを観たことがあるという人もいるのではないでしょうか。

つまり、この場合だとヒーローにとって「この程度の数の敵を倒すなど簡単なことである」というわけです。ヒーローの強さを強調したいがゆえに「造作もない」という言葉を用いていることがわかりますね。

このように、「どのように使われていることが多いか」を考えると、言葉の意味を掴みやすくなります。

「造作もない」の使い方や例文は?

では、次は「造作もない」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

具体例を知ることで、より言葉を正しく使えるようになりますので、是非具体例を覚えておきたいところです。

「造作もない」は、たとえば以下のように用いることができます。

・「どうぞお気になさらずに、この程度の作業は何の造作もないことです」

・「彼はそのシステムの複雑な初期設定を造作もない様子でやってのけた」

・「未経験からその仕事を始めて最初は何をするにも仕手間取っていた彼も、最近では業務を造作もなくこなしている」

 ・「彼は難解な数学の入試問題を造作もなく解き進めた」

「造作もない」の類義語は?

「造作もない」の意味や使い方がわかったところで、「他の似た言葉に置き換えることはできないのかな?」と疑問に思った人もいるのではないでしょうか。

そこで、この項目では「造作もない」に類義語はあるのかを確認していきましょう。

「造作もない」の類義語としては、「やすやすと」や「容易い」が挙げられます。

これらの言葉は、一体どのような意味を持っているのでしょうか。

順を追って解説していきます。

#1 「やすやすと」の意味や例文は?

まず、「造作もない」の類義語の一つである「やすやすと」を見ていきましょう。

こちらの言葉は、「造作もない」に比べて日常会話でも使うことがある言葉だと思いますので、より耳馴染みがあるのではないでしょうか。

しかし、「やすやすと」の意味を意識したことがあるという人は多くないと思います。

ここでは改めて、「やすやすと」の意味を確認していきましょう。

「やすやすと」には、以下のような意味があります。

至ってたやすいさま。きわめて容易なさま。らくらく。

出典:広辞苑 第6版(発行所 株式会社岩波書店)「易易」

つまり、「やすやすと」「あることを非常に簡単に行うことができる様子」であると定義されているというわけです。

ちなみに、「やすやすと」は漢字にすると「易々と」、つまり「易しい(やさしい)」という意味を持つ漢字になります。

このように、漢字にするとより意味がわかりやすくなる言葉もありますので、ひらがなで表されている言葉については、「これは漢字変換するとどうなるのかな?」と考えてみて、実際にパソコンやスマートフォンで漢字変換をしてみてください。

思わぬ発見があるかもしれませんし、ゲーム感覚で正しく言葉のニュアンスを掴むことができるようになりますよ。

さて、そんな「やすやすと」は、以下のように用いることができます。

 「強豪といわれているそのチームは地区大会の初戦で相手チームにやすやすと勝利した」

 「長期的なスパンで計画を立ててコツコツと勉強をし続けた彼は、やすやすと試験に合格した」

#2 「容易い(たやすい)」の意味や例文は?

次に、「造作もない」のもう一つの類義語である「容易い」について見ていきましょう。

「容易い」もよくメディア作品に出てくる言葉ですし、日常会話の中にも度々登場する言葉です。

もしかしたら、「造作もない」より使用頻度が高い言葉かもしれませんね。

しかしこちらもまた、深く意味を考えたことがあるという人は多くないと思います。

そこで、この項では「容易い」という言葉の意味を改めて確認していきましょう。

「容易い」には、以下のような意味があります。

苦心を必要としない。わけなくできる。むずかしくはない。

出典:広辞苑 第6版(発行所 株式会社岩波書店)「容易い」

つまり、「手間や苦労がなく、簡単に行うことができること」をいい、以下のように使うことができます。

先ほどの「やすやすと」と同様、「易しい」という漢字が含まれていることから見ても、「簡単に行うことができる」という意味合いを持つことが見てとれますね。

さて、この「容易い」は、以下のように用いることができます。

・急な依頼にも、彼は二つ返事で引き受けて容易くやってのけた」

・「慣れた人がやっているのを見るといとも容易いように見えたが、いざ自分がやってみるとけっこう難しかった」

「造作もない」「やすやすと」「容易い」は程度によって使い分けましょう!

以上、「造作もない」の意味と使い方、類義語についてまとめました。

この「造作もない」という言葉は「手間が掛らないこと」「簡単なこと」をいい、ある人が何かを面倒なところがなく簡単にやり遂げる様子についていう場合に「~は造作もない」「造作もなく~する」といった形で用いられています。

また近い意味の語には「やすやすと」「容易に」といったものがあり、これらは「非常に簡単に何かを行うことができる様子」「苦労することなく簡単に行えること」に用いられることが多いです。

これらの言葉は何かを簡単に行うことについていう場合に用いることができるのですが、それぞれ「面倒ではない(造作もない)」「非常に簡単(やすやすと)」「難しくはない(容易に)」と「程度」のニュアンスが異なります

対象の物事がどれくらいの難易度なのかを考えて、適度に使い分けると良いでしょう。

Share:
shr0805