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「模倣」の意味と使い方・類義語・対義語は?校正者がサクッと解説!

「模倣」(読み方:「もほう」)という言葉は、「~を模倣する」「模倣品」などの形でよく用いられています。

何かの真似をして作られたものについていう場合によく使われていますが、具体的にはどのようなことを表しているのか、また同じような意味がある「真似」という語とはどのような違いがあるのか、中には疑問に思う方もいるかもしれません。

そこで、ここでは「模倣」の意味と使い方、「真似」との違い、対義語などについて、法律事務所の事務職として、弁護士が作成した文書の校正やマニュアル改訂作業を行った経験を持つ筆者が解説します。

「模倣」の意味と使い方・類義語・対義語

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それでは、以下に「模倣」の意味と使い方・類義語・対義語について説明します。

「模倣」の意味は?

まず、「模倣」を辞書で引くと、以下のように解説されています。

 

まねること。にせること。

出典:明鏡国語辞典(発行所 株式会社大修館書店)「模倣」

 

つまり、「他のものと同じような行動をしたり同じように何かを作ること」「他のものと同じように見えるようにすること」を表す語です。

「模」は「模範」などの言葉があるように、「手本・型」という意味の漢字で、そこから「手本にする・型どおりにまねる」といった意味も持っています。「模写」「模擬」といった言葉もありますね。

「倣」は「ならう」とも読み、こちらも「まねる」という意味を持つ漢字です。

つまり、同じ意味を持つ字が組み合わさってできている熟語なのですね。

「模倣」の使い方・例文

次に、「模倣」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

この言葉は、単体で使うことができるほかに、「模倣品」「模倣する」といった使い方もできます。

例文は以下の通りです。

「尊敬する作家を手本とするのは必ずしも悪いことではないが、あれでは模倣の域を出ていない。」

「明治時代の日本は、西洋文化を模倣することによって急速な発展を遂げた。」

「有名企業の大ヒット商品とはいっても、もともとは模倣から始まっているものも多い。」

「オークションに出ている商品の中には有名ブランドの模倣品もあるから注意が必要だ。」

「模倣」の類義語

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「模倣」と似た意味を持つ言葉に「真似」がありますが、これらにはどのような違いがあるのでしょうか。

まず、「真似」には以下の意味があります。

まねること。また、形だけ似せた動作をすること。模倣。

出典:明鏡国語辞典(発行所 株式会社大修館書店)「真似」

結論から言うとこれらの言葉にはあまり大きな違いはないのですが、「模倣」の方が「真似」よりも反道徳的というニュアンスで使われることが多い・芸術など、抽象的な事柄をまねるという意味で使われることが多い、という違いがあるようです。

また、「模倣」の方が「真似」よりも堅い表現であるともいえるでしょう。

「真似」の方がより日常的に広く使われる言葉であり、あまり悪いニュアンスはなくニュートラルな表現です。

これらの言葉の使い方を例文で比較すると以下のようになります。

「真似」:「彼は剣道の経験がなく、完全に見よう見真似だと言っていたが、それでも構えはなかなか様になっていた」

「模倣」:「商品は予想外の人気で売上も右肩上がりだったが、同時に模倣品も市場に多く出回るようになっていた」

また、模倣品のことを「レプリカ」とか「コピー商品」といったりもしますよね。
これらの言葉には何か違いがあるのでしょうか。

レプリカ(replica)
特に絵画や彫刻といった美術品についていうときによく使われます。
単なる模写や複製とは区別され、原作者自身によって作成された、または原作者の厳格な監督のもとに作成された、「正確な複製品」のことを指す用語です。

【例文】展示されているのは精巧につくられたレプリカで、本物は倉庫に保管されている。

 

コピー(copy)
日常的に頻繁に使われる言葉ですね。レプリカのように限定的な意味は持たず、より幅広く「写し取ること」「模写」「複写」という意味で用いられます。

【例文】違法にコピーした音楽CDや映画のビデオ・DVDは海賊版と呼ばれ、著作権を侵害する製品なので買わないようにしましょう。

 

ダミー(dummy)
「模造品」といった意味で使われる場合には、「ニセモノ」や「騙すためのもの」といったニュアンスで使われることが多いです。
また、「替え玉人形・マネキン」といった意味もあります。

【例文】あの監視カメラは泥棒除けのためのダミーで、実際には動いていないんだ。

 

フェイク(fake)
「でっち上げ・捏造する・装う」という言葉です。
「悪意あるニセモノ」といったネガティヴな意味合いが強い言葉ですが、「フェイクファー」などのようにモラル的に問題ない真似事や商品に使うこともあります。

【例文】いま世間で騒がれている女優のスキャンダルは、全く根拠のないフェイクニュースだ。

 

パロディ(parody)
正確に写すことを目的とするのではなく、原作の特徴を真似たうえで、独自の作品にアレンジするものを指します。

【例文】現代の若手映画監督が、ヒッチコックの映像手法を真似てパロディ映画を製作した。

「模倣」の対義語

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「模倣」と反対の意味を持つ言葉は「創造」です。
「新しいものを初めてつくり出すこと」を意味します。

【例文】古代の日本では、イザナギとイザナミという神が世界を創造したと信じられていた。
【例文】創造力を高めるために、チェスをすることが有効だという説がある。

「模倣」や類義語の意味を正しく理解して使い分けよう

以上、「模倣」の意味と使い方、「真似」との違いについてまとめました。

この言葉は「何かを真似ること、すでにある何かを真似て造ること」をいい、たとえば優れた芸術作品や文化様式、人気商品などすでにあるものを手本にして真似て作ることをいう場合に「模倣品」「~を模倣する」といった形で使われています。

また、「模倣」と「真似」は意味が近い言葉ではありますが、「真似」の方がよりニュートラルな表現で、「模倣」の方がどちらかというと反道徳的というニュアンスで使われることが多いということでしたね。

また、そのほかにも「レプリカ」「コピー」など類語をいくつかご紹介しましたが、少しずつニュアンスや使う場面の違いがあるので、区別して使い分けられるようにしましょう。

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sakura328