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「普及」の意味と使い方・例文・「浸透」との違いは?現役ライターがサクッと解説!

「普及」(読み方:「ふきゅう」)という言葉は、本や論文、歴史書などでもよく目にする言葉になります。ある場所や広い範囲の地域で「~が普及する」「~を普及させる」などの形でよく使われています。

世間で広く使われている物事についていう場合によく使われている言葉ですが、具体的にはどのような使い方をするのか、また近い意味のある「浸透」という語とはどのような違いがあるのか、中には疑問が浮かぶこともあるかもしれません。そんな「普及」という言葉について、大手企業での勤務後ライターとして数々の記事を編集・構成・執筆を手がけている筆者が説明していきます。

日常生活ではプライベートからビジネスシーンまで使えて馴染みのある「普及」という言葉について、辞書の定義を元にその意味を見ていきましょう。また、「普及」の類義語である「浸透」という言葉は、意味は非常に似ていますが、その使い方は異なるものとなります。はたして、両者にはどのような違いが有るのでしょうか。また、ニュアンスを状況によって使い分ける必要はあるのでしょうか。

「普及」の意味と使い方、類義語である「浸透」との違いについて見てみましょう。

「普及」の意味と使い方・例文

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日常生活でよく耳にする言葉である「普及」ですが、本や文章、会話の中でも出てくる言葉として、プライベートからビジネスシーンまで幅広く使用できる言葉ですね。特に、不足していたものが各人・各家庭に行き渡る様を表す言葉として使われる「普及」について、その使い方を把握しておきたいところです。「普及」の意味と使い方のヒントになる例文をご紹介します。これらの情報を元に、シチュエーションで正しく「普及」を使えるようにしましょう。

「普及」の意味

「普及」という言葉の意味についてご紹介します。昔の日本では、高度経済成長に際していろいろな物が普及していきました。そんな時代を説明する文章にはよく登場する言葉と言えるかもしれません。また、発展途上国でのものやサービスの普及について語る時も出てくる言葉ですね。「普及」という言葉のイメージには、不足品が供給されるような場合に使われることも多く、なんとなくその意味を理解している人も多いのではないでしょうか。まずは、辞書による定義について見ていきましょう。

社会一般に広く行き渡ること。また、行き渡らせること。

出典:明鏡国語辞典(発行所 株式会社大修館書店)「普及」

つまり、「ある物事が世の中全体に広まることや広めること」を表す語となっています。

「普及」の使い方・例文

広範囲で物が行き渡ることを示す言葉である「普及」ですが、物やサービスについて、各家庭や各人に行き渡るような場合に使われます。その他、「フレーズや言葉の普及」といった使い方もされていますが、この場合「浸透」のほうが適切に聞こえますね。シチュエーションによって正しく使い分けるためにも、その使い方のヒントとなる例文をご紹介します。これらの例文から、適切な使い方を確認してみてくださいね。

「電子書籍の市場は年々規模が増加しているものの、普及率として見るとそれほど高くはないようだ」

「環境意識の強いヨーロッパではプラスチック製品を廃止するなどの動きがあるが、こうした意識は世界的に普及させる必要があるだろう」

「近年の急激なスマートフォンの普及に伴い、インターネット利用者の低年齢化が進んでいる」

「1900年台後半にはまだインターネットはそれほど普及していなかったが、以降20年ほどの間に技術は急速な進化を遂げ、今では社会において必要不可欠な存在となっている」

「普及」は、上記のように広く世の中で使われている物事についていう場合に、「~を普及させる」「~が普及している」といった言い方で動詞的に使われるほか、「普及率」「普及に伴い~」などのように名詞として使われることもあります。

「普及」の類義語・「浸透」(しんとう)とその違い

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「普及」という言葉の類義語として挙げられる「浸透」ですが、似たような意味で使用することが出来ます。しかしながら、目に見えるものやサービスに対して使われる「普及」とは違い、目に見えない思想や考え、言葉などが広まる際には「浸透」が使われることが多いのではないでしょうか。若干のニュアンスの違いがあるので、シチュエーションに分けて使いこなすのが適切でしょう。「浸透」という言葉の意味や例文についてもご紹介します。

「浸透」(しんとう)の意味

「普及」とはニュアンスが異なる「浸透」ですが、例えば電化製品などといったものとは違い、考えや傾向が広範囲に広まるような場合に適切に使うことができます。使い分けが少し難しい感もある「浸透」と「普及」ですが、意味としては非常に似通ったものになりますね。実際の「浸透」の意味について、辞書に記載のある定義を確認しましょう。

思想・風潮などが人々の間に広く行きわたること。水などが染み通ること。

出典:明鏡国語辞典(発行所 株式会社大修館書店)「浸透」

つまり、「思想や考えと行った形のないコンセプトが広まる」「液体などが染み込む」場合に使用することができる言葉です。

「浸透」(しんとう)の使い方・例文

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意味は似ているものの、「普及」とはニュアンスに決定的な差がある「浸透」の例文をご紹介します。これらの例文を確認すれば、「普及」との違いを把握することができ、適切な使い方をするのに役立つでしょう。その他、「浸透」は思想や考えに対してだけでなく、液体が染み渡るような状況でも使われています。化粧品や医薬品の商品説明にもある「浸透」という言葉なので、馴染みのある言葉でもありますね。その使い方について、例文をチェックしていきましょう。

 

「欧米諸国では動物愛護の精神からヴィーガニズムが浸透している」

「あの有名映画監督の最新作では、アフリカに深く浸透した宗教儀式の謎を暴いている」

「サービス残業は、古くから日本の会社に浸透している考え方と言えるのかも知れない」

「人気の化粧水は、肌の奥深くに浸透してターンオーバーを助ける役割を果たす」

 

つまり、

「浸透」は「ある思想が人々の心に深く染み込むこと、心に深く入り込んでいること」(広範囲の人々の心にある考えが根付いている状態にあることに対して使う)、

「普及」は「世の中に広まっていること(もしくは広めること)」(世間全体にある物事が広まることや、物事をあえて広めることについていう時に使う)

を表すという違いがあります。

「普及」と「浸透」を上手く使い分けよう

以上、「普及」の意味と使い方、「浸透」との違いについてまとめました。

この言葉は、世間一般に広まること、また広めることをいい、誰もが使っているサービスなど広く世間に行き渡っている物事についていう場合に「~が普及する」「~を普及させる」「普及率」などの形で使われています。

また「浸透」にも近い意味がありますが、この場合は「思想や風潮が人々に広く行き渡ること」をいい、ある考えなどが人々の心の深くに入り込んでいることについていう場合に、「~が(~に)浸透する」といった形で使うことができるでしょう。その他、液体などが染み渡る場合にも使うことが可能です。

「浸透」と「普及」の使い分けについては、主語または会話や文章のメインとなるサブジェクトがどんなものなのかによって使い分けが可能であり、どちらも世の中に広く行き渡っている物事や事柄についていう時に使うことができますが、それぞれ異なるニュアンスがあるので、適した場面で使い分けることができます。

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