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「せわしい」の意味と使い方・例文・「せわしない」「忙しい」との違いは?現役ライターがサクッと解説

「せわしい」(漢字:「忙しい」)という言葉は、「何かとせわしい毎日」「せわしい日々」などの形でよく使われています。

することが多く落ち着かない時期の挨拶文などによく使う言葉ですが、具体的にはどのようなことを表すのか、また近い意味を持つ「せわしない」「忙しい」とはどのような違いがあるのか、疑問を抱くことがあるかもしれません。

そこで、ここでは、「せわしい」の意味と使い方、「せわしない」「忙しい」との違いなどについて、翻訳経験のある現役ライターの筆者が説明していきます。

「せわしい」の意味と使い方・例文・「せわしない」「忙しい」との違い

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それでは、「せわしい」の意味と使い方、また「せわしない」との違いなどについて説明していきましょう。

「せわしい」の意味は?

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まず、「せわしい」には以下のような意味があります。

1.事が多くて暇がない。いそがしい。

2.落ち着かない。せかせかしている。

出典:広辞苑 第6版(発行所 株式会社岩波書店)「忙しい」

上記の中でも主に2の意味で使われており、「慌ただしく気持ちが落ち着かない」ことを表す言葉です。

 

「せわしい」の使い方・例文

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次に、「せわしい」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「いよいよ年の瀬も押し迫ってまいりました。何かとせわしい毎日ではございますが、皆様にはお変わりありませんでしょうか」

「年の瀬も押し詰まり、皆様にはせわしい毎日をお過ごしのことと存じます」

「年の瀬を迎え何かとせわしい日々ではございますが、どうぞお体には気を付けて良いお年をお迎えください」

「今年も残すところ半月となりました。何かとせわしい今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか」

「せわしい」は、上記の例のように、慌ただしく気持ち的に落ち着かない状態を表す場合に「何かとせわしい~」「せわしい~」といった形で使います。

「せわしない」「忙しい」との違い

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次に、似た意味を持つ「せわしい」「忙しい」という語との違いについて見ていきましょう。

まず、これらの語には以下の意味があります。

せわしい。

▼「ない」は意味を強める接尾語。

出典:明鏡国語辞典(発行所 株式会社大修館書店)「忙しない」

「せわしない」は「せわしい」に、強調を表す接尾語の「ない」を付けた言葉です。

「せわしい」よりももっと忙しい状態を表します。

用事が多くて他のことにかまっていられない。多忙だ。

出典:明鏡国語辞典(発行所 株式会社大修館書店)「忙しい」①

「忙しい」は、「しなければならない用事が多くて暇がない」ことを表します。

そして、これらの言葉と「せわしい」の使い方を比較すると以下のようになります。

「せわしない」:「親戚一同が集まる宴会の準備で彼女はせわしなく働いていた」
(≒「親戚一同が集まる宴会の準備でしなければいけないことがたくさんあり、彼女は休む暇もなく働いていた」)

「忙しい」:「その日は仕事以外にも用事が立て込んでひどく忙しい一日だった」
(≒「その日は仕事以外にいくつもの用事に追われて暇がない一日だった」)

「せわしい」:「年の瀬も押し迫り、何かと心せわしい時期となりました」
(≒「年の瀬も押し迫り、何かと慌ただしく落ち着かない時期となりました」)

つまり、

「せわしない」は「非常にせわしいこと」(「せわしい」よりも忙しい)、

「忙しい」は「すべきことが多く用事に追われること、暇がないこと」、

「せわしい」は「時間に追われゆとりがないこと」「一時もじっとせず落ち着かないこと」

を表すという違いがあります。

その他の類義語

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「せわしい」と似た意味を持つ言葉には、その他にもこのようなものがあります。

「慌ただしい」

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「慌ただしい(あわただしい)」には、次のような意味があります。

