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「叙情」の意味や英訳・使い方・類義語・対義語まとめ

「叙情」(読み方:「じょじょう」)という言葉は、「叙情的な~」「叙情詩」などの形でよく用いられています。

「叙情」は、人の感情をよく表現した文章についていう時に使う言葉です。しかし、この言葉が具体的にはどのような使い方をするのか、「情緒」「センチメンタル」など似たような意味を持つ言葉とはどのような違いがあるのか、中には疑問を抱くことがあるかもしれません。

そこで、ここでは、「叙情」の意味や英訳、使い方、類義語、対義語について「誰にでも分かる言葉で伝える」を心掛ける現役ライターが分かりやすく解説していきます。



「叙情」の意味や英訳・使い方まとめ

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それでは、以下に「叙情」の意味や英訳、使い方について説明します。

#1 「叙情」の意味は?

まず、「叙情」の意味について見てみましょう。この言葉には、以下のような意味があります。

自分の感情を述べ表すこと。

出典:広辞苑 第6版(発行所 株式会社岩波書店)「抒情・叙情」

つまり、「自分の気持ちを文章で表すこと」を表している言葉です。

ちなみに、「叙情」の「叙」という漢字には「ありのままの思いを述べる」という意味があり、「情」という漢字には「心」や「本当の気持ち」という意味があります。それぞれの漢字の意味を理解すると、難しそうな言葉でもすんなり理解できますね。

#2 「叙情」を英訳すると?

次に、「叙情」を英語でどのように表現するのか、見てみましょう。この英語は以下のようになります。

●lyric

ちなみに、「lyrical」という表現は「叙情的な~」という意味です。最近では芸術分野などにおいて「リリカルに~」など日本語としても使われている場合があります。

 

#3 「叙情」の使い方・例文

次に、「叙情」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「さまざまな階級の人が詠んだ恋歌などが収録された万葉集は、国内最古の叙情詩集と言われている
「その小説は、主人公の感情の動きを中心に描かれた叙情性豊かな作品だ」
「失恋による悲しみを叙情的に歌い上げたその曲は、聞くたびに自然と切なさが胸に込み上げる心に響く作品だ」
「叙情歌ばかりを集めたそのCDは、誰もが知っているどこか懐かしい曲が収録されている」

「叙情」は、上記のように「自身の気持ちを文章などで表すこと」を意味した言葉であり、そのような傾向のある物事についていう場合に「叙情詩」「叙情的」などの形で使うことができます。

「叙情」の類義語は?

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次に、「叙情」の類義語について見ていきましょう。「叙情」の類義語には、「情緒」「センチメンタル」などが挙げられます。

#4 「情緒」

まず、「情緒」という言葉について見てみましょう。「情緒」には以下のような意味があります。

【1】おりにふれて起こるさまざまなおもい。喜怒哀楽などにつれて起こる複雑な感情。じょうちょ。
【2】そのものに接した時に受ける、しみじみとした特有の情趣。

出典:精選版 日本国語大辞典「情緒」

そして、この言葉はたとえば以下のように用いることができます。

「小さなことにも感動する彼女は、情緒豊かな人だ」
「この町の魅力は、情緒溢れるこの古い街並みだ」
「彼女が最近、情緒不安定なのには何か原因があるはずだ」
「情緒的な話し合いでは、何も解決しない」

#5 「センチメンタル」

次に、「センチメンタル」という言葉について見てみましょう。「センチメンタル」には、以下のような意味があります。

悲哀や憂愁などにひたるさま。涙もろいさま。感傷的。また、そういう感情にひたらせるさま。

出典:精選版 日本国語大辞典「センチメンタル」

そして、これの言葉はたとえば以下のように用いることができます。

「恋人と別れた彼女は、最近センチメンタルになっている」
「大人になってから子供の頃の思い出の地をたどると、なんだかセンチメンタルな気分になる」
「それなりに日々感じることもあるが、毎日忙しすぎてセンチメンタルな気分になっている暇などない」

「叙情」の類義語には、「情緒」「センチメンタル」などがあります。「情緒」は「物事に触れて起こる様々な感情や、喜怒哀楽などに伴い起こる複雑な感情」を表しており、「センチメンタル」は「感傷的で、哀愁にひたっている状態」を表した言葉です。

これらの言葉は、同じように感情に関係する言葉ですが、「叙情」は、「気持ちを書き記す」という動作も含まれる言葉であるため、使い分けに注意しましょう。

「叙情」の対義語は?

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最後に、「叙情」の対義語について見ていきましょう。この対義語には、「叙事」「叙景」などが挙げられます。

#6 「叙事」

まず、「叙事」について見ていきましょう。「叙事」には以下のような意味があります。

 

事実・事件をありのままに客観的に述べしるすこと。また、その述べしるしたもの。

出典:精選版 日本国語大辞典「叙事」

つまり「叙事」は、自分の気持ちなどは関係なく、「ありのままの事実を文章で書き記す」という意味を表した言葉です。この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「新聞は、最近あった最近出来事や事件が集約されている叙事文である」
「事件に遭遇した彼は、警察の事情聴取に叙事的に協力した」

#7 「叙景」

次に、「叙景」について見てみましょう。「叙景」には、以下のような意味があります。

 

けしきを述べしるすこと。風景を詩文に書き表すこと。

出典:精選版 日本国語大辞典「叙景」

つまり、「叙景」とは、「風景書き記す」ことを意味した言葉です。そして、この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「小倉百人一首には、恋の歌だけでなく自然の美しさを詠んだ素晴らしい叙景歌も収録されている」
「彼女が執筆する物語はすべて、心を魅了する叙景が特徴的だ」

「叙情」の対義語には、「叙事」「叙景」などがあります。「自分の感情を書き記す」ことを表している「叙情」に対し、「叙事」はありのままの事実を文章で書き記すことを表しており、「叙景」は「風景を文章で書き記すこと」を表して言葉です。

これらは、同じように「文章で書き記す」という意味を表しますが、書き記す対象が異なるため、使い分けに注意しましょう。

「叙情」を使いこなそう

以上、「叙情」の意味と使い方についてまとめました。この言葉は「自分の感情を述べ表すこと」をいい、自分の気持を文章で表現することやそのような性質のある音楽などについていう場合に「叙情詩」「叙情的な音楽」といった形で使われています。

この言葉の類義語は「情緒」「センチメンタル」などです。これらの言葉は感情を表した言葉であり、「叙情」と似たような使い方をされる場合がありますが、「叙情」は「気持ちを書き記す」という動作が含まれた言葉であることに注意しましょう。

また、対義語には「叙事」「叙景」などがあります。「叙情」を含め、これらの言葉は「書き記す」という動作が含まれた言葉ですが、書き記す対象がそれぞれ異なるため、状況に応じて使い分けるようにしましょう。

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tanpopo409