用語

「行き当たりばったり」の意味と使い方・例文・類義語は?現役ライターがサクッと解説

「行き当たりばったり」という言葉は、「行き当たりばったりの旅」「行き当たりばったりに~する」などの形でよく用いられています。

成り行き任せのようなあまり良くない意味で使われていることの多い言葉ですが、具体的にどのようなことを表すのか、また他に似た意味を持つ言葉にはどのようなものがあるのか、疑問を抱くことがあるかもしれません。

そこでここでは、「行き当たりばったり」の意味と使い方、類義語・言い換え表現について、翻訳経験のある現役ライターの筆者が説明していきます。

「行き当たりばったり」の意味と使い方・例文・類義語

image by iStockphoto

それでは、「行き当たりばったり」の意味と使い方、また類義語・言い換え表現について説明していきましょう。

「行き当たりばったり」の意味は?

image by iStockphoto

まず、「行き当たりばったり」には以下のような意味があります。

計画を立てずに、なりゆきに任せて行うこと。ゆきあたりばったり。

出典:明鏡国語辞典(発行所 株式会社大修館書店)「行き当たりばったり」

つまり、「あらかじめ手順などを考えておくこなくその時の成り行きに任せて物事を行うこと」を表す語となっています。

「行き当たりばったり」の使い方・例文

image by iStockphoto

次に、「行き当たりばったり」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「旅好きな彼は、時間ができると気の赴くままに行き当たりばったりの旅行を楽しんでいた」

「しっかりとした経営戦略を立てず行き当たりばったりなやり方をしている割に、彼の店は繁盛しているようだった」

「行き当たりばったりのやり方とはいえ、毎月安定した営業成績を維持していた彼は上司からの評価も悪くはなかった」

「友人の結婚式で突然の指名でスピーチをすることになり、行き当たりばったりながらも何とかやり通した」

類義語・言い換え表現

image by iStockphoto

次に、「行き当たりばったり」の類義語について見ていきましょう。

この言葉と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものが挙げられます。

「場当たり」

image by iStockphoto

「場当たり(ばあたり)」には、次のような意味があります。

準備も計画もなく、その場の思いつきで事を行うこと。

出典:明鏡国語辞典(発行所 株式会社大修館書店)「場当たり」②

つまり、「準備や計画なしに、その時浮かんだ考えで物事を行うこと」をいい、以下のように使うことができます。

「これといった育児方針もない場当たり的な子育ては子供の人格形成に影響を及ぼしかねない」

「経費削減のことだけを考えた場当たり的なリストラによって知識や技術力のある熟練社員の多くが会社を去ってしまい、会社は深刻なスキル不足に悩む羽目になった」

「出たとこ勝負」

image by iStockphoto

次に、「出たとこ勝負(でたとこしょうぶ)」には以下の意味があります。

何の準備もなく、その場のなりゆきにまかせて事を決すること。

出典:明鏡国語辞典(発行所 株式会社大修館書店)「出たとこ勝負」

つまり、「事前に何の用意もなしに、その時の成り行き次第で物事に当たること」をいい、以下のように使うことができます。

「多忙の彼は、調査も準備もろくにできていないままに、半ば出たとこ勝負でプレゼンに臨んだ」

「彼は普段営業活動の前にはしっかりと準備をするが、出たとこ勝負にも強く臨機応変な対応ができる優秀な営業マンだ」

「その場しのぎ」

image by iStockphoto

「その場しのぎ」には、次のような意味があります。

あとのことは考えずに、その場だけをとりつくろうこと。また、そうした態度・口実。一時しのぎ。そのばのがれ。

出典:小学館「其の場凌ぎ」

「しのぐ」とは「なんとか切り抜ける」という意味で、「その場しのぎ」で「なんとかその場を取り繕うこと」を表す言葉です。

同じ意味を持つ表現として「その場逃れ」「当座しのぎ」「一時しのぎ」などがあります。

「その場しのぎ」を使った例文は、次の通りです。

「サングラスを忘れたから、これを買おう。安物だからその場しのぎに過ぎないけど、何もないよりましだろう」

「君は仕事の仕方がその場しのぎなんだよね。そんなんじゃ昇進は難しいよ」

「臨機応変」

image by iStockphoto

「臨機応変(りんきおうへん)」には、次のような意味があります。

その時その場に応じて、適切な手段をとること。また、そのさま。

出典:小学館「臨機応変」

「臨機応変」とは、「その場の状況に応じた行動をとること」をいいます。「行き当たりばったり」と違って良い意味で使われていますね。

語源は、中国の歴史書『南史』にある「吾自ら機に臨みて変を制す。多言する勿れ」という言葉です。現代語に訳すると、「私は状況に応じて自分でうまく抑えられるから、余計なことは言うな」になります。

