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「施策」の意味と使い方・例文・「対策」との違いは?現役ライターがサクッと解説

「施策」(読み方:「しさく」)という言葉は、「~の施策を講じる」「施策を打つ」などの形でよく使われています。

国や公共団体がとる対策などに用いる言葉ですが、具体的にはどのような使い方をするのか、また同じような意味を持つ「対策」とはどのような違いがあるのか、疑問を抱くことがあるかもしれません。

そこでここでは、「施策」の意味と使い方、「対策」との違いなどについて、翻訳経験のある現役ライターの筆者が説明していきます。

「施策」の意味と使い方・例文・「対策」との違い

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それでは、「施策」の意味と使い方、また「対策」との違いなどについて説明していきましょう。

「施策」の意味は?

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まず、「施策」には以下のような意味があります。

行政機関などが政策や対策を立てて実施すること。また、その政策や対策。

出典:明鏡国語辞典(発行所 株式会社大修館書店)「施策」

つまり「施策」とは、「国や地方公共団体などが政策や対策を立ててそれを実行すること、またその政策や対策」を表す言葉です。

「施策」の読み方は?

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「施策」は「しさく」と読むのが正解です。「せさく」は本来は正しい読み方ではありませんが、よく使われるために慣用読みとして認められています。

行政用語では故意に「せさく」と読むこともあるようです。これは、同音異義語である「試作」「思索」と混同しないためだということですが、正式な読み方ではないので間違って覚えないようにしましょう。

「施策」の使い方・例文

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次に、「施策」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「大地震の二次災害を防止するための施策を講じる」

「市は環境保全の観点から路上喫煙を防止するための施策を打った」

「その自治体では、街頭運動などの事故防止を目標としたさまざまな施策を行っている」

「減災・防災に向けて県は堤防を耐震強化するなどの施策をまとめた」

「施策」は、国や地方公共団体(都道府県・市町村など)が実施する政策や公的な問題への対策について、「施策を講じる」「施策を打つ」「施策を立てる」などの形で使うことができます。

「対策」との違い

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次に、似た意味を持つ「対策」との違いについて見ていきましょう。

まず、「対策」には以下の意味があります。

相手の出方や事件の成り行きに対応してとる方法・手段。

出典:明鏡国語辞典(発行所 株式会社大修館書店)「対策」

そして、この語と「施策」の使い方を比較すると以下のようになります。

「対策」:「彼は現役合格を目指して受験対策プランがある夏期講習に通うことにした」
(≒「彼は現役合格を目指して予備校が実施している入試試験に対応した勉強ができるプランがある夏期講習に通うことにした」)

「施策」:「南海トラフなどの巨大地震に備えて、国はインフラの強化や公共設備の耐震化などの施策を打ち出した」
(≒「南海トラフなどの巨大地震に備えて、国はインフラの強化や公共設備の耐震化などの対策を講じることをはっきりと示した」)

つまり、

「対策」は「相手が行動に出る時のやり方に対してとる手段」

「施策」は「行政機関が作り出し実施する対策」

を表すという違いがあります。

その他の類義語

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それでは、「対策」以外の「施策」の類語をいくつか紹介しましょう。

「政策」

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「政策(せいさく)」には、次のような意味があります。

政府・政党などの施政上の方針や方策。

目的を遂行するための方針・手段。

出典:小学館「政策」

「政策」とは、「政府や政党などがとる基本的な政治の方針」のことを表す言葉で、「政策をとる」「政策の遂行」「経済政策」などの形で使われます。

「施策」が「実際に行うこと」であるのに対して、「政策」は「方針」であるというのが、2つの語の異なる点です。

「計画」

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「計画」は、次の意味を持つ言葉です。

ある事を行うために、あらかじめ方法や順序などを考えること。また、その考えの内容。もくろみ。プラン。

出典:小学館「計画」

「計画」は「何かを行う前に、その方法や手順を考えること」を表す言葉で、「計画を立てる」「計画する」「十年計画」などの使い方をします。

「施策」は「施すべき策」であり、「計画」は「段取り」という意味合いが強いというのが2つの語の異なる点です。

「方策」

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「方策(ほうさく)」が持つ意味は、次の通りです。

はかりごと。計略。また、手段。方法。

出典:小学館「方策」①

「方策」とは「物事を達成するための手段や方法」を表し、「方策を立てる」「方策を講じる」「具体的方策」などの形で使われる言葉です。

「方策」の語源は古代中国の文書にあります。「方」は木の板、「策」は竹簡のことで、紙の代わりに使われていました。

「策」という語よりも「方策」の方が、国や行政機関で行う計画を指す場合が多いようです。

「戦略」

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「戦略(せんりゃく)」には、次のような意味があります。

戦争に勝つための総合的・長期的な計略。

組織などを運営していくについて、将来を見通しての方策。

出典:小学館「戦略」

「戦略」とは、「目的を達成するための長期的な計略」を表す言葉で、「戦略を練る」「経営戦略」「販売戦略」などの使い方をします。

ちなみに「戦術」は、「戦略」よりも具体的で実践的なニュアンスを含む言葉です。

 

「対処」

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「対処(たいしょ)」には、次のような意味があります。

ある事柄・状況に合わせて適当な処置をとること。

出典:小学館「対処」

「対処」の「処」には「とりはからう」「とりさばく」という意味があり、「対処」で「ある物事に対して適切な処置をとること」を表します。

混同してしまいがちな「対応」は「状況に合わせて物事をすること」を表す言葉です。こちらは相手や状況に応じて行動しますが、「対処」は自ら行動を起こすというニュアンスの違いがあります。

「対応」

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「対応(たいおう)」は、次の意味を持つ言葉です。

相手や状況に応じて物事をすること。

出典:三省堂「対応」④

「対応」にはさまざまな意味がありますが、その中のひとつが、前述したように「何かが起こった後、相手や周囲の状況に応じて物事をすること」です。

「対応する」「対応策」「電話対応」などの使い方をします。

なお、似たような言葉の「応対」の意味は「相手になって受け答えすること」です。「対応」と意味も似ていますが、「応対」の場合は相手が「人」に限定されるという違いがあります。それに対して「対応」は、相手が「人」でも「物事」でも使用可能です。

「施策」の英語表現

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「施策」を英語で表すには、「policy」「measure」を使うと良いでしょう。

「announce measures」で「施策を発表する」という意味になります。

 

「施策」とその他の類語とは場面に応じて使い分けよう

以上、「施策」の意味と使い方、「対策」との違いなどについてまとめました。

「施策」は「行政機関が政策や対策を立てて実行すること」をいい、国や公共団体などが公的な問題への対策を講じることについて「施策を講じる」などの形で使われる言葉です。

また「対策」も同じような使い方をしますが、この場合は「相手の行動などに対してとる手段」のことをいい、行政機関が立てるものに限らず「対策を講じる」「~対策」などの形で使います。

これらの言葉には似通った意味がありますが、それぞれ使う場面が異なりますので、その点に注意して使い分けることが必要です。

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konomianko