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「絢爛」の意味と使い方・例文・「燦爛」との違いは?現役ライターがサクッと解説

「絢爛」(読み方:「けんらん」)という言葉は、「豪華絢爛」、「絢爛たる~」などの形でよく使われています。
豪華で、煌びやかで、華やかなものを表す言葉として一般的ですが、漢字試験では回答率が低いことでも有名です。皆さんは具体的な意味を理解して使えているでしょうか。中には疑問を抱く方もあるかもしれません。
ヨーロッパに留学中、絢爛たる装飾品や宮殿、美術品を鑑賞してきたライターあかりが、「絢爛」の意味と使い方をご紹介いたします。また近い意味のある「燦爛」(読み方:「さんらん」)という語についても触れ、どのような意味や使い方の違いがあるのか、ここで学んでいきましょう。

「絢爛」の意味と使い方・例文

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それでは、以下に「絢爛」の意味と使い方を見ていきましょう。

「絢爛」の意味とは?

まず、「絢爛」には以下のような意味があります。

きらびやかで美しいさま。

出典:明鏡国語辞典(発行所 株式会社大修館書店)

 

詩歌や文章の表現が、豊富な語彙や凝った言い回しなどで美的に飾られていて、華麗な印象を与える様。

出典:コトバンク(発行所:デジタル大辞林、小学館)

つまり、ある物が輝くほどに華やかで美しい様子を表すと共に、たくさんの美しいもので飾られたものを指す言葉が「絢爛」です。それは外見(見栄え)の美しさのみならず、音・響き・言葉を用いて聴覚に美しさを伝える詩歌や音楽に対しても使うこともできるので、ぜひご活用ください。

「絢爛」の使い方・例文

次に「絢爛」の使い方を、例文を使って見ていきましょう。

この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「彼らが選んだ結婚式場は、内装に縁起の良いモチーフが金や赤などの鮮やかな色使いでふんだんに描かれており、まさに豪華絢爛という言葉がぴったりの場所だった」

「その店には大奥を連想させるような絢爛たる打掛が多数並んでいた」

「豊臣秀吉が築いた当時の大阪城は外壁に黒漆や金箔をふんだんに使用した絢爛豪華なものであったという」

「その絵画に描かれている女性たちは、絢爛なドレスを纏い優雅に微笑んでいた」

上記のとおり「絢爛たる~」「豪華絢爛だ」(絢爛豪華)といった形で使うことができる形容動詞です。言い換えるとすれば「華美」なものについて使うことができる言葉で、同じ美しさであっても清楚・端正なものには使うことができません。美しさの質を見極めて誤用ないように気をつけましょう。

「燦爛」との違い

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次に、似た意味のある「燦爛」という語との違いについて見ていきましょう。

まず、「燦爛」には以下の意味があります

1.きらびやかに光り輝くさま。

出典:明鏡国語辞典(発行所 株式会社大修館書店)「燦爛」

 

2.光り輝くさま。また華やかで美しいさま。

出典:コトバンク(発行所:デジタル大辞林、小学館)

辞書の意味だけを見ると、ほぼ近しい意味で使い分けることが難しいかと思います。そこで、熟語の中で異なる漢字「絢(あや)」と「燦(さん)」の成り立ちを紐解きつつ、それぞれの意味を理解していきましょう。

「絢」「燦」という漢字の意味

色糸をめぐらした模様、またその模様で織られた織物のことも表しています。色とりどりの模様が美しくきらびやかと評されて、「絢」という字単体でも「きらびやかで美しいさま」という意味を持つようになりました。

鮮やかに輝いてるさまを指し、あきらかという意味もあります。「太陽が燦々と輝く」という表現をよく目にするのではないでしょうか。それ自体が光を放ち、周りも照らすほどの様子、「華やかで美しく輝いている」ことを表す漢字です。

 

次に例文をとおして「絢爛」と「燦爛」を比べてみましょう。

絢爛

「キャストたちが纏っている絢爛な衣装も宝塚歌劇の見所の一つだ」

(キャストたちが纏っている輝くほどに華やかで美しい衣装も宝塚歌劇の見所の一つだ)

 

燦爛

「美術館には燦爛と輝く宝石の数々が展示されており、訪れた人々はその美しさにため息を漏らしていた」

(その美術館には華やかに美しく光り輝く宝石の数々が展示されており、訪れた人々はその美しさにため息を漏らしていた)

つまり

「燦爛」は「美しく華やかに光り輝く様子」

「絢爛」は「輝くばかりに華やかで素晴らしく美しい様子」

を表すという違いがあります。光を放つような華やかさの場合は燦爛を使い、色彩豊かで華やかな様子を表す場合は、絢爛をつかうとよいでしょう。

 

絢爛といえば「絢爛豪華」。それとも「豪華絢爛」?