「臨機応変」を使った例文は、次の通りです。

「この仕事にはマニュアルなどない。お客様には臨機応変に対応するしかない」

「当日のイベントでは何が起こるかわからないので、各自臨機応変に行動するように」

「やっつけ仕事」

image by iStockphoto

「やっつけ仕事」とは、次の意味を持つ言葉です。

間に合わせのいいかげんな仕事。

出典:三省堂「遣っ付け仕事」

「やっつけ仕事」とは「適当に手を抜いて仕上げる仕事のしかた」のことで、「やっつけ」には「とにかく一気にやってしまう」というニュアンスがあります。

「やっつけ仕事」を使った例文は、次の通りです。

「たびたび上司に急かされて大量の仕事を任されるから、やっつけ仕事になってしまうのもしょうがない」

「そんなやっつけ仕事で書いたような文章は、読む人の心に響かないよ」

「むやみ」

image by iStockphoto

「むやみ」が持つ意味は次の通りです。

結果や是非を考えないで、いちずに物事をすること。また、そのさま。

出典:小学館「無闇・無暗」①

「むやみ」は「無闇」「無暗」という漢字を書き、「あとさきを考えずにすること」を表します。

ちなみに「無闇矢鱈(むやみやたら)」は「むやみ」を強めた言い方です。

「むやみ」を使った例文は、次のようになります。

「お年玉をたくさんもらったからって、むやみにお金を使ってたらなくなってしまうよ」

「人脈づくりが大事だからって、むやみやたらに名刺をばらまくのは賛成できないな」

「向こう見ず」

image by iStockphoto

「向こう見ず」には次のような意味があります。

将来のことを考えずに行動すること。また、そのさまや、その人。

出典:小学館「向こう見ず」

「向こう見ず」とは「結果がどうなるかも考えずにものごとを行うさま」を表す言葉です。「向こう見ずな人」といったら、「向こう」つまり自分が進む方向を見ていないような人のことですね。

例文は次のようになります。

「あの治安の悪い国に若い女性一人で行くなんて、向こう見ずもいいところだ」

「暴動の中に飛び込んで行くのは、正義感があるというより向こう見ずだ」

「行き当たりばったり」の対義語

image by iStockphoto

では、「行き当たりばったり」の反対の意味を持つ言葉には、どのようなものがあるのでしょうか。

「用意周到」

image by iStockphoto

「用意周到(よういしゅうとう)」には、次のような意味があります。

用意が行き届いて、手ぬかりがないこと。また、そのさま。

出典:小学館「用意周到」

「用意周到」とは、「用意がすみずみまで行き届き、手抜かりがないこと」を表す言葉です。

「周到」で「注意が行き届いて、手落ちがないこと」を表します。

「用意周到」を使った例文は、次の通りです。

「彼女は几帳面な性格だから、今度の旅行の計画も用意周到に進めているはずだ」

「食事する暇がないかもしれないからってゼリー飲料を持ってきてたの?用意周到だね」

「行き当たりばったり」などの表現を使い分けよう

以上、「行き当たりばったり」の意味と使い方についてまとめました。

この言葉は「その時の成り行き任せて何かを行うこと」をいい、「行き当たりばったりの旅行」「行き当たりばったりに~する」などの形で使われる表現です。

また同じような意味の言葉に「場当たり」「出たとこ勝負」などがあり、これらはそれぞれ「事前の準備なしにその時の思いつきで物事を行うこと」「準備もなしにその時の成り行きで物事を決めること」を表します。

つまり、これらは「無計画なやり方」「思い付きで物事を行うこと」、また「ぶっつけ本番で物事に当たること」について言い表すことができるので、適切な場面で使い分けられるようにしておくと良いですね。

Share:
konomianko