物事をしようとしてしきりにせきたてられるさま。落ち着かなくせわしいさま。

出典:小学館「慌ただしい」①

「慌ただしい」は、「あれこれと用事があって落ち着かないさま」を表す言葉です。

「慌」は「あわてる」という意味ですから、バタバタしている様子がわかりますね。

「慌ただしい」は、「朝は家族の出勤や登校の準備で、何かと慌ただしい」のように使うことができます。

「気ぜわしい」

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「気ぜわしい」には、次のような意味があります。

あれこれと気持ちがせかれて、落ち着いていられない。きぜわしない。

出典:小学館「気忙しい」①

「気ぜわしい」は、「心がせかれて落ち着かない」という意味を持つ言葉です。

気持ちが急いていることを表し、例文は次のようになります。

「毎年12月になると、特になにもなくても気ぜわしくなる」

 

「立て込む」

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「立て込む」が持つ意味は、次の通りです。

一か所に多くの人が入り込んで、こみあう。

用事が一時にたくさん重なる。

出典:三省堂「立て込む・立込む」

「立て込む」は「用事がたくさん重なる」ことを表し、「忙しい」の敬語表現です。

「忙しい」には能動的なニュアンスがありますが、「立て込む」を使うと仕事のせいにする受動的なニュアンスがあります。そのため、目上の人から食事などに誘われたときに「立て込む」を使うと、角を立てずに済むでしょう。

「立て込む」は、次のような使い方をします。

「せっかくですが、仕事が立て込んでいますので、次回に参加させていただきたいと思います」

「お待たせいたしました。朝から仕事が立て込んでおり、返信が遅れてしまいました。申し訳ございません」

「繁忙」

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「繁忙(はんぼう)」には、次のような意味があります。

仕事が多くて忙しいこと。また、そのさま。

出典:小学館「繁忙/煩忙」

「繁忙」とは、「用事が多くて忙しいこと」を表す言葉です。ビジネスでは「業務が忙しくなる時期」という意味の「繁忙期」の形でよく使われます。

その他の例文は、次の通りです。

「ご繁忙中恐れ入りますが、ご検討くださいますようお願いいたします」

「きりきり舞い」

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「きりきり舞い」は、次の意味を持つ言葉です。

十分に対処できないほど忙しく動きまわっていること。てんてこまい。

出典:三省堂「きりきり舞い」①

「きりきり舞い」とは、「忙しくてせわしなく動き回ること」を表す言葉です。こまのように急いで回っている様子からのたとえで、「きりきり」は糸をきつく巻き付ける擬態語からきています。

「一度に仕事が重なって、もうきりきり舞いだ」

といった形で使う表現です。

「てんてこ舞い」

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「てんてこ舞い」は、次のような意味があります。

休む暇もなく、忙しく動き回ること。

出典:三省堂「てんてこ舞い」

「きりきり舞い」と似たような言葉に「てんてこ舞い」がありますが、こちらは「休む暇もなく忙しく動き回ること」で、「てんてこ」は祭囃子や里神楽で用いる小太鼓の音です。その踊りが激しい動きをすることが語源になっています。

「余裕を持って始めればいいのだが、締め切り前はいつも、てんてこ舞いになる」

のように使う表現です。

「せわしい」の対義語

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「せわしい」の反対の意味を持つ言葉には、「暇」「自由」「気まま」などが挙げられます。

「暇」は「仕事に拘束されない時間」「休み」「何かをするための一定の時間」などの意味を持つ言葉です。

「せわしい」の英語表現

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「せわしい」を英語で表すと、「busy」「occupied」などになります。

「私は仕事で毎日せわしい」の英文は、「I’m busy with work every day.」です。

「I’m occupied with~」は、「~のことで頭がいっぱいだ」というニュアンスになります。

「せわしい」を使いこなそう

以上、「せわしい」の意味と使い方、「せわしない」との違いなどについてまとめました。

「せわしい」にはいくつかの意味がありますが、主に「慌ただしく気持ちが落ち着かない」ことをいい、年末年始などの忙しい時期についていう場合に「何かとせわしい~」「せわしい~」といった形で使われています。

また「せわしない」「忙しい」にも近い意味がありますが、「せわしない」は「せわしい」の意味を強調したもので、非常に忙しい場合に「せわしなく~する」といった形で使う表現です。

そして、「忙しい」は「用事に追われること」をいい、用事が立て込んで暇がない状態をいう場合などに「忙しい一日」「~で忙しい」などのように使うことができます。

これらの言葉は、それぞれ忙しい状況を表す時に使うことができますが、ニュアンスは異なりますので、適切な場面で適切な表現を使うようにしましょう。

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konomianko