現在、絢爛を二字熟語で使うことは、稀ではないでしょうか。耳馴染みよく聞く言葉としては「絢爛豪華」という四字熟語を挙げることができます。そして同じく「豪華絢爛」も思い浮かぶ方もいるのではないでしょうか。

どちらかが誤りではないかと思われた方もいるかもしれませんが、ご心配なく。どちらも誤りではありません。この二つの四字熟語、同義語であり、使い方に差はないといってよいでしょう。

強いて言うならば、名詞や体言止めとして使われることが多いのは「豪華絢爛」。形容動詞として使われることが多いのは「絢爛豪華」という印象です。

「絢爛」や「絢爛豪華」の対義語は?

ちなみに対義語もご紹介をしておきたいと思います。

二字熟語ですと「簡素」「地味」「野暮」「質素」

などが挙げられ、華やかの対義語ではありますが、それぞれの意味は異なりますので、状態に合わせて使い分けましょう。

四字熟語は、「閑古素朴」(余計なものがなくて、昔のままであること)が代表的です。

「美しさ」の追求は十人十色

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「あなたにとっての美しさとは?」

先日、世界中の人にこの質問を問う特集記事を見ました。

国、人種、年齢、趣味趣向、個性など、何かの枠にはめて答えを定義することはむずがしく、美しさとは十人十色。

芸術、哲学、文化なども美しさを追求するものが多くあります。

そして、いろいろな美しさを表現するために、言葉もたくさん存在し、ここで取り上げている「絢爛」は多くの人を魅了する美しさのひとつと言えるでしょう。

そこで絢爛以外の言葉で、芸術や文化において皆さんも耳にする事の多い美しさを表した言葉を(前述したものも含め)いくつかご紹介していきます。

清楚

清らかで、すっきりしていること

「清楚な服装」「清楚な花」

 

端正

1.姿・形や動作などが正しくてきちんとしていること。また、そのさま

「端正な字」

2.顔だちなどが美しく整っていること

「端正な顔立ち」

 

荘厳

威厳があって、りっぱなこと。厳かなこと

「荘厳華麗」「荘厳なつくりの建物」

 

侘び・寂び

日本文化の美意識の一つ

(侘びは貧粗・不足のなかに心の充足をみいだそうとする意識のことで本来は心の豊かさを追求したものだが、年月を経て美意識にも通ずるものになりました。寂びは「閑寂さのなかに、奥深いものや豊かなものがおのずと感じられる美しさ」を指します。出典:日本大百科全書)

 

可憐

姿・形がかわいらしく、守ってやりたくなるような気持ちを起こさせること。また、そのさま。
「可憐に咲く野の花」「少女の可憐な瞳」
 
洗練(された)
磨きをかけて、あかぬけしたもの
「洗練されたデザイン」「洗練された物腰」
 
豪奢
なみはずれて贅沢ぜいたくな・こと(さま)。
「 豪奢な晩餐」 「 豪奢をきわめる」
 
華奢
1. 姿かたちがほっそりして、上品に感じられるさま。繊細で弱々しく感じられるさま。
「華奢なからだつき」
2. 器物などの作りが、頑丈でないさま。
「華奢なつくりの机」
3. 上品ではなやかなさま。
「華奢なデザインの指輪」

華やか、美しさもいろいろ。絢爛も燦爛も侘び寂びも儚さも皆美しい!

以上、「絢爛」の意味と使い方、「燦爛」との違いについてまとめました。

この言葉は「きらびやかで美しい様子」をいい、「絢爛な~」「豪華絢爛たる~」といった形で使われています。

また「燦爛」も近い意味がありますが、この場合は「華やかで美しく輝く様子」をいい、宝石などの美しい輝きを放つ物についていう場合に「燦爛たる~」「燦爛と輝く」などの形で使うとよいでしょう。

これらの語はいずれも華やかな美しい物について使うことができますが、特に「絢爛」は外見の美しさのみならず、音楽や詩歌など聴覚的な美しさについても使うことができ、芸術を表現する言葉として広く用いることができる素敵な言葉です。対義語については、微妙に異なる意味があるので、状態に合わせて使い分けていきましょう。

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