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「能書き」の意味と使い方・例文・類義語・言い換え表現は?現役ライターがサクッと解説!

「能書き」(読み方:「のうがき」)という言葉は、「能書きを並べる」「能書きを垂れる」などの形でよく使われています。

実益のない自慢話をすることについて言う時に使う言葉です。

具体的にはどのような使い方をするのか、また他の言葉で言い換えるにはどのような言い方をすることができるのか、中には疑問を抱くことがあるかもしれません。そこで、この記事では、「能書き」の意味と使い方、言い換え表現、似たような状況を表す言葉について現役ライターが説明します。

「能書き」の由来とは

それでは、以下に「能書き」の由来、意味と使い方、類義語、言い換え表現について説明します。

「効能書き」から

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まず、記事のはじめにこの言葉の由来がどのようなものかを紹介します。

「能書き」とは、もともとは薬の性能を書き記した「効能書き」のことを示していました。

医者から説明を受けて、処方されたとおりに薬を飲んでも、実際には効果がなかったということを揶揄している表現です。その表現が短縮されて「能書き」となりました。

口ばかりで現実とは乖離がある効果があると吹聴すること行動が伴わないこと自分の優れた点を言い回ることなどに使われるようになりました。

意味

「能書き」とは、「薬などの効き目について書いたものやその文言」「自分の他よりも立派なところをあれこれと述べる自己宣伝の言葉」のこと。

国語辞典を見てみると、「能書き」には以下のような意味があります。

 

1. 薬などの効能を書き記したもの。また、その文句。能書き。

2. 自分のすぐれた点などを述べたてることば。自己宣伝の文句。

(出典:『明鏡国語辞典』大修館書店発行)

使い方・例文

次に、「能書き」の使い方を例文を使って見ていきます。

この言葉は、たとえば以下のように用いることができるでしょう。主に誰かの言動や行動に対して、あまりよくない印象を持った上で使うことが多いでしょう。

「はじめは、良いサービスがあるならぜひ導入したいと考えていたが、営業マンはだらだらと自社のサービスの能書きを並べ立てるばかりで、ほとほと嫌気が差した」

「その店のホームページには立派な能書きが書かれていたが、期待したほどの味ではなかった」

「学生時代の友人たちと久しぶりに会ったのはよいが、昔話に花を咲かせるでもなく能書きばかりを聞かされて辟易した」

能書きに『風邪の諸症状の緩和』とあるように、風邪薬は風邪を治せるものではなく、ただ症状を軽くするだけなんだね」

「能書き」は、上記のように「他の人よりも自分のほうが立派なところをあれこれと述べる言葉、自分の能力などを広めようとする自己宣伝の言葉」「薬の効能について書かれたもの」について言う場合に、「能書きを並べ立てる」「能書きを垂れる」「立派な能書き」などの形で使うことができます。

類義語

では、さらに「能書き」の類義語や言い換え表現について見ていきましょう。

まず、「自分の優れたところや自己宣伝の文句を言い立てる」ことを言う場合には、以下のようなものがあります。

自慢話」:「彼とは同窓会で数年ぶりに会ったが、事業で成功した自慢話を延々と語られ、辟易した」
(≒「彼とは同窓会で数年ぶりに会ったが、事業で成功したという能書きを延々と語られ、辟易した」)

謳い文句」:「その製品は世界最小との謳い文句だが、容量が大きくないのでいまいち実用性に欠ける」
(≒「その製品は世界最小などと能書きを並べているが、容量が大きくないのでいまいち実用性に欠ける」)

言い換え表現

上で挙げた言葉は「能書き」とはニュアンスが異なって聞こえますが、「自慢話」は「自分の良いところを人に自慢していう話」、「謳い文句」は「製品などの特徴を強調していう宣伝文句」を言い、ある物や人の優れたところなどを強調して述べることを表現したい場合に「能書き」と置き換える形で使うことができます。

謳うとは、何かの文章や演説などの中ではっきりと明確に取り上げること。「法律で謳われる」「信教の自由は憲法で謳われている(=明文化される)」「共同宣言に謳われる(=強調される)」「……の必要が謳われる(=述べられる)など」。

さらに、よい評判を受けることも表しています。「強豪と謳われる」。

似た表現

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そのほかには、下記のように表現することもできるでしょう。

駄味噌(だみそ):つまらない自慢話のこと。

手前味噌:自分で自分のことを褒めること、自慢。

ここで言う「手前」とは、自分の体に近いことを示すのではなく、「自家製」「自分の」という意味です。

味噌は、それぞれの作り方によって微妙な味の違いが出ます。良い味噌を作ろうと試みること。そこから転じて、工夫を凝らして苦心したところ、という意味を持っているのです。日常生活でも、「このアイディアが味噌だ」というように、ポイントを指し示す言い方を聞くこともあるでしょう。

自分で作った味噌を「手前どもの味噌は……」と自慢して言うところから「手前味噌」となったという説もあります。上記で触れたように、味噌には元々「自慢」の意味が含まれているという説も同時に考えられるでしょう。

ちなみに、「手前」は「点前」とも書き、この場合には茶をたてる作法・所作、さらにその出来映えのこと。茶席で、「結構なお点前でした」と言いますね。

謳い文句(うたいもんく):人の注意をひくため、盛んに良いところばかりを強調する様子をさします。キャッチフレーズとも言い換えられるでしょう。

御託を並べる(ごたくをならべる):自分勝手なことを、もったいぶって長々、偉そうに言うこと。御託とは「託宣」を敬って言う言葉で「神のお告げ」「ありがたい仰せ」の意味があります。神仏が人に乗り移ったり、夢に出てきたりして告げること。

その意味からいささか傲慢に見えて、その話が長いことを示し、誰かの意見や言葉などを冷やかして言う時にも使うことがあるようです。

御託を並べずに、早速これに取り掛かろう」

自画自賛:自分の行動や自分自身を褒めること。自画自讃とも書く。

自画とは自分の書いた絵のこと。そこから自分の書いた絵を自分で褒める(讃をする)こと。

この由来は、東洋画にあります。水墨画などには、作者以外の誰かから絵と調和するように短い文章を書き入れてもらうという伝統がありました。「自画自賛」または「自画賛」と言われ、「自分の絵に自ら賛を書き入れること」。しかしそのような絵でも評価されているものがあるので、現代のようにマイナスの意味で使われていた場合だけではなかったようです。

正しく使おう!

以上、「能書き」の意味と使い方、類義語、言い換え表現についてまとめました。

この言葉は「薬の効果について書いたもの」「自分の優れたところをあれこれと述べる言葉」をいい、自分の優れた能力をアピールする人についていう場合などに「能書きを述べる」「能書きを垂れる」といった形で使われています。

類義語には「自慢話」「謳い文句」「御託を並べる」「手前味噌」といったものがあり、それらを文脈によっては、「能書き」と置き換えて同じような内容を述べることが可能です。これらの言葉の例文なども詳しく説明しました。

これらの語は自分の良いところ、宣伝で商品の特徴などを言う場合に使うことができますが、それぞれニュアンスが異なるため、その場面に応じて適度に使い分けてみましょう。

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